中嶋聡のレビュー一覧
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職場に休職からの復帰者が来たが、予想に反して極めて普通。そのうち「あいつ、新型うつだったみたいだよ」という話が聞こえてきて、新型うつについて知りたくなった。
本書は、タイトルは過激だが、色々な人のレビューのとおり、まともな内容の本のようだ。新型うつの説明のため、あるいは、従来型うつに対する誤解を排するため、うつ病についてかなりの紙数を割いており、まだるっこい感じもするが、精神病理学の歴史的蓄積や正統な理解を示したいという著者の真摯な態度と評価できよう。
その上で、新型うつの問題点について、社会的公正さという観点を中心に、様々な角度から指摘していて、もっともだと思わされることが多かった。
現代を -
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Posted by ブクログ
精神科のお医者さんが書いた本。心の傷についてというより、世間一般についての筆者のスタンスを書いているといった感じ。
発想は割と保守的な方のようなので、内容はいわゆる「至極真っ当」とも言うべきもの。新しい発見というのは特になかった。
とりあえず一つ突っ込むとしたら、何に感情的好意を持つかについては、歴史の積み重ねによる世代差があるということ。たとえば彼は、「看護士さん」ではなく「看護婦さん」という言葉に好意を持つというが、彼より若い人がそうだとは限らない。そのうち看護婦という言葉が死滅すれば、看護士という言葉に人はそれぞれの印象を持つだろう。結局言葉ひいては文化を作っているのは今を生きる人間なの -
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うつ、解離性障害、PTSD、、、エセ「被害者」がのさばっている世情の分析はその通り!と共感するところが多く、「セクハラは犯罪だろうか」など、その部分的な字面だけからだとバッシングが殺到しそうな内容だが、そこは文章なので、きっちりと本意を説明してくれています。
ただ最後のあたりの処方箋で、辺縁を活かすだとか、精神力を鍛えよう。。。とあって、これらもその通りだと思うのですが、「心の傷」を持っていない人にしか通じないというか、そういう人たちがエセ「被害者」にならないようにする処方箋でしかないような気がします。
エセ「被害者」にどう向き合うかという、処方箋を期待したんですがね。
本書のタイトルだけ -
Posted by ブクログ
また最近、周りに鬱の人が増えてきて、鬱に関する本を読んでみる。
鬱とはという本ではなく、精神科医が思う鬱病休職になるまでの診断や鬱病ではないが、企業側の意向もあり、診断書を求められる現場の実情を書く。まあ鬱増えているよなと改めて思ったり、企業の労働問題を病気で片づけようとする企業、患者に言い寄られ精神科医は大変だなと思ったり。
【学】
上司が「とりあえず病院にかかって、休め」と言う。
医者は(鬱病ではない場合は)病気じゃ無いので、休職の診断書は書けません。本質は労務問題なので、「病気としてとりあえず休む」というのは本筋では無いでしょうと言う。
うつ病と抑うつ反応の違い
精神科治療の基本は -
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Posted by ブクログ
現代の社会問題にもなりつつある、うつ病からの休職。どのような過程を経て病気になり、休職に至っているのかを読み解いている本著。
うつ病が増えた原因として診断基準が変わった、端的に言えばうつ病のハードルが下がったことによる、本来抑うつ状態と認定されるもの=うつ病になりつつあるということ。そして、本質的には労働環境の悪さが招いた患者の苦悩が、うつ病にすり替えられているという現象とでも言えばいいのか。現代社会に起こるべくして起こったような感じが正直否めない。
読んでいて実感することもあるし、うつ病≠抑うつ状態ではないことも分かった。ただ、この本にこんなことを望んではいけないのだろうけど、寄り