中嶋聡のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレうつ病、適応障害などに関心があるなら、ぜひ一度は読んでみてほしい。
ただ、苦しくて医者にかかろうか迷っている人は、ときに厳しいことも書いてあるので読まないで医者にいってほしい。
うつ病や抑うつ状態の違いについて述べている。
読者の多くが読み進めていく中で「その違いになんの意味があるのか。苦しんでいるのであれば、助けてあげるべきでは」と思うと思う。
私も半分くらいまで読んだときは思っていた。
現代の風潮として
うつ病のような状態が見られる人に対し
甘えなのでは、と指摘することはご法度とされており
「診断書」が印籠のように使われている実情はあると思う。
実際に自分も、今思えばうつ病ではなく抑うつ状態だったと思うが
診断書をもらい、配置換えが行われた。
自分自身はその対応は必要だったと思う。
実際会社にていも、頭が働かないし、胸の中に水銀がうごめいているような感覚があって、全く仕事にならなかったから。
しかし、
自分を棚に上げていることは承知しつつも、
甘えが許されている事実もあると思う。
作中、労働者が会社に対して負っている責任は、
ただデスクに座っていだけである、という記述がある。
実際法律的にそうなようだ。
ただ、文中にあるように、
社会通念的にそれで良いのか、という部分ももちろんある。
社会通念的にそれで良いのか、と疑問に思う人間と
そうでない人間の間には、
仮に同じように、病気ではない診断名がついたとしても
"社会通念的に"、あるいは人間的に
それを許容したいと思うかどうかには
大きな違いがあるだろう。
最後まで読むとわかるように、
筆者は、病気であるうつ病と、
そうでない抑うつ反応の違いを認識し、
違いによって対応を変えるべきなのか、ということについて悩んでいる。
病気ではない抑うつ反応に対して、
「休みたい」という理由で診断書を求められることがあるそうだ。
その時、病気ではない症状に対して
診断書を書くことが正しいのだろうか、そうではないのだろうか。
読む前は、どこか一方的に苦しんでいる側に寄り添っていて、
診断書を書くべきだろうと信じてやまない自分がいたが、
本書を読んで、本当にそうであろうか、と悩みが生じた。
病気ではない状況に対して
医者がとるべき対応、
また現在の社会の状態について悩むことは
とても有意義だと思う。
このままだと本の内容をそのまま記載しそうなので
読んだ人しかわからないような文章になってしまったが、
ぜひ読んでほしい。
そして、どちらかの側に立ってそのまま動かないのではなく
悩みながら生きて行くことが、重要なのだと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ職場の同僚にうつ病の方がいるので、うつ病のことをもっと知りたいと思い購読した。
ここ数年でうつ病患者は急増している。うつ病の診断方法が不鮮明になったことと薬の変化が原因だといわれている。簡単に言うとうつ病のストライクゾーンが広まったため。それに伴ってうつ病休職が増え、深刻な社会問題となっている。会社側は本来、長時間労働、パワハラなどの労務問題が原因であるにも関わらず、休職という形で問題をすり替えている。労働者にとっても、とりあえず休めるし、お金も貰えるからwinwinな関係が成り立ってしまう。
手っ取り早くうつ病と診断してもらうには、若い医師や心療内科を受診するといいらしい。診断書をもらうために数件ハシゴすることもあるとか。
実際にはうつ病ではなくて、抑うつ状態の人もうつ病と診断されることが多いらしい。抑うつ状態とは、簡単に言うと誰にでもある気分の落ち込みのこと。
会社は簡単に解雇はできないから、しっかりと休職をさせたという事実がほしい。
企業には安全配慮義務上の問題もあるし 、もし解雇すれば解雇権濫用になる 。だけど診断書をとって十分な期間病気休職させていれば 、 『ここまでやったけど無理なんだから仕方ないよね 』ということで説明がつく。
休職の制度を利用して、ちょっと出勤してまた長期間休むを繰り返す悪い人もいる。企業の負担は社会保険料の企業負担分だけなので大した痛手にはならない。結局企業は大した痛手もなく、ツケは国民に払わせている。
今回、会社の同僚は三週間程度休職して、転勤となった訳だが、1つ腑に落ちないことがある。休職期間中は個人の有給を使用するように指示されていた。この本の通りであれば、公休で傷病手当金を支給されるべきではないだろうか。うつ病患者がでたとなれば、会社の評判が落ちるから有給で誤魔化して転勤させたのかなと邪推してしまう。
うつ病で本当に苦しんでいる人がいる一方で、簡単に診断書を出す医師、労務問題を解決しない企業によって休職する人が増える事が一番の社会問題であると思う。
診断書問題・・診断書をもらって休職することでサボれる。傷病手当金、障害年金で経済的利益を得る、問題の解決から回避できる、といった3つのメリットがある。
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同じ著者の「『新型うつ病』のデタラメ」も読んだことがあるが、本書は、いわゆる「うつ病」と呼ばれる幅広い症状について、真の(従来型の)うつ病とそれ以外の比較・対比を分かりやすく教えてくれる。それは、診断基準の変化など医学的側面よりも、症例や裁判例を具体例として用い、かつ、弁護士や企業の実務家も登場させて、労働問題の側面に光を当てていて、精神医療に疎い普通のサラリーマンにも分かりやすい言葉や発想で書かれているからではないかと思う。抑うつ反応とうつ病との境界などについても、敢えて単純化することで、正確性を若干犠牲にしても、ザクっと言えばこういうこと、という形で分かりやすさが重視されている。
短時間でスラスラ読めることもあり、人事・労務担当になって間もないという人には、役に立つし、読んで損はない。 -
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新型うつについて知りたくて読書。
タイトル通り著者は新型うつに懐疑的な意見を持っている。新型うつという名称を変更するべきだと提言しており私も賛成。本来、治療するべきうつ病が埋もれてしまうように思うからだ。
新型うつは分からないが、うつ病だと診断されると保険加入に支障が出るなどのデメリットが生じる。新型や自称うつの人はどこまで理解しているのか。。
新型うつは他罰的で自己愛的性格が強いので、本人よりも関わる周りが迷惑する傾向がある。精神的な被害を受ける周りの人たちへのフォローについても考える必要があるし、新型うつの人たちよりも仕事がしっかりとしている迷惑を被る周りの人へのフォローの方へもっと注目するべきではないか。
さらに知りたいのは、他国の情況。成熟国家や先進国特有の現象であるならアメリカやイギリス、フランス、ドイツではどうなのか。途上国ではどうなのか。
また、診断書を出す医者へ罰則など法的責任はどうなっているのか。本書の事例でも紹介されいるような面倒な患者が多いと思われる。対応に苦慮して事実でもないことを書いて渡してしまうケースもあると思われる。どうやってそれを防ごうとしているのか。心ある医者が1人でも他の医者が違ったら、そちらで発行されてしまうこともあると思うので、1人の努力ではどうしようもない。
新型うつに必要なのは診察や薬物療法ではなく、習慣や認知を改めさせるような一種の訓練が有効だと思われる。
〇〇病や〇〇症候群と称する人は私が関わった人にもいる。そうすると自分が認められると錯覚しており、ある種の回避、予防線を張っているとも言える。
精神力の低下(p89~)が興味深い。
経営者や部下を管理するピープルマネージャーには今後ますます必要性を増す知識だと思う。新型うつの人が増えてくると、本来の解決するべき問題の発見が遅れてしまうことが企業リスクとなるので、しっかりと費用と時間をかけて対策を講じる必要がある。
参考文献も多く、手元に置いておき再読する予定の本。
読書時間:約1時間15分 -
Posted by ブクログ
ここで言われてる辺縁、いわゆる中腰のことですね。言い方は違うけど、何でも白黒はっきりさせられる訳が無いという考え方、共感できました。本作者はどちらかというと、何でもかんでもうつ病で片づけてしまうのはちょっと…っていうスタンスだと思ったけど、それは僕自身の考えとも合致するから、素直にうなずける部分が多かった。冤罪の話とかにまで言及されてるけど、そっちもやっぱり同意見だったし。という訳で、新たな知見を得るという意味ではそんなになかったけど、自分で思っていながらなかなか言語化するのが難しいと感じる部分が、非常によく著されていたという点で、自分的には高く評価できます。
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Posted by ブクログ
精神科医がこれぐらいの物言いを言ってくれるとすっきりする。
特に、「うつ病の不連続性と新型うつ病の了解可能性」については、非常に分かりやすく説明されており、一番ためになった箇所です。
「徳」とか何とかいう所は余計だったけれど、全体的に良。
内容については賛否両論あると思うけれど、こういう物言いをする精神科医がもっと増えて欲しいと思いました。
「精神病理学は、伝統的に、それが内因性かどうかという問題にこだわってきました。内因性であれば、それは本格的な病気です。(中略)しかし内因性でなければ、それは病気ではあっても正常心理と連続したものであり、そんなに深刻に捉える必要がありません。」(p82) -
Posted by ブクログ
最近ではしばしば話題に上り、知名度も増してきている「新型うつ病」似ついての解説書。
「うつ病」についての理解を通して、この「新型うつ病」を理解しようとする試みの書。
「うつ病」に関する説明は、歴史的経緯を中心に、かなり分かりやすくなっていた。それ故に、「新型うつ病」が、どういったものなのか、どういった経緯で現れ、そして広まったのか・・・などが分かりやすく解説されている。
また、それのみにとどまらず、著者からの生き方・考え方に対する提言も非常に興味深く、共感を覚えるものだった。
とかく、努力やストレスというものを”ないほうがいい”という価値観で物事が考えられるようになってきている。が、本来、人間にはストレスは必要なものだと、改めて考えさせられる。
一方向的に語るおしつけ書ではなくて、両論併記的な部分も多くあり、そのなかで著者の考える者が採用されている背景がよくわかり、もっと他の本を読みたくなった。
著者の思想に触れるには、特に第三章「精神科診療から見た現代社会」の一節「ストレスが成長を促す」からでも読んでみたらいいかもしれない。たった4ページ(p.179~183)だが、非常に気持ちのよい文章になっている。
曰く『一体、無理しないで一人前になった人などいるのでしょうか。それは一部の天才だけではないでしょうか。どのような分野にせよ、高いパフォーマンスを示す人をみると、賛嘆と敬意を禁じ得ませんが、それはつまるところ、表にはみえはしないが確実に重ねたに違いない、彼らの人知れぬ努力に対する賛嘆と敬意だと思います。現状に満足せず、むしろあらゆる程度の障壁(ストレス)を自ら求める心と、それを乗り越える力、それがある人だけが、どの分野にしろ、一人前と言われるレベルに達するのだと思います。』
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【内容(「BOOK」データベースより)】
「上司に叱られ、やる気ゼロ」「彼女に浮気されたので休職したい」…。この十年、そんな理由で精神科を訪れる人が急増。従来のうつ病とは明らかに異なる病態をもつそれは、「新型うつ病」と総称されるようになった。診断書を手に堂々と会社を休む人々、手厚すぎる社会保障、肥大化する自己愛と精神力の低下。はたして「新型うつ病」は本当に“病気”なのだろうか。もはや社会問題。そのまやかしを、現役精神科医が暴く。
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【目次】
第1章 「新型うつ病」とは何か
「新型うつ病」とはどのような病気か
うつ病概念の歴史
「新型うつ病」の位置づけ
「新型うつ病」はなぜ生まれたか―その三つの要因)
第2章 「新型うつ病」がもたらした社会的弊害
休職をめぐる問題
簡単にもらえる傷病手当金
しばしばもらえる障害年金
公費医療・サラ金・奨学金返済
給食費免除
その他の保障や利益
労働紛争の不思議な結末―富士通四国システムズ事件
第3章 精神科診療からみる現代社会
「何でも人のせい」という風潮
「何でも病気」という風潮
「『知らない私』のせい」という風潮
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Posted by ブクログ
ネタバレ「心の病」は体の正直な反応なのだから無条件に守られるべき。それが当たり前となりつつある世の中において、ともすれば時代錯誤な精神論ともとられかねない、しかし誰もが抱いたことがあるであろう思いがはっきりと述べられている。
「病気になった個人を責めることはないけれど、『ちょっとくらいのストレスや不安に負けないように、普段から精神力を鍛えましょう』と言うことは可能」との一文にははっとさせられた。
疾病利得について読んで、アドラー心理学の目的論を連続した。幅の広がった「心の病」は、都合の良いシェルターと化してしまっている面があることには大いに共感した。第三者の目に見えない症状であるからこその複雑さをもつ心の病との向き合い方について考える契機となる一冊だった。
しかし、第7章での体罰についての論には反対だ。言葉で言うのでは不十分で、気合いを入れるのには暴力を用いるのが適切なこともあるとの論は、教育の放棄であり、暴力の美化である。暴力に訴えず、如何にして生徒に思いを伝えるかが教師の腕の見せ所ではないか。 -
Posted by ブクログ
昨今増えていると言われている「新型うつ病」は
うつ病ではないと言う事を医学的検知から説明しています。
医学的説明が多いので、少々難しい部分も多いですが、
症例の説明は具体的で非常にイメージしやすいものばかりでした。
「新型うつ病」というのは、様々な要因で精神的に弱くなってきた日本人に
副作用の少ないうつ病用の新薬を売りたい製薬メーカの思惑が重なって
できた病気のようなものなんだそうです。
病気として扱ってほしいと来院する人が増えているという
現状は自分としてはいかがなものかと思うし、
もう少し粘って踏ん張っていくべきなのかなと思います。
筆者の説明を見ていると「新型うつ病」って仮病?という風にも
思えるのですが、当人は多分困っているはずなので、
非常に難しいものだと思いました。