山田真哉のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「女子大生会計士の事件簿」の続編シリーズ。芙藍学園の「会計探偵部」に所属する、体力だけがとりえに見えてときおり鋭い直観力を発揮する少女・白百合杏莉(キロリ)と、優秀だけどかなり自信過剰の少年・白百合安利(アンリ)の物語です。
確定申告書を手がかりに推理をおこない、さまざまな問題を解決していくという、探偵モノのライトノベル仕立ての作品です。これは、会計についてわかりやすく解説することに工夫を凝らしてきた著者らしい着想だと感じました。
キャラクターやストーリーがありがちだと感じてしまうところはあるものの、純粋にライトノベルとしても楽しんで読むことができました。 -
Posted by ブクログ
シリーズ最終巻。今回は萌実のデレるシーンがシリーズ中最多となっています。もっとも「秘酒・夢幻」の効果で、カッキーの記憶からは消去されてしまうというオチなのですが。
表題作「〈ラストダンスは私に〉事件」では、萌実が監査法人をやめて大学に専念することを決意し、ようやくカッキーがカッコいいところを見せています。
その次の「〈真昼の白昼夢〉事件」では、神戸にある萌実の実家の建材店の手伝いをする話。阪神大震災で命を失った萌実の姉と母が、カッキーの前に姿を現わします。ただしあくまで小説として評価するならば、現実的な会計をテーマにした小説に幽霊が登場するというのがどうにも不自然に感じてしまいます。もちろ -
Posted by ブクログ
シリーズ番外編。機関誌『TACNEWS』以外に掲載された中編3本と、「おまけファイル」と銘打たれた短編2本を収録しています。
「監査ファイル1〈アキハバラ会計士遁走〉事件」は、萌実とカッキーがPCパーツのネット販売を利用して不正をおこなっていた偽会計士を追って、東京の秋葉原と大阪の日本橋を往還する話。「監査ファイル2〈藤原萌美と謎のプレジデント〉事件」は、会社の株券を担保に個人投資をおこなおうとしていたオカマ社長を問い詰めたところ、思いがけず彼が大掛かりな詐欺に巻き込まれていたことが判明するという話。「監査ファイル3〈逆粉飾の殺人〉事件」は、ベンチャー企業の監査中に副社長が殺害される事件が起 -
Posted by ブクログ
今回は、萌実とカッキーの後輩でお嬢様会計士の村咲紫(むらさき・ゆかり)が登場します。また後半には、萌実のかつての上司で元ミス監査法人の氷高元美が登場し、御堂グループの社長・御堂道永と萌実たちとの因縁の対決が描かれることになります。
扱われているテーマは、美術品評価、棚卸、連結子会社、M&Aなどですが、それぞれのストーリーが紫を軸にして一つにつながっており、小説としての完成度はシリーズ中でもっとも高いように思います。
また巻末には、いつものように萌実とカッキーが事件をふり返る「女子大生会計士の事件後」のほか、「『女子大生会計士の事件簿』最終回決定会議」と「『女子大生会計士の事件簿』〈ドラマ化 -
Posted by ブクログ
久々の会計士である山田先生の会計ネタの小説。
あとがきでも書かれている「フラン学園~」はまだかな
と思いながらの新作ですが…
あとがきの通りこちらが先だったのは納得です。
この本のネタは今のうちに、なので(笑)。
ただ、個人的にはフラン学園のほうが断然いいです。
というのも、今回のあいるさんと竜ケ水君との関係は
正直「女子大生会計士」とまったく一緒です。
知識と度胸があり物怖じしない(悪く言えば生意気)な
美人ヒロインと、彼女に頭が上がらないけど頑張る主人公。
題材は「女子大生」と大分違うものの、この主なやりとりは
入れ替えてもわからないんじゃ、な気もしたので。
この作品も面白いですが、 -
Posted by ブクログ
『経費ですか?』シリーズの1作目です!
元国民的アイドルグループのセンターで、
卒業・引退したドSの税理士事務所長と、
下僕並みにこき使われる、Mっけ男子が、
芸能人や文化人を、クライアントとして、
業界独特のビジネスモデルとプチ事件を、
税金の視点から、面白くおかしく描いた、
3編からなる短編集です。
作者さんの意図なり、作風や構成は、
お話8割、知識2割の税金の入門書、
的な位置付けとされてはいますが…、
やっぱり、税金の門外漢のボクには、
ちびっと難しぃ部分もあったかも…?
それでも、キャラクターの面白さや、
ゴシップ的な題材と、エピソードは、
興味深くもあり、楽しかったですよ!