本庶佑のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
私は血液のがんと言われる、白血病の骨髄移植後患者です。がんサバイバー当事者ということで、この本は自分事として知識を得たくて、少し難しいながらも一気に読めました。
免疫と謳っているけれども、実態はうさん臭い似非医療本もたくさんありますが、こちらは標準医療として認められている薬剤・治療法について、ノーベル賞を受賞した研究者ご本人が説明をしてくれているので、安心して読んで良い本です。
この本の中で紹介されている治療法は、残念ながら私の罹患した白血病には適用外ではありましたが、当時保険適用になったばかりのオプシーボについて、抗がん剤治療を受けながら調べたことを思い出します。
日本では科研費が削られてき -
Posted by ブクログ
元ネタは、1986年に刊行された『遺伝子が語る生命像』。そこから三十年近くの間に当然のことながら生命科学は長足の進展を遂げた。本書はその進展を踏まえて2013年に改訂されたもの。特にPCRなどの解析技術の発展や、ヒトゲノムプロジェクトの成果などがあり、本書の内容も大幅に変わっているのではないかと想定する。新書(ブルーバックス)だが、内容は読みごたえがある。
ヒトゲノムの全塩基配列の決定を、人口三万人の都市の電話帳を探しあてたようなものである、と評価し、この「都市」がどのような仕組みで動いているのかという全体像を明らかにしていくのは今後の大きな課題だとしている。この比喩はなかなかうまい。そして