あらすじ
PD-1抗体による免疫療法は、がん治療の考え方を根本から変えた。偶然の発見を画期的治療法の開発へと導いた著者の研究の歩みをたどりながら、生命現象の不思議、未知の世界に挑むサイエンスの醍醐味、そして「いのち」の思想から日本の医療の未来まで幅広く論じる。ノーベル賞授賞式後の記念スピーチも収録する。
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Posted by ブクログ
私は血液のがんと言われる、白血病の骨髄移植後患者です。がんサバイバー当事者ということで、この本は自分事として知識を得たくて、少し難しいながらも一気に読めました。
免疫と謳っているけれども、実態はうさん臭い似非医療本もたくさんありますが、こちらは標準医療として認められている薬剤・治療法について、ノーベル賞を受賞した研究者ご本人が説明をしてくれているので、安心して読んで良い本です。
この本の中で紹介されている治療法は、残念ながら私の罹患した白血病には適用外ではありましたが、当時保険適用になったばかりのオプシーボについて、抗がん剤治療を受けながら調べたことを思い出します。
日本では科研費が削られてきていて、昔のようには基礎研究に力を入れられる場所や環境が減ってしまったということは、自身の主治医からも聞いていましたが、ノーベル賞を受賞した研究者である著者も警鐘を鳴らしていて、もっと大切な研究に時間とお金を集めてもらいたいと改めて思いました。
病気の特効薬というのは、よほどの奇跡が起こらない限り、実現性がかなり低いという事実も知ることができ、ますます基礎研究の大切さを感じた読後感です。
Posted by ブクログ
2章が免疫療法の詳細を述べた部分である。3章では生命倫理、4章では研究をめぐる資金などの話であった。
もっと歴史的なことも含めて免疫療法や他の方法について詳細に書いてもよかったような気がする。
Posted by ブクログ
命は、滅ぶことによってその存在が活きる。
免疫療法、がん治療、そもそもいのちとは、研究とは。いろんなことへの想いや考え方が載っている本。
免疫療法についてもう少し知りたくなった。
もう少し詳しくその部分を書いてほしかった。
2021.5.25