【感想・ネタバレ】ゲノムが語る生命像 現代人のための最新・生命科学入門のレビュー

あらすじ

生命の設計図DNAが分子レベルで解読され、ゲノム工学技術が飛躍的な発展を遂げた現代、生命科学は文系理系を問わず社会の幅広い分野で不可欠の科学となりました。まさに分子が織りなす命の綾としての「新しい生命像」を、日本を代表する分子生物学者がその最前線から解き明かします。(ブルーバックス・2013年1月刊)

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Posted by ブクログ

「PD-1」の発見で2018年にノーベル医学生理学賞を受賞された本庶佑先生が執筆された生命科学の入門書。ゲノム工学の歴史や生命観が端的に分かりやすく解説されており、生命科学系の卒業研究を始めた大学生におすすめです。

自分自身の経験談として、研究室へ配属されたての頃は生命科学の研究がどういうものか分かっておらず苦労した思い出があります。本書で語られている、遺伝子工学の実態、生命の複雑さや柔軟性といった原理や概観を理解しながら研究に励む事でより充実した日々を送れると思います。

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2025年05月29日

Posted by ブクログ

免疫療法を支えるゲノム工学。メディアでは報道されない大事なポイント。もっと大事なのは、ここ近年日本人ノーベル賞受賞者が活躍しているiPSもオートファジーも微生物バイオも同じ基礎科学がベースになってるということ。だから基礎科学への投資が必要。

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2018年10月08日

Posted by ブクログ

2018年のノーベル賞受賞者ということで、1986年に執筆され、2013年に大幅加筆された本書を読んでみた。難しい部分も幾つかあるが、遺伝子あるいはその物質的根幹であるDNAの仕組みや、ゲノム解読などの技術的側面、そして、生命の設計図でありながら個体内でも柔軟に変異するという奇妙な性質などについて初めて聞く話が詰まっている。また、科学的な解説のみならず、終盤は、生命像や生命科学のあり方といった倫理・哲学的な思考についても、著者の考え方の一端が披露されていて、科学本の枠に収まらない内容となっている。

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2019年12月31日

Posted by ブクログ

生命科学の基礎から比較的新しい知見までが網羅されておりゲノムについて体系的に捉える事が出来た。また、生命科学が抱える課題や将来像についても言及されており奥の深い構成で大変参考になった。

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2018年11月18日

Posted by ブクログ

元ネタは、1986年に刊行された『遺伝子が語る生命像』。そこから三十年近くの間に当然のことながら生命科学は長足の進展を遂げた。本書はその進展を踏まえて2013年に改訂されたもの。特にPCRなどの解析技術の発展や、ヒトゲノムプロジェクトの成果などがあり、本書の内容も大幅に変わっているのではないかと想定する。新書(ブルーバックス)だが、内容は読みごたえがある。

ヒトゲノムの全塩基配列の決定を、人口三万人の都市の電話帳を探しあてたようなものである、と評価し、この「都市」がどのような仕組みで動いているのかという全体像を明らかにしていくのは今後の大きな課題だとしている。この比喩はなかなかうまい。そして、それはおそらくは不可能ではないのだ。それが実現されたとき、何が変わるのかを考えておくことが重要なのだと思う。倫理的なものも含めて大きな課題があるにせよ、この方向は押しとどめることはできないのではないかと思う。

本書では、著者はややセンシティブな話題についても科学的観点から比較的踏み込んで書いている。たとえば、「事故が原因の生涯被爆が100ミリシーベルト以下では発ガンが増加するリスクは事実上ない」や「BSEの発生確率とその発症にいたる年限を考えるならば、実際問題として全頭検査にかかる費用をかけるほどの意味があるのかどうかきわめて疑わしい」と書く。DNA変換作物についても同様だ。「科学技術と社会の受容性について、常に考えさせられるのは、科学的に十分な理解をした上で、安心という主観的な言葉ではなく、安全性という定量的な根拠に基づく判断が必要だということだ」と書くが、実際のところ、それが最も難しいことのひとつでもある。

また医療面では、ゲノムコホートの研究成果を予防医学に結びつけることが重要で、国家的に推進していくべきであるという。

メンデルの遺伝の法則から書き起こしていて読みやすく、ためになる本。

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2015年10月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

分子細胞遺伝学に関するこれまでの知見から新たな展開、将来の展望、生命倫理的なことまで概説された本。
広汎な内容なので、個々のテーマに対する説明が足りない感じ。自分にはついて行けないところもあった。特に免疫のあたり。数冊の本に分割して、それぞれもっと基礎的なところから説明して欲しい。

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2013年01月30日

Posted by ブクログ

免疫学への貢献でノーベル賞を受賞した著者の書いた遺伝子、ゲノム(ヒトがもつ遺伝子の総体)についての解説書。本の全体を一つのテーマで書いたというより、ゲノム科学についてのさまざまなトピックを数ページで説明するスタイルをとっている。最近、ゲノム科学に関する仕事に携わることになったため読んだのだが、残念ながら内容をよく覚えていない。少なくとも免疫系に関する内容(著者の専門領域)についてぐらいはもう一度読み直してみたいと思う。

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2022年05月29日

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