ジョン・P・コッターのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレこの書籍は企業、医療機関、学校などの組織に従事している方々が経験しているであろう事象をペンギンの世界に置き換えてわかりやすく組織改革について解説された作品である。
物語は、あるペンギンが、自分達が住む氷山が溶けていることに気づく。その事を周りに知らせるが、信じるものはいない。自分だけ変わり者扱いされてしまう。ただ、溶けていることは事実であり、ペンギン達は別の氷山に移動して暮らす必要がある。
1匹のペンギンが群れ全体を動かすのは困難である。理解者がいなければ、組織を動かすことはできない。
そこで、ペンギンが実行した変革プロセスがある。①危機意識を高める。②推進チームをつくる。③ビジョンと戦略をたてる。④ビジョンを周知する。⑤メンバーが行動しやすい環境を整える。⑥短期的な成果を生む。⑦さらなる変革を進める。⑧新しいやり方を文化として根付かせる。以上の8点である。
組織をつくり、それを運用し、変革する方法を物語にして解説されている。プロセスを順番に熟していくペンギン達の行動に熱くなる。私たちも実践が必須であると感じた。 -
Posted by ブクログ
組織はなぜ変わらないのか?それは組織を形成する人間そのものの本質、その人間が形成する組織体制の本質を理解していないからである。それらを理解した上で組織を変えていくことに覚悟を持って取り組めるリーダーとそれを一緒に進めていくリーダーの存在が大事である。OBHで学んだことの理解の肉付けに繋がった本。
学びメモ
・変化を終わりにしてはいけない、変化を積極的に追求する姿勢が大事である。
・人や組織は成熟するにつれて、安定と安全を重んじるメカニズムが強化されるものである。
・人間には生存チャネルとでも呼ぶべきメカニズムが備わっている。
・変革のリーダーシップに必要なのは、やらなくてはならないことだけではなくやりたいことに向き合わせて、ポジティブな感情を持たせること、マネジメントによる計画立案と組織づくり、統制だけでなく、リーダーシップを振る舞うように促すこと、ごく少数ではなく大人数が発揮できるようにすること。
・エンゲージメントとリーダーシップを引き出し、存続させるために多くの人の繁栄チャネルを活性化させ、興奮と情熱とやりがいを高めることが不可欠である。
・生存チャネルと繁栄チャネルを適度に活性化させることが重要。
・成功している企業には2つのシステムが併存している、それがデュアルシステムであり、繁栄チャネルを活性化させるネットワーク型組織でイノベーションとスピードを加速させるものと、生存チャネルととの連携が強く安定性と信頼性を高めるピラミッド型組織である。これは会社の草創期に持っているようなシステムである、これを取り戻す必要がある。
・リーダーシップとは、未来に向けた方向性とビジョンを打ち出し、人々にやる気を持たせて行動を引き出す活動である。
・生存チャネルと繁栄チャネルを活性化させる要素をリーダーがしっかり把握しなければならないが、まずはリーダー自身が生存チャネルを沈静化させ、繁栄チャネルを活性化させなければならない。
-
Posted by ブクログ
企業変革・組織変革のお勉強。
訳者あとがきより
変革推進のための8つの段階
1.企業内に十分な危機意識を生み出す
2.変革を推進する連帯チームを形成する
3.ビジョンと戦略を立てる
4.変革のためのビジョンを周知徹底する
5.変革に必要とされる広範な行動を喚起するために人材をエンパワーする
6.変革の勢いを維持するために短期的成果を挙げる
7.短期的成果を活かして、さらに数々の変革プロジェクトを成功させる
8.新しく形成された方法を企業文化に定着させ、より一層たしかなものにする
本文より
■大規模な変革を推進するための8段階のプロセス
1.危機意識を高める
2.変革推進のための連帯チームを築く
3.ビジョンと戦略を生みだす
4.変革のためのビジョンを周知徹底する
5.従業員の自発を促す
6.短期的成果を実現する
7.成果を活かして、さらなる変革を推進する
8.新しい方法を企業文化に定着させる
マネジメントとは、人材と技術を管理する複雑なシステムをつつがなく進行させるためのさまざまなプロセスである、と定義できる。このマネジメント行動に含まれる主要な要素には、プランニング、予算策定、組織設計、人材配置、コントロール(統制)、問題解決の活動が含まれる。これに対しリーダーシップとは、まず組織を誕生させる、あるいはその組織を激しく変化している環境に適応させていくさまざまなプロセスと定義できる。すなわちリーダーシップの発揮によって、まず組織の将来はどうあるべきかを明らかにし、そのビジョンに向けて人材を整列させ、さらに待ちかまえる障害をものともせず、必要な変革を実現する方向に人材を鼓舞するというプロセス、と定義できる。
■変革を推進する連帯チームを築き上げる
・適切な人材を選ぶ
>強力なポジション・パワー、広範な専門知識、高い信頼を備えた人材
>すぐれたリーダーシップ能力とマネジメント能力、とくに前者を備えた人材
・メンバー間の信頼感を築く
>社外で開催される細心に計画されたミーティングで、数多くの討議と共同作業を通じて、相互信頼を築く
・共通の目標を立てる
>この共通の目標は、知的な意味で納得がいき、しかも心に強く訴えるものでなければならない
■変革ビジョンを効果的にコミュニケートしていくための要件
>簡明さ―専門用語、技術的専門用語の使用は極力避ける
>比喩、たとえ、実例―眼に見える姿を示すことは線の言葉に勝る
>さまざまな形のコミュニケーションの手段を活用する―大規模なミーティング、小規模なミーティング、メモと社内報、公式、非公式の会話といったあらゆる機会をとらえてコミュニケートすることによって、効果的にビジョンを伝えていくことができる
>繰り返して伝える―何度も耳にして、やっとアイディアが人々の心に深く浸透する
>リーダーが規範を示す―経営幹部がビジョンと相反する行動を示すことによって、ほかのコミュニケーション手段を通じて伝えられたメッセージが決定的に信頼を失うこととなる
>言行不一致への対応―経営幹部の言行不一致を問題として取り上げない場合にはすべてのコミュニケーションの努力が水泡に帰す
>双方向のコミュニケーション―双方向のコミュニケーションは、一方通行のコミュニケーションに比べて、つねに大きな成果を生む
■変革推進に向けて人材をエンパワーする
・納得しやすいビジョンを従業員にコミュニケートする
従業員が共感できる目的意識を共有している場合には、その目的を達成するための行動が進めやすくなる
・組織構造をそのビジョンに適合させる
ビジョンと矛盾する組織構造は必要な行動の邪魔をする
・従業員が必要としているトレーニングを提供する
適切な能力と態度を身につけたときに、従業員ははじめてエンパワーされる
・人事や情報システムをビジョンに適合させる
ビジョンに適合していない各システムが必要な行動の邪魔をする
・必要とされる行動を邪魔する上司と対決する
望ましくないボスほど従業員のやる気を失わせる -
Posted by ブクログ
コッター教授の最新作。
議論のベースとなっているのが、昨今の経営環境の変化のスピードが乗数効果的に速くなっており、従来の階層型組織は限界に近づいているということである。
この問題に対しての解決策として、本書の大きなテーマは従来の組織と並行してデュアル・システムというネットワーク型の組織を作り運用することを提唱している。ただ、この概念はこれまでに行われていたようなタスクフォースといったようなものとは異なるというのが著者の立場であるものの、それには説得力が欠けるという印象は拭いきれなかったのが正直な感想。また、運用についても色々ケーススタディを例示しているが、組織形態のフレームワークとして一般化できるほどまだアイディアは洗練化されていないという気がする。いみじくも著者本人が第6章で、「組織変革の真の問題は、人間である。」と述べている。これについてのもう少し深掘りとケーススタディや解決策が欲しかった。
参考になった記述
変革に対するメッセージのポイント
- 短い
− 論理的である: 合理的な人は現実を踏まえない夢物語を受け付けない
− 感情に訴える
− 前向きである
− 本音である
− 明快である
− 整合性がある: 既存の戦略や目標と矛盾してはならない
上記を言い換えると、
機会の提言は
論理的: 背景と理由をはっきりさせる
感情に訴え:誠実で前向きで本音である
覚えやすい: 短く明快で専門用語や業界用語を使わない
変化について
変化の速い世界は、重大なリスクを孕む一方で、大きなチャンスを秘めている。
そもそも、戦略を年に一度考えるだけで良いのか?
チャンスもリスクも律儀に一年毎に出現するわけではない。
戦略の実行中に、状況が変わったら?
新たなデータが発見された?
↓
戦略はもっとダイナミックに変えていくべきであり、プランニング部門がこしらえたものを1年間粛々と実行するようなものではない。
戦略とは絶えず機会を探し、発見した機会を活かすイニシアティブを決め、素早く効率的に実行するためのものだ。
↓
「戦略とは、絶えざる探求、実行、学習、修正の連続である。」
階層組織
現在にフォーカスしすぎる嫌いがある。
サイロ化:部門の孤立化、専門化 -
Posted by ブクログ
ネタバレコッター教授による原題名Leading Changeという著書であり、大規模な企業変革における8つのステップについて述べている。
1.危機意識を高める
2.変革推進のための連帯チームを築く
3.ビジョンと戦略を生み出す
4.変革のためのビジョンを周知徹底する
5.従業員の自発を促す
6.短期的成果を実現する
7.成果をいかして、さらなる変革を推進する
8.新しい方法を企業文化に定着させる
「言うは易し行うは難し」という感が残った。実は今の自分の勤める会社でも最近変革のプロジェクトが進められており、大手戦略コンサル会社によるもので、本書に書いてあることが表面的に実践されているようなところがあり、なかなか盛り上がらない。急いで変革を進めようとマネジメントが焦ったために、著者が言うところの危機意識を高めるというところに失敗しているのではないかという気がする。
著者は8つのステップはショートカットできない、常に油断すると反対勢力により変革が進まなくなることを警告している。またリーダシップとマネジメントの両方が大切で、改革の途中には短期的成果の達成の重要性を説いている。
この8つのステップを成功させる企業は本当に素晴らしい企業ではないかと思う。ジムコリンズがGood to Greatで書いていた「時計」「弾み車」にも通じるものがあり、8つのステップは当たり前に見えるが成功にはかなりのエネルギーが必要だ。