周藤芳幸のレビュー一覧

  • 物語 古代ギリシア人の歴史~ユートピア史観を問い直す~

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    ソクラテスの時代の前300年•後100年の社会状況を、物語というより小説仕立てで、生き生きと描き出す。個人的には、ソクラテスの裁判を巡る政治的モヤモヤをやっとイメージできたので、第五章がお気に入りだが、どの章も筋立てといい時代考証的な内容といい、とても面白い。

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    2025年07月25日
  • ミケーネ文明 古代ギリシアの原像

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    ミケーネ文明 周藤芳幸 岩波新書
    古代ギリシャの原像
    ミケーネと聞いてまずは「マスターキートン」を思い出す
    しかし考古学ほど学問の仮面をかぶりながらも
    生々しく見え見えの「宝探し」をしてきたものはないだろう
    博物館が聞いてあきれるところでもある
    それはそれとして
    ミケーネ文明の「線文字AやB」は面白そうなので
    チャドウイックの「線文字Bの解説」も読んでみたい
    不思議なことにミケーネ文字はアルファベット形式ではなく
    どうやら日本語のカナと漢字混じりの文と同じように
    なぜかほぼ日本語の50音と同じで
    63字の表音文字と67字の表意文字による表現方法だという
    ただし粘土版の図を見る限り横書きであり左から右へ書き進めているようである

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    2026年06月27日
  • ミケーネ文明 古代ギリシアの原像

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    ネタバレ

    紀元前17〜紀元前12世紀にギリシアで栄え、数々の個性的な土器や巨大な建築物を残し消え去った、謎多きミケーネ文明。ギリシア語の文字体系を持ちながら1人の王の名前も記さなかった謎など。

    ミケーネ文明。このあたりの歴史も興味があるので読めて嬉しい。文字があるのに王の名前が分からないとか、粘土板も焼かなかったり、残ってるのは戦乱で燃えてたまたま残ったとか面白いな〜。線文字A、線文字Bとか「海の民」との関係やら知りたい事はたくさん。

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    2026年05月23日
  • ミケーネ文明 古代ギリシアの原像

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    紀元前17~前12世紀に栄えたミケーネ文明。
    古代ギリシアの原像と謳われたが、謎多き文明でもある。
    その最新研究と遺跡、考古学史資料から、構成した諸王国や
    周辺諸国との関係、文明の衰退などを解き明かしてゆく。
    関係
    ・はじめに
    第一章 失われた文明をもとめて
    第二章 歴史のなかのミケーネ文明
    第三章 ミケーネ文明の遺跡を訪ねる
    第四章 諸王国の統治構造
    第五章 東地中海世界のミケーネ文明
    第六章 ミケーネ文明の遺産
    年表有り。
    ・あとがき
    ・参考文献有り。

    始まりはシェリーマンの発掘と発見。
    エヴァンスのクノッソス宮殿の発掘と古代文字。
    そして線文字B粘土文書の解読と、ミケーネ文明は
    徐々に明らかになってゆく。更に最新の発掘や研究も。
    後期青銅器時代でのミケーネ文明の隆盛。
    だが前1200年頃の崩壊と衰退。暗黒時代と文明滅亡、その後。
    発掘された遺跡には、宮殿遺構、墓と副葬品、城壁の姿。
    ダムや運河、構築道路なども。
    発掘された考古学史料や沈没船などから浮かび上がるのは、
    経済機構、饗宴の役割、戦争と武器。
    エーゲ海とその周辺に及ぶ外交や交易などの事。
    更に線文字Bの解読もあるが、解明の道筋はまだまだ長い。
    ミケーネ文明を担う諸王国についても王の名は判らず、
    彫像やフレスコ画にも皆無であるということ。
    また、アヒヤワ問題、トロイア戦争とペルシア戦争の真実に
    ついてなど、まだ解明されていないことが多い。
    だが発掘や研究は現在進行形。新たな発見を楽しみにしたい。
    神話の世界に変換、想起されたミケーネ文明が
    文化的記憶になって、古代ギリシアの原像となったという
    学説は興味深い。ホメロスの叙事詩が読みたくなってしまう。
    更に、発掘された遺跡や土器もカラー写真で見たくなったから、
    こちらも本を探してみようかな。

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    2026年05月01日
  • ミケーネ文明 古代ギリシアの原像

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    古代ギリシャ文明のミケーネ文明について最新の知見を含んだ内容で案内いただきました。世界史の授業以来。古代のロマンですね~。

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    2026年04月29日
  • ミケーネ文明 古代ギリシアの原像

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    ミケーネ文明、古代ギリシアの知識があるわけではないので、本書の内容を理解しきれたわけではないが、ミケーネ文明が文化的に古代ギリシアの原像となっていたという学説はとても興味深いことだ。

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    2026年04月24日
  • 物語 古代ギリシア人の歴史~ユートピア史観を問い直す~

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    一言でいって著者は天才ですね。
    私のようにギリシア史にそう思い入れもない者をも夢中にさせてしまうくらい面白かったです。
    7つの物語のうち・・
    第2章の「民主政治をつくるために抜かれた剣」
          ペプロスの少女の物語
    第6章の「姦通事件」の二つの顔
          エウフィレトスとその妻の物語

    が特に面白かったです。
    どちらも女性が語り手になっているからでしょうか。

    何千年かの時とギリシアという遠い地・・
    での出来事であっても人々の日々の暮らしと家族を思う気持ちは現代と同じように存在していたことが解りました。
    まさに時空を超えたという感じでした。

    とりわけ第6章は衝撃的でした。以前読んだ「古代ギリシアの女たち」桜井万里子 著 の中で・・姦通より強姦のほうが罪が軽いという全く女性の人格や感情を無視した法律に驚きとともに怒りさえ覚えましたが・・

    そのことを裏付けるような話でした。
    いかに女性の立場が低かったか思い知らされました。
    でもそんな中にも淡い恋心があったり若者に好意を抱くという人間らしさが上手に描かれているのもよかったです。

    また、著者の風景描写の素晴らしさ・・例えば・・
    『後ろの山の端から太陽が昇ってくると、目の前の海がぐんぐん輝きをまし、深い紺色から晴れやかな碧に、そして光がこぼれるような青緑色へ。』
    『爽やかな早朝のエーゲ海をわたる風も、なんともいえず香しい。』など

    私は行ったこともない所ですがまるでそこに立っているように思えました。
    それはそこで何年か暮らしたことがある人にしかできない表現だと思いました。

    また前にも感じましたが歴史を語る人はすごいですね。
    解説では想像部分と史実をちゃんと区分して、それでいて物語として面白く融合させて書いているところなど読者からの誤解がないようにしっかりと説明されていました。

    トゥキュディスの言葉をわかりやすく・・
    「人間が人間である限り、過去に起こった事件と同じような事件はまた起こるはずだ。それを考えれば、過去の事柄の叙述そのものは、おもしろくあっても私たちの役には立たない。しかし、私たちがそれに理由を添えるときに、歴史は有益なものとなる。私たちは過去の同じような状況を現在に移して考えることで、未来に起ころうとすることを予知するのであり、あるときには、それで危険を回避し、また別のときには、過去の出来事を想起することで勇気をもって苦難に立ち向かうことができるのだ。」

    と述べていました。
    ここまで読んだら人間が歴史を学ぶのは必須のような気がしてきました。

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    2013年02月13日
  • 物語 古代ギリシア人の歴史~ユートピア史観を問い直す~

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    あたかも古代ギリシア人のナマの声を聞いているような錯覚を覚えてしまう7本の歴史小説の短編と、その分かりやすい解説がそれぞれに付いていて、とても読みやすく内容も充実している。「ユートピア史観を問い直す」という副題が何か難しそうな感じで、いきなり「記号としてのギリシア」で始まるのでここで敬遠してしまう人がいるかもしれないが、読んでみれば著者の主張は実に明快で分かりやすい。最初に簡単な古代ギリシアの歴史について、年表や地図などとともに簡単なイントロダクションもあって、初心者に親切な本。それよりもこの本の中核を成す7本の短編は、どれも小説家ではない著者が執筆したもので、本格的な短編小説とは呼べないかもしれないが、それなりに起承転結がまとまっており、その直後の「解説」で、どの部分が著者の創作部分でどの部分が文献に基づいているのか、なぜ著者はそのようなストーリー展開にしたのか、歴史学ではどのように議論されているか、といった専門家ならではの解説がある点が興味深いし、読者に考える余地を残してくれるし、ストーリーとともに簡単な歴史を覚えることができた。上記の『世界歴史の旅 ギリシア』とは対照的な本である。
     個人的には「ナイルを遡ったギリシア人」、「『ぺプロスの少女』の物語」、「『姦通事件』の二つの顔」が特に面白かった。

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    2009年10月04日
  • 物語 古代ギリシア人の歴史~ユートピア史観を問い直す~

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    (資料用)
    ギリシャ神話以外のものが読みたくて購入。おもに一般市民の語り口調で書かれる文章は読みやすくて、生活の様子とかを想像(妄想)するのが楽しい。ちらっと出てくるパンアテナイア祭とかもっと知りたかった…!

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    2009年10月04日
  • ミケーネ文明 古代ギリシアの原像

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     ミケーネ文明とミノア文明の区別がよくわからなかったので、読んでよかった。エーゲ海は一度訪れてみたいところだが、西洋文明の原点が育まれたところだ。ギリシャ文明は、なぜそんな昔に民主政治や哲学者が多く輩出されるのだと不思議に思っていたのですが、その原点はミケーネ文明でした。エーゲ海の地図とにらめっこするととっても楽しい本です。

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    2026年09月25日
  • 物語 古代ギリシア人の歴史~ユートピア史観を問い直す~

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    若手のギリシア考古学者による、新機軸の古代ギリシア紹介本。有名・無名の7人の人物を語り手として設定し、基本文献にとどまらず近時研究が進んできた法廷弁論資料なども用いて、その人物を巡る事件を物語るという構成。古代ギリシアの社会の雰囲気を同時代人の目線で物語ることにより、より生き生きとした形で読者に訴求していこうという試みは評価できる。物語構成の必要上とはいいつつときとして著者の仮説がやや大胆にすぎる点や、物語の運びが多少ぎこちない等の点は、著者の意欲を汲んで目をつぶるべきだろう。

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    2009年10月04日