あらすじ
紀元前一七─前一二世紀にギリシアの地で栄え,数々の個性的な土器や巨大な建造物を残して消え去った,謎多きミケーネ文明.ギリシア語の文字体系を持ちながら,なぜ一人の王の名も記さなかったのか.最新の考古学的知見にもとづき,周辺地域との関係,後世の記憶の伝承も含め,失われた地中海世界の姿を鮮やかに描きだす.
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Posted by ブクログ
紀元前17~前12世紀に栄えたミケーネ文明。
古代ギリシアの原像と謳われたが、謎多き文明でもある。
その最新研究と遺跡、考古学史資料から、構成した諸王国や
周辺諸国との関係、文明の衰退などを解き明かしてゆく。
関係
・はじめに
第一章 失われた文明をもとめて
第二章 歴史のなかのミケーネ文明
第三章 ミケーネ文明の遺跡を訪ねる
第四章 諸王国の統治構造
第五章 東地中海世界のミケーネ文明
第六章 ミケーネ文明の遺産
年表有り。
・あとがき
・参考文献有り。
始まりはシェリーマンの発掘と発見。
エヴァンスのクノッソス宮殿の発掘と古代文字。
そして線文字B粘土文書の解読と、ミケーネ文明は
徐々に明らかになってゆく。更に最新の発掘や研究も。
後期青銅器時代でのミケーネ文明の隆盛。
だが前1200年頃の崩壊と衰退。暗黒時代と文明滅亡、その後。
発掘された遺跡には、宮殿遺構、墓と副葬品、城壁の姿。
ダムや運河、構築道路なども。
発掘された考古学史料や沈没船などから浮かび上がるのは、
経済機構、饗宴の役割、戦争と武器。
エーゲ海とその周辺に及ぶ外交や交易などの事。
更に線文字Bの解読もあるが、解明の道筋はまだまだ長い。
ミケーネ文明を担う諸王国についても王の名は判らず、
彫像やフレスコ画にも皆無であるということ。
また、アヒヤワ問題、トロイア戦争とペルシア戦争の真実に
ついてなど、まだ解明されていないことが多い。
だが発掘や研究は現在進行形。新たな発見を楽しみにしたい。
神話の世界に変換、想起されたミケーネ文明が
文化的記憶になって、古代ギリシアの原像となったという
学説は興味深い。ホメロスの叙事詩が読みたくなってしまう。
更に、発掘された遺跡や土器もカラー写真で見たくなったから、
こちらも本を探してみようかな。