伊東俊太郎のレビュー一覧

  • 人類史の精神革命 ソクラテス、孔子、ブッダ、イエスの生涯と思想

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    ユヴァル・ノア・ハラリの「サピエンス全史」では人類の歴史を「認知革命」「農業革命」「科学革命」という3つの革命で語っていましたが、本書は「人類革命」「農業革命」「都市革命」「精神革命」「科学革命」、そしてもう始まっている「環境革命」ともう少し細かく分けています。「科学革命」と「環境革命」の変革期の現在から「科学革命」を実現させ、そして「科学革命」には持ち越せなかったものを「精神革命」に立ち戻って考えるという非常にでかいテーマの選書です。でかいのにやさしい文体で、難しいのにわかりやすい論理でするする読めます。それはソクラテス、孔子、ブッダ、イエスという個人の生涯と思想に焦点を当てているからなのか

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    2023年01月15日
  • 十二世紀ルネサンス

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    ギリシアの学術知識はほとんどがビザンツに引き継がれ、西ヨーロッパには僅かしか伝わらなかった。伝播に寄与したのは異端とされ東方へ追放されたキリスト教徒であった。ギリシア語文献のアラブ翻訳によりアラビア学術は11世紀に黄金期を迎える。
    12世紀になりアラビア語を翻訳して西欧に伝わる。翻訳の担い手は修道士達が多い。西欧が世界史の中心となる知的基盤ができてきた。12世紀以後は暗黒時代ではない。その背景には封建制度確立、三圃制による農業革命、農業の効率化による商業の活性化、大学の設立がある。十字軍による知的影響は意外と少ない。12世紀ルネサンスは哲学、科学、法学の領域において特徴がある。
    文化伝播ルート

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    2022年09月01日
  • 十二世紀ルネサンス

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    ネタバレ

    ルネサンスと言えばイタリア!14世紀のフィレンチェ!
    こんな常識は歴史を無批判に解釈しすぎて、なんなら間違ってますよ!
    ルネサンスはイスラムとアラブ社会を経由して12世紀に達成されたんですよ!
    という講演録を活字にした本です。
    1984年の講演だそうですが、何故こんなに大事な内容が中学高校の教育内容に反映されないのか謎です。なんなら未だに十字軍がきっかけとか書かれてるらしいですからね・・教科書とかには。
    <もう少し具体的に>
    一度消えてしまったギリシア・ローマ文化を継承していたのはビザンツ帝国を追い出された異端のキリスト教徒。彼らがシリア、アラブでキリスト教を広めることで、その教義の元に流れ

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    2021年11月07日
  • 十二世紀ルネサンス

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    市民セミナーでの講義が元になっているので読み易いです。
    ヘレニズム期の科学がローマには余り残らずにその大半がビザンティンに伝わって、その知識を保持していたネストリウス派が異端となってビザンティンを追われて西アジアに逃れたけどもササン朝に取り込まれて、遂にはヘレニズム期の科学がアラビア世界に伝播していったという辺りの記述が興味深いです。

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    2021年08月28日
  • 十二世紀ルネサンス

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    古代ギリシャ、ローマの哲学、科学は中世ヨーロッパ・キリスト教社会では見失われていました。15世紀ルネサンスを準備したのは、それまでの間にアラブ社会に伝わり発展していたプラトン、ユークリッド、アルキメデスでした。

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    2011年08月12日
  • 十二世紀ルネサンス

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    例によって難しい所は流しつつ、当時の文化の流れが知れて良かった。
    ますますタイムマシンが欲しくなった。

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    2015年04月07日
  • 十二世紀ルネサンス

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    ルネサンスって三回あるんですよね。
    そのうちの一つが12世紀で起こったということです。

    大学の起源と深いかかわりがあり、科学史を理解する上ではとてもためになりました。

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    2009年10月04日