【感想・ネタバレ】人類史の精神革命 ソクラテス、孔子、ブッダ、イエスの生涯と思想のレビュー

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Posted by ブクログ

ユヴァル・ノア・ハラリの「サピエンス全史」では人類の歴史を「認知革命」「農業革命」「科学革命」という3つの革命で語っていましたが、本書は「人類革命」「農業革命」「都市革命」「精神革命」「科学革命」、そしてもう始まっている「環境革命」ともう少し細かく分けています。「科学革命」と「環境革命」の変革期の現在から「科学革命」を実現させ、そして「科学革命」には持ち越せなかったものを「精神革命」に立ち戻って考えるという非常にでかいテーマの選書です。でかいのにやさしい文体で、難しいのにわかりやすい論理でするする読めます。それはソクラテス、孔子、ブッダ、イエスという個人の生涯と思想に焦点を当てているからなのか、この93歳の著者の思想が平明になっているからなのか…この四人が世界同時多発的に登場し、人間個人の精神を顕在化させたことを彼らが現れる前の社会状況から分析し,読み物としても興味深いものとなっています。「科学革命」が西欧という特定のエリア発なのに対して、個人の精神の革命がシンクロ二シティでおこる偶然と必然。ソクラテスの「善」、孔子の「仁」、ブッダの「慈悲」、イエスの「愛」、それぞれが社会の変革の中で個人として必要とされた過程はものすごくわかりやすかったです。コロナ以降、「利他」という言葉が使われる回数増えているような気がしますが、「利他」が当たり前のものになるためには「環境革命」を成し遂げる「精神革命」が必要なのかもしれません。終章に出てくる「ともいきのきずな」、メモしました。

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2023年01月15日

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