大西裕のレビュー一覧

  • 先進国・韓国の憂鬱 少子高齢化、経済格差、グローバル化

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    面白かった。韓国ってそれなりに発展しているけど、どこか不安定というイメージがあるものだけど、金大中、廬武鉉、李明博、朴槿恵という4代の大統領政権下での、特に貿易・経済政策、社会保障・福祉政策をしっかり分析的に解説している。
    それによると、韓国という国そして各大統領ともまったく無策だったりあさってを向いた政治が行われていたわけではない。停滞も後退もせず、歩幅は小さいけれど着実に前進しているように読めた。韓国びいきの私としては溜飲が下がる。
    大きな前進とならないのは、大統領が大きな権限をもつものの1期5年で交代していくためか。そのうえ、ダイナミックな変革を目指すためにこの期間ではなし遂げにくいとい

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    2018年03月31日
  • 先進国・韓国の憂鬱 少子高齢化、経済格差、グローバル化

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    本書は、過去約20年にわたる韓国の歴代政権(1998年の金大中政権から、盧武鉉政権、李明博政権、朴槿惠政権の4つの政権)に焦点を当てて主に福祉政策と通商政策の変遷を詳述している本でした。著者も本書内で述べているように、福祉と通商政策(FTA)をあわせて分析しているという意味で、面白い視点だと思いました。確かにギデンズの「第三の道」アプローチはこの両者を包含することが可能ですし、韓国の場合は福祉だけでなく通商政策もイデオロギー対決(保守vs.進歩)になるというのは興味深かったです。

     全般を通じて面白いと感じた一方で、細かい点では首をひねる点もありました。1つ目。前半部分で、雇用者と労働者の利

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    2023年04月27日
  • 先進国・韓国の憂鬱 少子高齢化、経済格差、グローバル化

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    先進国となった韓国は、日本と同様に少子高齢化、経済格差、グローバル化の問題に直面している。金大中、盧武ヒョン、李明博、朴槿恵の大統領がどのような制約で何をなしてきたかを分析している。李明博までは、進歩派と保守派のイデオロギー対立が目立っていた。韓国は日本と違って労働流動性が高いのだな。社会福祉などは、両国とも世界のうちでは下位である。韓国は日本を映し出す鏡でもありそうだ。

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    2019年02月01日
  • 先進国・韓国の憂鬱 少子高齢化、経済格差、グローバル化

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    正直に言えば、自分には難しかった。
    90年代以降の韓国の福祉政策を分析した本。
    かつては家族の相互扶助努力によって表面化してこなかった格差が、新自由主義的なものに変わっていったのだが、その間にどのような力が働いていたのかを分析した、ということであろうか。
    社会民主主義的な福祉政策を志向しながら、それが果たせなかった道筋であるようだ。
    そこに、保守派VS進歩派のイデオロギー対立を重ねて分析しているのが眼目であるらしい。
    一般的に言われていることと違うこともあって、はっとすることもあったけれど…。

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    2015年01月15日
  • 先進国・韓国の憂鬱 少子高齢化、経済格差、グローバル化

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    嫌韓の書籍が多い中、金大中、廬武鉉、李明博という3代の大統領の福祉政策と経済政策を中心に、2代の進歩派と1代の保守派の大統領の政策が、当時の大統領がおかれた状況の結果、どのような政策をとらざる得なかったかを多くの資料や論文からまとめている。

    結果として、現在の朴政権が抱える問題もまた歴代政権の置き土産として、最終章で明確になっているのが興味深い。歴史という大きな枠で物事を見ることの大切さを感じさせる本だった。内容が濃いだけに読むのに時間がかかってしまった本だった。

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    2014年06月11日
  • 先進国・韓国の憂鬱 少子高齢化、経済格差、グローバル化

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    民主主義といいつつ、社会主義的要素も大きいと感じられる政治体制だということがよくわかる。日本以上にイデオロギー対立の構図が鮮明だ。

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    2019年06月12日
  • 先進国・韓国の憂鬱 少子高齢化、経済格差、グローバル化

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    韓国の政治上の問題点を挙げた本。金大中、盧泰愚、李明博、朴クネの4人の大統領の取り組み、特に社会保障政策と新自由主義に基づく経済政策に焦点を当て、なぜ、政策がうまくいかなかったかについて意見を述べている。保守派、進歩派の対立、湖南、嶺南など地域的な対立、年代の対立、貧富の格差の対立などが複雑に絡み合い、時の政権に影響を及ぼしている。この20年の状況から言えることは、今後も韓国は難しい状況が続き、なかなか問題解決できないと言うことだと思う。
    「若年世代が進歩派政党を支持し、朝鮮戦争を経験した高齢者世代が保守派政党を支持する傾向が強い」p8
    「1997年に韓国が直撃を受けたアジア通貨危機以降、金

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    2018年11月04日
  • 嫌韓問題の解き方 ステレオタイプを排して韓国を考える

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    小倉紀蔵が良かった。

    樋口の章は別に参政権とかどうでもいい

    嫌韓問題の解き方が知りたいのだ。読者は。

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    2016年10月07日
  • 先進国・韓国の憂鬱 少子高齢化、経済格差、グローバル化

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    著者の大西裕(1965年~)は韓国の政治・行政を専門とする政治学者。
    本書は、サムスン、現代グループなどの製品が世界を席巻し、ビジネス上は存在感を増す韓国が、国内政治において抱える課題を明らかにしたもので、2014年のサントリー学芸賞受賞作。
    本書の主な内容は以下である。
    ◆韓国の政治は従前より、平等重視、反米・親北朝鮮の進歩派と、自由重視、親米・反北朝鮮の保守派のイデオロギー対立が激しい。進歩派の支持基盤は南西部の湖南地方(全羅道)と若年世代、保守派の支持基盤は南東部の嶺南地方(慶尚道)と高齢者世代である。
    ◆金大中政権(進歩派、1998年~)では、1997年の通貨危機で救済資金を提供したI

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    2016年11月23日
  • 先進国・韓国の憂鬱 少子高齢化、経済格差、グローバル化

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    データが豊富で、平易な分かりやすい解説から、普段取り上げられにくいユニークな視点での論考もあり、内容的に多く得るものがありました。

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    2014年12月13日
  • 先進国・韓国の憂鬱 少子高齢化、経済格差、グローバル化

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    韓国へは2回訪れたことがある。
    ソウルマラソンと学会参加が目的。
    いずれも目的がはっきりしていただけに、韓国の様子をのんびり楽しむことなく帰国。
    そんな訪問の仕方をしているだけあって、韓国のことは全く知らないに等しい。

    海外の人からすると、日本には未だに忍者や侍がいるのではと思われているのと同じように、韓国と言えばキムチをはじめとする韓国料理の印象が強い。

    これではいけない。お隣さんのことをここまで知らなくて、仲良くできるはずがない。
    ということで、手に取ったのが本書。

    恥ずかしながら民主化されたのがつい最近の出来事であることもこの本で知った。

    格差が広がり、高齢化社会が深刻化していて

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    2014年07月01日
  • 先進国・韓国の憂鬱 少子高齢化、経済格差、グローバル化

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    著者もあとがきに書いているが、韓国に対する日本人の評価は、あるときは好調な経済から羨望の的となり、あるときは竹島問題などで嫌悪の的となり、またあるときは、フェリー事故のように蔑視の的となるなど、激しく揺れている。反韓・嫌韓の気持ちと同時に、隣国として実態を知りたいという気持ちも強いのではないだろうか。
    本書は、そういう関心の一助になると思うが、他方、分かりやすい本ではない。というか、表面だけなぞって、分かった気にさせてくれるという本ではない。キムデジュン、ノムヒョン、イミョンバクという3代の大統領の福祉政策と経済政策から、韓国特有の保守・進歩というイデオロギー対立や地域主義といった特徴をあぶり

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    2014年06月03日