時田昌瑞のレビュー一覧
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世界のユニークなことわざ111を紹介。
コラム、主な参考文献、有り。
世界には様々な国と地域があり、日本同様、ことわざがあります。
が、日本人が聞いたら「はぁ?」となる意味不明なものもある。
日本では通じない、そんなことわざを紹介し、解説しています。
「マングースを殺して後悔」「チャハーのように泡だけ」
「聖マルチンが白馬に乗ってやってくる」・・・等々、
紹介文によって解読されなければ、分からないものの多いこと。
ことわざは、民俗・生活・歴史・宗教・自然・生物等々、
その地域ならではの過去の様々な知恵を含んで、
長い年月を経て、受け継がれているものです。だからというか、
そのままでは日本人には意味不明な、異国のことわざ。
でも文言は違っても、日本のことわざと同じ、または
似たような意味を含むものも、結構多い。
例えば「弘法も筆の誤り」と同じなのが、
「優れたホメロスも居眠りをする」(古代ローマ他)
「項羽も転んで怪我をすることがある」(韓国)
「力士も太い草につまづく」(モンゴル)のように、
各地にもあるのが面白かったです。考える事は同じなんだ~。
また、コラムでの、ことわざの蘊蓄が良かった。
ことわざについて再認識させてくれる、楽しい内容です。 -
Posted by ブクログ
ことわざには、昔の人の知恵が詰まっている。世界には興味深いことわざがあふれている。
ラオスには「他人の鼻で息をする」ということわざがある。日本では「人のフンドシで相撲を取る」に当たる。
そう言えば、昨日の記者会見で「愛しています」とどこかの元大臣のようなポエムを披露したかと思えば、質疑応答を受付けず、「誹謗中傷」で指摘を片付けて、説明責任を果たしたふりをした人たちがいる。
世界に類を見ない皇室の権威を大いに利用していることが「見える化」してしまったなあ。
平和な時代がなかなか訪れないアフガニスタンには、「民族の軽便な言語的宝典」と言われるほど高い価値を持つことわざがある。
「他人の火は雪よりも冷たい」は、他人が災難にあっていても当人でなければ苦痛を感じないということわざだ。
他にも「ラクダは橋の下には隠されぬ」(隠し事はバレる)、「友人には真実を、敵にはホラを吹け」(敵に弱点をさらすな)など、アフガニスタンならではのことわざがある。
短い言葉で表現されているだけに奥深いものがある。 -
Posted by ブクログ
忘れられたことわざの中から選りすぐった、約200を紹介。
第一章 人生を導く教訓 第二章 人の浅はかなる姿
第三章 人と人との関係 第四章 人間とはこういうもの
第五章 世の中の仕組みと有り様
第六章 事物・事象のたとえ 第七章 粋な洒落ことば
所々にいろはがるた等のモノクロ画像。索引有り。
辞書等に掲載されていることわざの他に、知られていない、
歴史の彼方に消えたことわざがある。その中の珠玉のものを紹介。
ことわざ自体の他、登場した文献、歴史的背景等も解説。
家訓書や様々な文学作品にことわざとして引用されても、
後世の人々に伝わらないものがあります。
雪国のように、その地域だけのもの、有り。
例えや事象、物が時代の変遷で忘れられたもの、有り。
前半だけが覚えられたもの、有り。
実は著者の創作?だったもの、有り。
伝わらなかった原因が不明なもの、有り。
でも、それらには、ことわざたる所以の、語句の短さや
言い回し、技巧の洒脱さがあり、軽快。
また、現代に通じる意味を含んだものもあります。
章ごとに気に入ったことわざは、以下。
「踏まれた草にも花が咲く」
「雪と欲はつもる程道を忘れる」
「人を知らんと思わばまずその友を見よ」
「人間の一生は旅」
「旅歩行こそ延命の薬」
「雪という字も墨で書く」
「仏ほっとけ神かまうな」 -
Posted by ブクログ
ネタバレ以前読み終えた本書を再読したのですが、いや、非常に良いですね。
本書は今となっては辞書での露出がなくなった、ないしは少なくなったことわざを選りすぐって1冊にまとめたもの。
「はじめに」にも書かれていますが、選定にあたっては「文句の響きの良さ」、「ユニークな着想・言い回しが面白い」といった点に意を払っていることもあり、口に出してみて心地よいです。
口に出して心地よい、というだけでなく、その内容もなかなか深いものがあります。例えば、
「疾風勁草を知る」
激しい風にさらされることによって、はじめて強い草であることがわかる。
「大象兎径に遊ばず」
大人物を象になぞられ、そうした人物はつまらぬ地位や、ちっぽけなことにとらわれないということ。
「丸くとも一角あれや人心」
温厚で円満な性格の人は他人との良好な人間関係を築けるが、それも角となれば相手に迎合することになったり、単なるお人よしとみられ、軽んじられる。円満な中にも気骨があるのが望ましい。
といった具合に。
しかもそれぞれの出自もかなりしっかりしています。
「疾風勁草を知る」は吉田松陰の『戊午幽室文稿』からの引用。
「大象兎径に遊ばず」は鎌倉時代の高僧・道元の『正法眼蔵』から。
「丸くとも一角あれや人心」は江戸時代の心学の書『雨やどり』(七)からの引用です。
著者も出自についてはかなり意を払っており、空海、道元、日蓮、蓮如、といった宗教家。吉田松陰、福沢諭吉、新渡戸稲造といった学者や思想家。そして井原西鶴や式亭三馬、森鴎外や夏目井漱石といった文学の大家といった早々たるメンバーの作品にしぼって引用しています。
通り一遍の教養から一歩踏み込んだ「味わい深さ」を得たい人に、おススメの1冊ではないでしょうか。