中野純のレビュー一覧
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闇歩きの楽しみ
闇に慣れる
闇へ行く
闇の中の怪しい光
闇のしたく
闇暮らしの知恵
山登り、ウォーキング、ハイキングを深夜、闇の中で行う著者。
だからこその不思議な幻想的な風景が多い。
闇は、人類にとって怖いものであると思う。
だからこそ、人類は、火を灯した。
でも、今の世の中、灯した火ばかりで、闇とはとんと出逢う機会がない。
人間の情報収集でかなりの任を担っているであろう視覚が、闇の中ではほとんど機能しない。
その代わりに、他の嗅覚、触覚、聴覚、味覚が周りの情報収集をフルパワーで始める。
だから、闇の中では、日常では捉えられないほどの鮮やかな香り、新鮮な手触り、聞き取れないほどの小さな自 -
Posted by ブクログ
仕事の九割が闇関連という著者による、闇学入門。
古き良き時代に戻りたいから闇を求めるのではない、としながらも、日本文化を引き合いに出すと、どうしても古き良き慣習や生活がちらついてしまう。しかし、個人の感覚がどう変化するかということにも十分触れられていて、闇の中に少しづつ落ち着いていく感覚を光のなかでもぼんやり味わえる。
僕は早寝早起き派で、暗闇なんか寝てしまうに限る、と思っているが、そんな生活だからこそ、闇に通夜・徹夜というのがすごいレジャーでもあり、感覚のリセットにもなるのだと教えられた。闇が足りないと光も足りなくなる。
書を捨てよ、闇へ出よう(たまには)。 -
Posted by ブクログ
この人のナイトハイクの目的は闇を求めて歩くことなのか。
なるほど、夜に山に登るにもいろんな考えの人がいるんだね。
何を隠そう俺もナイトハイカーだが、求めるものは夜景。
都市近くの山に登って人の営みである夜景を見下ろすのが趣味なのだ。
とはいえ闇そのものを深く感じるのも夜の山の一興。
ライトを手で隠せば真の闇に包まれる。
しばらくすると目が慣れて、うっすらと道が浮かび上がってくるのを感じられると、野生に戻った感覚がある。
著者の歩き方は闇そのものを楽しむため、あえてライトを使わずに無灯火で登頂することもあるという。
まだそのレベルには至っていないし、目指す方向性と違う。。 -
Posted by ブクログ
<目次>
第1章 闇歩きの楽しみ
第2章 闇に慣れる
第3章 闇へ行く
第4章 闇の中の怪しい光
第5章 闇のしたく
第6章 闇暮らしの知恵
<内容>
闇歩きや洞窟歩きを本職にする(そういうツアーを主催したり、企画したり、文筆したり)著者の、闇歩きのすすめ。「社会」のカテゴリかと思いましたが、「旅」ですね。自分は「闇」があまり好きではないのですが、この本を読むと「闇歩き」「ナイトハイク」をしたくなります。明かりのない夜の空や都会の夜景、森の中の光る者たち、興味があります。ちょっとしたハイキングコースを「闇歩き」したくなります。かなり注意が必要だと思うし、滑落しても、野獣に出くわし -
Posted by ブクログ
日本人の楽しみは、実は闇の世界にあった?実際に戦前、ほんの少し前までの日本は闇に支配されていた国であり、そのような闇の中に想像力を働かせて様々なクリエイティブな遊びをしてきた歴史がありました。
たとえば『暗夜行路』という志賀直哉の有名な小説があります。クライマックスでは、主人公が深夜の大山に登っていく様が描かれ、それがタイトルにもなっています。今風に言えばナイトハイクですね。
実際にナイトハイクは、『夜のピクニック』などで取り上げられたように、様々な地域や学校でイベントとして実施されています。そして我々日本人の大半が大晦日には夜を徹して寺社にお参りしに行くという習慣を持っています。昔は山が