伊藤将人のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
時折目にしていたこの題目と主張、本書はこの観点での議論の入口を紹介する内容となっている。大きく前半部分と後半部分での組み立てに少々分裂した感はあるものの、全体像の理解には問題ないだろう。
移動している人、移動できる人にはその逆側にいる人のこと、その気持ちはわからないというところが出発点になるだろうかと思える。そして、自分自身が頻繁に移動しているところにあって、このことを外部から直線的に指摘されたようなそんな感覚を持った。
移動と階級に因果関係があるのかも実際のところわからない。格差の問題の一端だとまとめてしまうこともできるだろう。インターネットの中で何もかもできた気分になる時代になっているから -
Posted by ブクログ
移動好きの私は、ともすれば移動は当然のものと考えてしまいがちだが、世の中には移動に困難を抱える人がたくさんいる。障がい者や経済困窮者だけでなく、高齢の人、世話すべき家族を持つ人など、そういった人は想像以上に多い。そして、好きなときに移動できる人と移動に困難を抱える人とのあいだでは当然、機会の差が生まれてくる。本書は、そのような移動格差 (mobility gap) に焦点を当てる。まず、移動とはなにか思考を掘り進め整理したあと、移動格差について様々な側面から考察する。
私にとって未知の内容は少なかったものの、内容はよく整理されていた。移民がイノベーションを生みやすいという研究の紹介や、自動車が -
Posted by ブクログ
移動は人だけでなく、モノ金情報が対象
ムーブメント(ただの物体の移動
モビリティ(移動をとりまく環境を含めた
移動不可能財
〇〇からの移動だけでなく、〇〇への移動の重要性
移動するものだけでなく、移動しないものの価値を論じる必要がある
気候難民
移動とは社会的であり政治的
移動する人がすごいと考えられがちだが、移動しないことにも意味がある
人生は移動距離で決まるのか?という私が思ってた問いに対する答えとはちょっと違った
移動したから何か変わるというより、元々移動できる環境にあった人が移動でき、そうでない人が移動できないという移動の自由における格差を説明する本