伊藤将人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
世の中にはいろいろな人がいる。そしてそれを分かった気になってしまっている。
この本では様々な事情で"移動"のハードルが高い、ある種分断された人の事例が紹介されている。その中でも、街で出くわす"タバコの煙"によって、無気力になり何もできなくなり死にたくなってしまうという病を患っている人がいることに衝撃を受けた。
ただ五体満足なだけで、身体を動かす機能だけが有効なだけでは人は完全には移動できないことを知った。
一見個人的に見える移動は、実は社会的で政治的、経済的なものである。
この本でたびたび登場するこの一節が妙に深く刺さった。
移動の障壁は十人十色、多 -
Posted by ブクログ
人生がうまく行っていると感じられる背景には、その人が「どこかに向かっている」「前進している」感覚が不可欠である。
だからこそ移動は、成功者になるために必須である。男性的なものである。と捉えられてきた。
しかし移動とは、個人の意志のみによって実現される自発的なものではなく、極めて政治的・社会的な要因によって左右される。
例えばUberEatsの配達システム、出稼ぎ労働者のように、貧困のために移動せざるを得ないケースが存在する。また、どれだけ利口で意志が強くても、身体的障害のために移動できない人も存在する。
移動できることが当たり前だと感じる今の自分だが、この権利がいつ失われるとも限らない。 -
Posted by ブクログ
現代(2025)の日本において、移動は制限されてはいない。移動とは体験であり、色々な場所を巡るのは良い体験と経験値となるだろう。地方出身の人が上京するにしても、関東出身の人が地方に行くにせよ、その選択には開かれている。手っ取り早いのは旅行が良いだろう。国内旅行も様々である。お金を掛けずに旅を楽しむことは充分に可能だ、
移動は様々な体験をもたらしてくれる。本著でも示唆されている通り、移動の最大の効果は「移動を通じて人生の選択肢を広げ、自己変化や社会参加を可能にし、個人の人生と社会階層の形成に決定的な影響を与えること」であり、これによって「移動できる人」と「移動できない人」との間に新たな格差・階級