あらすじ
この世界には「移動できる人」と「移動できない人」がいる。
日本人は移動しなくなったのか?
人生は移動距離で決まるのか?
なぜ「移動格差」が生まれているのか?
通勤・通学、買い物、旅行、引っ越し、観光、移民・難民、気候危機……
日常生活から地球規模の大問題まで、移動から見えてくる〈分断・格差・不平等〉
独自調査データと豊富な研究蓄積から「移動階級社会」の実態に迫る!
【本書のおもな内容】
●「移動は成功をもたらす」は本当なのか?
●半数弱は「自由に移動できない人間」だと思っている
●5人に1人は移動の自由さに満足していない
●3人に1人が他人の移動を「羨ましい」と思っている
●移動は「無駄な時間」なのか?
●移動は誰のものか?――ジェンダー不平等という問題
●格差解消に向けた「5つの方策」とは?……ほか
【目次】
第1章 移動とは何か?
第2章 知られざる「移動格差」の実態
第3章 移動をめぐる「7つの論点」
第4章 格差解消に向けた「5つの観点と方策」
「移動」をもっと考えるためのブックリスト
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
なんというか タイトルがいいよな キャッチーで
海外旅行に年に4回くらい、国内旅行にも複数回行く気ままなアラサー独身女としてはドキッとさせられる…
ちょっとトピックスが色々ありすぎたけど、まあまあサクッと読めた 気になる話題はおすすめしていただいた参考文献を読んでいきたいわね
自分も多分移動という意味ではエリートなのだ
まず0歳?の時から海外旅行に連れて行かれている
小学校の時にはシンガポール2回、ハワイも2回、沖縄、北海道は毎年…
今年も、オーストラリア、インド2回、韓国、北海道、などなど…色々行っている
修学旅行も中学高校ともに海外だった
飛行機も電車もフェリーも好きなんだよぉ〜〜
移動経験そのものが資産で、経験があればあるほど次の移動へのハードルが下がるというのはほんとそうだなと思った
で、自分と似たような人とつるむから、海外旅行当たり前、海外留学経験当たり前、海外で働くのも珍しくない、、みたいになっちゃって
パスポート持ってない!国内旅行も飛行機乗ったことない!みたいな人に遭遇すると逆にえ??みたいな 20年以上生きてきて???みたいなことを正直思っちゃうんだ!!!!イヤーン!!
海外旅行なんて、パスポートとって飛行機とって空港いけばいいだけじゃん?みたいな 高慢である
これはほんまに自分がたまたま恵まれた階層?にいるだけというのは自覚しなあかん(親の介護が始まる前に行けるうちに行こう!今はとても恵まれてる、みたいな気持ちはあるんだよ)
日本だとあんまわからないけど
インド国内旅行とかすると、飛行機乗ってるのはみるからに富裕層ばっかだなとか
私は本当に自動車社会が嫌いで………(高齢祖父がまだ田舎で車運転しているため!!)そちらは別の本を詳しく読みたいなと思った
車の事故で女性の方が怪我しやすいのほんまファッキンクレイジー、、、ほんま日本の決定権ておじがにぎりすぎや
引用
エネルギーの消費量が増えれば生活が豊かになるわけではなく、エネルギーをたくさん使ってより遠く、より速く移動できるようになっても、私たちの暮らしゃ心が必ずしも豊かになるわけではない。要するに、エネルギーに依存しすぎた移動社会は持続不可能である
→ギクウ
まあほんまに『フツーに方丈記』とかで述べられてた通りな面もあると思う。この本の文脈で、方丈記のような暮らしはどういう評価になるんだろう?方丈記ライフは方丈記ライフである意味特権かしら
車社会嫌いと言っておきながら、飛行機にバンバン乗りまくる自分に矛盾を感じたり…
政府の移住に関する政策とかに対するうっすら違和感とかも…はい、私もgotoトラベルバンバン使ってましたわ…使いまくった上で、あれは、あれがなくても旅行してた人たちにお金を配っていた側面はほんとある…
本来勝手に移住できる高所得層向けに金を配ろうとするのはなぜなのか?はまあ単に政策やってる感出すためのKPIが欲しいだけでしょうね
もうちょい他のことにお金使って欲しいね
自動車価格2倍になったのか〜とか、、
車住まいノマドできるのって白人なんだ〜とか、、
結構浅ーく広くて感じだったのでそこが好み分かれるのかな
両親に連れられる子供に関してはどうなんだろうね
こないだベトナム行きの飛行機に乗ってたら、旅行っぽい家族がいて、両親+赤ちゃん+3歳くらいの男の子だったけど終始大変そうすぎた 飛行機移動は子供への負担でかい、、、小学校なるくらいまでは親のエゴだなと思った とか言って、私も赤ちゃんの時飛行機載せられてたらしいけどなにも覚えてないんだよな…まあ親が楽しければいいか
Posted by ブクログ
移動と階級の話がみっちり。それぞれに対して参考文献があるから、新書としてはこれでいいのか。シートベルトのダミーが男性だけというのは確かにそう。身長150センチの女性には明らかに合っていないもの。ジュニアシート買うのかなあ。移動できるは逃げ出せる、は心から同意する。逃げられないと思うと逃げられる人にはしないことをする人は結構いるから。虐待の大半はこれ。
Posted by ブクログ
何らかの解決よりは
問題意識の共有のために書かれた本、という印象。
移動という、日常のありふれた行動が、
しかし、様々な理由によって格差付けられている。
究極の問いは、憲法で守られているところの
「文化的最低限度」の移動というのはどの程度を指すか、
ということになるような気がする。
完全な平等はありえない。
切り捨てるような物言いになってしまうけれど、車いすの人の移動を健常者と同等に保障すると、莫大な社会コストになる。
ただ、そのコストを金銭以外でどこまで緩和させられるか。
上限が下限からどんどん離れていく(格差が広がる)社会において、常に問われる必要のある話題だと思う。
Posted by ブクログ
新書として良かったのではないか
引用文献はどれも比較的新しいようで、現在の潮流がなんとなく知れてよかった
帯に書いてる「人生は移動距離で決まるのか?」は全く本筋じゃないですね。嫌だよね出版社って奴らは…
Posted by ブクログ
自分はどちらかというと移動しやすいレベルの人間で、かつ移動のお手伝いをする仕事だ。だからこそ、日頃から障害などで制限を余儀なくされている人を見て"移動する人はうまく行く"のような言説に疑問を感じていた。その疑問に答えてくれた1冊だった。
そもそも移動できる資本を持っている人が押し付けている印象が否めない。p.122の『移動が困難であったり、自分とは移動をめぐる状況が異なったりする人がこの世界にいることへの想像力を働かせることが大切だ』と語られているように、視野を広げて物事を見るのが大切だと思う。
昨今『移住促進』が言われているが、移住できる余裕や資本がある人に支援して格差をより広げているという視点は初見だった。確かにそうだ。もっとハードルを下げるような、平たく選択肢を広げてあげる策を期待したい。そして何より自分も考えていかなければならない。
視野を広げてくれる著書だった。
出ているデータに関しては、概ね自分の予想通りではあった。
Posted by ブクログ
「移動している人が成功する」(色々な所へ行ったり挑戦したりすること)
この大前提として、移動がみんな当たり前にできて、移動の自由が尊重されている場合のみである。移動の自由がいくつかの理由で保障されていない人に対して、この思想をぶつけるのは少し安直(視野が狭い)な考え方であると本書を通して思った。移動ができること、この自由を当たり前だと考えずに、もう少し視野を広く持って移動という意味を噛み締めたい。
Posted by ブクログ
移動にまつわる社会学、モビリティーズスタディーズ入門としてかなり丁寧に書かれた良い新書でした。
「行きたい場所に、いつでも行けますか?」
「自分の移動を自分で決めて、実行できますか?」
冒頭で二つの問いが投げかけられ、行ける人と行けない人、実行できる人と実行できない人、あるいは行く人と行かない人の間にはどのような違いがあるのか。それを経済的な格差、ジェンダー、障害や病、都市と地域、環境問題とグローバリゼーション、自由と移動、旅行・観光、移住、難民、歴史や技術などさまざまな社会的な観点から眺める視点と論点、そして価値観の違いがあることを提示していく。
SNS等でしばしば見かける「移動する人が勝つ」的なマッチョな価値観の影にどのような問題があるのか、単純にそうした価値観を批判するだけでなく、能力主義と同じように、移動の価値というものがかなり現代社会に生ける私たちの前提となる価値観として強力に染み付いていることについて捉え直す機会になりました。終盤のブックリストも良かった。何冊か読んでみたいものが見つかり早速『ルポ トラックドライバー』を購入してきました。
Posted by ブクログ
その視点はなかったの連打をぶち込まれた
飛行機乗るがダサいって風潮が存在するのね
言われてみれば燃料ガンガン使って飛ばしてるし、環境に悪いと言えばそうか
普通に飛行機乗るって行動はシュッとしてるイメージでかっこいいと思ってた
居住場所、勤務先などを考えるときに色々意識しようと思った
インフラの観点から見ても男性は優遇されているのか
Posted by ブクログ
ここで言う「移動」の定義が幅広くて、あらゆる角度から「移動」や「移動格差」を論じていて勉強になりました。社会階層的な話だけではなくて、移民、ジェンダー、気候変動など色んな視点で書かれています。「移動する人のほうが豊か」というような内容ではなくて、誰でも自分事とし考えられる構成になっています。
私は旅行や出張、引っ越しも、何でも移動することや、移動時間そのものが好きなんですが、よく思い出すのが…勝間和代氏が「移動するだけで充実しているように感じるから、何か生産的なことをやり遂げたと勘違いしないように」的な話をされていたこと(うろ覚えなので解釈違っているかも)
・移動(旅など)することで自分が感じる充実度や満たされる好奇心etc
・社会の中に「移動」に関する格差があること、それは「(移動しない人=)行動しない、できない人」というように自己責任としてジャッジすることはできない
↑こんな側面で移動について考えることができました。
Posted by ブクログ
「行きたい場所に、いつでも行けますか?」
「自分の移動を自分で決めて、実行できますか?」
この2つの問いかけから始まる本。
2つ目はYesだけど、1つ目は完全にYesではないかな。
組織で働いていると「いつでも」が難しいから。
この本で興味深かったのは、自動車の安全性は男性が基準で設計されているから、女性の方が事故の確率が高いという話。
男性ユーザーの方が多いから仕方ないんだろうなぁと思いつつ、ちょっと残念、かつ気を付けなければと思った。
Posted by ブクログ
人生相談をベースに本の紹介するポッドキャストで紹介されていたので興味が湧いたので読んでみた。
決して移動が出来ることが良い・有利、という訳ではないけど身体的に精神的にそして家族の介護などの状況によって移動できない人口がいることやその状況に縛られることが女性の方が多いこと、娯楽のために飛行機に乗ったことない人は年収が低いことが分かっていることを説明している。
性別によって移動のしやすさが違ったり、車の構図が男性にフィットした形になっていたり、安全性を検証する実験では男性の平均的な身長と体重を反映したモデルを使用されていて女性が乗った場合は最近まで検証されていなかったことも話されていた。Invisible Womenという本でも読んだ内容も入っていた。
結局特権があることを気づくことが大きいんだなと実感したので読みながら以下のことを思った。
・通勤で毎回車掌さんに依頼して乗るために手伝ってもらう必要がないこと
・コロナ禍ですぐにテレワークを導入できる会社に所属していること
・地方から東京に出て実家に戻れと言われないこと
最近読んだ新書の中でちゃんと興味深かったし、作者が年下ということが1番の衝撃だった。
Posted by ブクログ
一見平等に見える移動の自由ですが、社会的な状況によって損失や差が発生しているということについて書かれた本です。
経済的な状況や難病や介護などによる移動を中心とした様々な影響について
書かれています。
Posted by ブクログ
現代の「移動」に関する広範な事例を扱った1冊。特に自動車運転(開発)に関するジェンダーギャップの存在がつい最近まで放置されていたことはショックだった。また米国における中高年白人大生を中心とするノマドワーカーの実態は我が国でもあまり知られていないのでは?
手を広げすぎて言及が及ばない部分もあると思われるが岩大の移動格差に対して一石を投じる書だった。
Posted by ブクログ
「移動する人が成功する」なんて簡単な話ではありませんでした。普段何気なく移動していますが、そこには可視化されていない格差があり、その一つ一つも様々な視点から見ることができる。正直、交通の便が悪いところに住んでいる人、移動しない人のの「自己責任」でしょ。という考えでしたが、この本を読んで、すごく浅はかな考えだったと反省しました。「移動」のテーマを勉強したい人の最初の本におすすめだとおもいます!!
Posted by ブクログ
【きっかけ】
コロナ明けから旅行するようになったこと、SNSでみるグローバルな人をみて羨ましい気持ちがあり、タイトルに惹かれた。
【印象に残ったキーワード】
・気候変動による移動の困難=ブーメランを食らってる
・車は男性にマッチするような設計、女性の受傷率のほうが高い
・飛び恥 飛行機移動のCO2排出量
・車上生活は白人男性ばっかり
【感想】
気候変動、移民問題と思っていた以上の話題の広がり。第2章がタイトルから想定していた話題に近かった。
後半やや食傷気味に。
それでも考えるきっかけをもらえたのはよかった。
まさに過疎化している田舎で育った。幼稚園も学校もひとつだけ、施設や機会の格差は嫌というほど感じてきた。親の運転なしではどこにも行けない。JRまで撤退した。親が歳をとってきて、運転に不安を感じることも出てきた。田舎の良さもあったけど、もう少し都会に住んでいれば、自分の子ども時代は違ったかもと思うこともある。
親元を離れ都会に出て、社会人となったいまは自分で公共交通機関を使い、行きたいときに、行きたい場所へ行けるようになった。世界が違う。自分で行きたい場所に行けるって、精神的にもすごく自由。たまに帰省すると、いまはより息苦しさを感じる。
母はまさにケアする側の人間。父が国内・海外を自由に移動していた一方で、母は子どものため、子育て終了後は介護のために家に縛られている。
母だってしっかり自己主張して、行きたい場所に行けばよかったのだと思っていた。その機会を得ようともしなかったのだから「自己責任」だと。しかし、経験もまた移動資本。母はケアラーとしての人生が20代前半からスタートしていて、それだけの経験値を積む機会すらなかった。
いま自分が自由に移動できるのも、当たり前じゃない。また世界中でウイルスが蔓延したら?親がもっと弱って
近くにいる必要が出てきたら?自分の心身の状態に問題が起きたら?この自由をいつ失うかは、わからない。
「移動する人はうまくいく」「グローバル人間が生き残る」を盲信していたかもしれない。そっち側のほうが、カッコよくみえたから。移動できない人、そうなれない自分はだめだと思ってきた。もしかして視野狭窄、暴論だった?もう一度考えてみる。
Posted by ブクログ
移動とは、社会的で、政治的で、経済的なものであるー。
移動について様々な角度から、現在生じている社会問題を論じていた。
移動にまつわる社会問題を知ることができて良かった。
気づきを与えられれば良い、と書かれていたがその目的は果たしていたと思う。
ただ筆者なりの主張が見えなかった。
Posted by ブクログ
移動する人が成功する。
ちょっと前にそんなワードよく耳にしたなぁと思い、読んでみました。
移動することに関して、そーゆう格差があるんだって初めて知ることが多かったので、とても面白かったです。
Posted by ブクログ
〜からの移動する,と,〜への移動,は確かに同期が違いますよね.また自治体の「いらっしゃい」という移住策は上澄層だけを対象にしている,というのは納得.
簡単な答えはない問題である.
Posted by ブクログ
移動にともなう格差、権利、差別などを、さまざまな視点から論じる。学術論文っぽさが強いので、面白いかと言われると微妙なのだが、昨今、いわゆる成功者たちによって語られがちな「移動する者が勝ち組になる」論について、そうやって簡単に自己責任論と結びつけられるものでもないということがわかった。
「移動」というワードから、ポジティブorネガティブのどちらかしかイメージできないようなら、やはり想像力に欠けると思う。
移動とは、社会的で、政治的で、経済的なものである−−−
社会を良くするため、自分と立場の異なる人のことをつねに考慮するのに、良い気づきとなった。
Posted by ブクログ
移動に関する階級差をいろいろな観点から分析した本。個人的には、移動とは、何かを成すための方法だなと思うので、他の格差に対して、結果側というか、付随するものでしかないのかなとは思う。移動自体というよりは、何かの格差によって移動関連にも差異が出るよね、という捉え方が自然かなと。ただ移動を切り口にいろいろな社会格差の片鱗を見る視点は面白かったと思う。
・移動には明確な格差がある(移動実績、移動に関わる知識や経験、移動しようと思えること=モビリティ)
・成功するためには移動するべきという考え方が流行ったが実際は移動できる階層が成功できる階層的な側面もある
・ジェンダー格差があるのはわかるが体格的な意味での性差も存在する(自動車の設計や事故率)
・移動できないものにも価値がある、エアーズロックとか
・自由に移動する権利は憲法に謳われていないが、人権を保持するために根本的に守らなければいけないもの。人権を侵害する要因から逃げるために移動が必要。
Posted by ブクログ
メリトクラシー的な問題を移動に当てはめたものといった印象で、正直あまり新しい発見はなかった
移動に限った話ではないけど、最終決定権が本人にあるってだけで、その背景を無視して本人の自由意志による選択って見なす構造ってあるなぁと
能登地震の話ででてきてた、個人の権利ではなく数字つきの一見正当に見える意見で弱者の行動を制限/強制する構造にも同じようなことを思った
根本的な原因が同じ別の問題っていろいろあるのだろうね
Posted by ブクログ
最近は資本主義が生み出す経済格差に注目が集まっている。本書では、[移動はその人の持つ資本]という概念を用いて、移動における格差を様々なデータを用いて説明している。
モビリティが高い人は成功し、移動しないのは自己責任という考え方が、移動資本を元々持っている人の傲慢で狭い枠組みの話というのには、自身も気付かされた。
現代は、経済/移動/環境/国 一体いくつの構造的に生み出される格差があり、自身でコントロールできる範囲はどの程度なのだろうか。
Posted by ブクログ
移動は社会的で政治的で経済的な行為であり、不平等や格差が存在する、という話。詳細なデータを用いて解説してくれるので解像度は上がったけど新しい切り口での学びはあまりなかった。
Posted by ブクログ
転勤で引っ越すことが苦痛ではなく、いろんな地域に住むのが楽しいのだが、定住していることとの違いや、そこにどんな格差があるのかを知りたくて読む。ほわっとした概論であって、問題提起にとどまっていたかな。著者は地方移住政策のエキスパートのようなので、もっとそちらの具体的な話などを読みたかった。
Posted by ブクログ
世の中にはいろいろな人がいる。そしてそれを分かった気になってしまっている。
この本では様々な事情で"移動"のハードルが高い、ある種分断された人の事例が紹介されている。その中でも、街で出くわす"タバコの煙"によって、無気力になり何もできなくなり死にたくなってしまうという病を患っている人がいることに衝撃を受けた。
ただ五体満足なだけで、身体を動かす機能だけが有効なだけでは人は完全には移動できないことを知った。
一見個人的に見える移動は、実は社会的で政治的、経済的なものである。
この本でたびたび登場するこの一節が妙に深く刺さった。
移動の障壁は十人十色、多種多様なものだった。
Posted by ブクログ
モビリティに関する分析の入門書。広く浅く感はあり、まあそうですよねという内容が多いんだけど、移動困難性という自分にとって新しい視点を得ることができた。階級という言葉を使うのはちょっと悩ましいけど。
個人的に、出産後にジェンダーによる移動困難性は強く感じてなかなか辛かったので、他の事情にも思いを馳せやすくなったかもしれない。
著者が若い方だけど長野出身ということで、いろいろ考えるのだろうなと推察。
Posted by ブクログ
移動に対しての考察が興味深い一冊。当然、貧富の差による移動格差、お金があれば宇宙船にも乗れるご時世でこれは当たり前だが、性別による格差については考えさせられる。女性だから近くの学校や職場を強いられるジェンダーによるもの。病気や障害により移動場所が限定されるケース。多くの場所を行く事で成長できるという空気感。本人の努力も必要な事も分かるが、努力だけで移動できない事もあると教えてくれたように感じた。
Posted by ブクログ
人生がうまく行っていると感じられる背景には、その人が「どこかに向かっている」「前進している」感覚が不可欠である。
だからこそ移動は、成功者になるために必須である。男性的なものである。と捉えられてきた。
しかし移動とは、個人の意志のみによって実現される自発的なものではなく、極めて政治的・社会的な要因によって左右される。
例えばUberEatsの配達システム、出稼ぎ労働者のように、貧困のために移動せざるを得ないケースが存在する。また、どれだけ利口で意志が強くても、身体的障害のために移動できない人も存在する。
移動できることが当たり前だと感じる今の自分だが、この権利がいつ失われるとも限らない。移動の自由は、人々の根本的で必須の権利でありながら、極めて脆弱な基盤の上に成り立っているものである。
移動強者だけの狭い視野に捉われることは、非常に危険である。