大貫隆のレビュー一覧

  • グノーシスの神話

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    キリスト教教父神学を勉強するにあたって予習のつもりで読んだ。マンダ教やマニ教までカバーされていて、ナグ・ハマディ文書など貴重な原典の引用が多く、世界観を包括的に理解できるようによく考えられているなと思った。電子で読んだらマニ教の文献二段組みの部分が全部画像扱いになってるのか、どことどこがつながるのかわかりづらくて困ったけど…。あと最後の援助交際の女子高生だののくだりは、わざわざページを割くべき関連が見いだせるような話か?と思ったけど、そこまでの話のレベルが高かったのでよけい落差を感じてしまった気がする。
    原典の文章に文庫で手軽に触れられるのは嬉しいし、解説がしっかりしているので良かった。

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    2023年05月19日
  • 聖書の読み方

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    聖書の読み難さの分析から始まって、聖書が前提とする基本的な視点・視座の解説、実際に読むときの心構え、そして各書の簡単な解説。
    もう少し具体的な基礎知識を解説したものかと思ったのだけど、それよりもう一歩前段階の内容が多い。
    とはいえ内容が薄いわけではなく、聖書を読もうとする人が挫折しやすいところを丁寧に押さえている。

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    2022年09月03日
  • 聖書の読み方

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    あるグループの中で語られる言葉は、そのグループで共有されている「基本文法」があってはじめて理解できるもの。
    その基本文法は言い換えれば「自分なりの根拠」に過ぎない。

    だから、誰かに自分の信じるものを理解してほしいなら、その誰かが「基本文法」を共有していないことを前提に、どう表現したら伝わるかを工夫しなければいけない。

    本のメインテーマの聖書についてより、キリスト教徒がキリスト教徒でない人にキリスト教について話をする時の心構えが響いた。これってあらゆることに言えるよ。

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    2022年01月07日
  • 聖書の読み方

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    聖書の初読者がつまずくことになるさまざまな原因を、著者の授業でおこなわれたアンケートの結果にもとづいて紹介し、聖書の読みづらさがなにに起因するのか、そして、読みづらさを乗り越えていくためにはどのような読みかたをすることが必要なのかといったテーマをあつかっている本です。

    「聖書の読みづらさ」に正面から向きあうというスタンスで書かれた聖書の入門書であり、ねらいはたいへん興味深いと感じました。ただじっさいに読んでみると、聖書の読みづらさを克服していくための具体的な議論には乏しいという印象があります。それぞれの問題に対して専門家の立場からどのように答えられるのかということについてのあまり立ち入った説

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    2025年04月09日
  • グノーシスの神話

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    ナグ・ハマディ文書やマンダ教、マニ教などの文献の断章を比較しグノーシス主義を紹介する、というもの。
    断章のあつまりで全貌が良くわからない・・・てか神だとか擬人化された単語とか色々出てきて何が何だか・・・
    しかし頑張って読み終えるとグノーシスの考え方に触れることができたことによって若干視野が開けた感じがする。

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    2014年08月21日
  • 聖書の読み方

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    なぜ聖書は読みにくいのか、という問いに対して、聖書の構造を分析しながら解説している。特定の教派による偏った読み方ではなく、自主独立で読むためにはどうしたらよいか。目次順に通読しても難解だし、かといって拾い読みでは理解したことにならない。個々の文書の集合体である聖書は、目次を気にせず文書ごとに読むのが良い。聖書の内容の紹介ではなく、あくまでも“読み方”の手引きなので全くの初心者には不向きかも。自分も初心者だけど、先に読んだ日本文芸社『面白いほどよくわかる聖書のすべて』で得た知識がかなり役立った。

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    2013年10月03日
  • 聖書の読み方

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    「人間は神によって造られたもの」というのは、「いのち」が人間の勝手になるものではない、ということを意味している。人間は自分の髪の毛一本でさえ、白くも黒くもできない。自分のいのちさえ自分にとって「他者」である。創造主である神は、その超越的な根拠、言わば「絶対他者」である。

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    2013年09月22日
  • 聖書の読み方

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    学生たちが答えているアンケートの疑問とまったく同じように、聖書に対してどうも考え方になじめない。少しは読み方に対して理解はできたけど、どうしてもキリスト教や聖書に対して考え方が固いという印象をぬぐえない…

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    2012年05月12日
  • 聖書の読み方

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    学生たちが聖書を読む際に抱く素朴な疑問を出発点として、なぜ聖書は読みづらいのかという考察を通し、聖書をどう読むか提示する本。目次通りにいけば。

    Ⅰ部の学生の疑問については回答というよりはこういった疑問があげられているんですよーっと取り上げるだけにとどまり、Ⅱ部の提案についても散漫で聖書をどう読むかという提案の印象は薄く、さらに三部に詰め込まれた読書案内も相まってなんだかごちゃついた感じの本。
    取り上げる質問の数や、提案の数を絞ってスッキリさせた方が、もっと伝わりやすかったんじゃないのかなーっつー。

    簡単にいえば、聖書はもともとバラバラの文書のアンソロジー(しかもバージョンによって順番ちがう

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    2012年01月21日
  • 聖書の読み方

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    聖書を読む際の道標になる本。系統だてての解説は解りやすかった。宗教としての読む方ではなく、書物としての解釈の仕方は客観性に富み、納得のいくものだった。

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    2010年09月26日
  • 聖書の読み方

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     なぜ聖書が読みにくいのか、という理由を、アンケート結果をもとに整理し、読みにくさの理由や克服の方法などを聖書学の見地から教えてくれる本。旧約聖書、新約聖書、グノーシス主義文書に含まれるそれぞれの文献の案内もある。
     キリスト教の信者であるなしに関わらず、宗教的な記述をどのように「自己規制から解き放って、それぞれ自主的に聖書を読む(p.9)」か、ということがメインテーマで、聖書がどのような思考の枠組み、「基本文法」で書かれているかという点が解説されている。さらに、聖書だって神によって書かれたものではなく、人間の手で書かれたものであり、一般の書物と同じように読むことが大事であると説かれている。特

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    2010年06月13日
  • 聖書の読み方

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    読むのが難しい聖書を、「どういう気構えで」読むか。ということを提案している本であって、聖書読破の詳細なガイド本というわけではない。

    聖書の「読みにくさ」の原因を丁寧に解き明かすことにより、その部分に「いかなる気持ちで挑むか」、聖書に入る前段階からの下準備をさせてくれる。また、聖書の構造を丁寧に説明することで、そもそも聖書とはどういう書物なのかという基礎的な知識を教えてくれることは意味があると思う。

    ただ、ではこの本を読めば一度は挫折した聖書がスラスラ読めるかというと、そういうわけではない。「この部分を記述した人々の苦難を理解し」「書き手の経験に踏み込む」といった読み方を提示しているが、具体

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    2010年04月17日