大貫隆のレビュー一覧

  • グノーシスの神話

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    グノーシスというのは,キリスト教から見れば手強い異端である一方,マンダ教やマニ教など東方宗教においては必須の要素と言える。

    本書はグノーシスを紐解くためにいくつかの文献の訳を行っており,それだけでも随分な仕事だと思う。

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    2021年07月16日
  • グノーシスの神話

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    グノーシスといわれる一連の宗教(主義)を、手に入る数少ない文献を断章の形で並べて、底に共通しているもの(神話)を提示しようという意欲的な著作です。それぞれの断章はやはり難解なところも多く、解説も手を貸していただけているのですが、読みこなすのは大変でした。それでも全体としてのグノーシス主義とは何なのかを読みながら、頭でなく体に覚えさせることが出来ました。それが分かったのは最後の章になって、現代にグノーシスの考え方が残っていること、ただグノーシスらしい考え方ですがそれとは対極にあった考えであること、それをグノーシス(認識)し、本来の場所に導くこと、これらを読んだときでした。この最後を肌感覚で分かる

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    2015年07月22日
  • 聖書の読み方

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    ネタバレ

    キリスト教、ユダヤ教、イスラム教などの、中近東の文化に触れていないと、
    聖書を読んでも理解できないかもしれない。

    日本人の多くが、聖書を読む前に、準備運動として読むと、理解するきっかけが生まれるかもしれない。

    子どもの頃から、聖書は読んでいたが、本書は大人になって、聖書を読み直すきっかけになった。

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    2012年02月22日
  • 聖書の読み方

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    読み応えのある本だった。私は子供の頃、教会に通ったこともあるし、近親者にキリスト教の信者もいる。信者ではないが、キリスト教は宗教として身近な存在であるであることは確かだ。クリスマスしかり。この本の中で、著者は「聖書」を「全て正しいことを書いてある本」として盲目的に受動的に読むのではなく、能動的に一つの書物として読むべきである、と主張している。中でも私が印象的であったのは、「声」それも「多声性(ポリフォニー)」ということについて書かれていたことだ。「多声性」が個々に十分に認識されることが「交響性(シュンフォニー)」となり、「一体性」となる、というくだりが一番心に残る。

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    2011年09月26日
  • 聖書の読み方

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    聖書はなぜ読みにくいのか。そもそも通読を前提として作られていない。文書ごとに読んでいけばよい。特定の教派の読み方に縛られる必要はない。
    聖書の基本事項が分かりやすくまとめられている。

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    2011年05月29日
  • 聖書の読み方

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    ネタバレ

    宗教書というのは、仏典でも聖書でもそうですが、怪しい。って思いませんか?

    科学万能の時代ですよ? どうしてもあら捜しの対象となったり、「あり得ない」奇跡の内容に、白けてしまったり、信者ってこれを100%信じているの?みたいに思ったりしませんか?

    世界の約3割が信じるというキリスト教にあっても、「聖書の一字一句すべてが神の霊感によって書き表されています」とか言う人を見ると、あ、違う世界の人なんだ、いい人かもしれないけど、まあ分かり合えることはあるまい、とか、自分から扉を閉めたくもなります。

    にもかかわらず、やっぱり気になります。
    非現実的とか、話の筋に統一感がかけているとか、現代科学と矛盾

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    2023年07月25日
  • 聖書の読み方

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    聖書をしっかり読みたい人にはうってつけのガイドだと思う。西洋史の授業で紹介されていたんだけど、この内容をどうやってレポートへ繋げようか。

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    2023年04月19日
  • グノーシスの神話

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    とりあえず岩波文庫にあるナグ・ハマディ文書を読まないと始まらんわ。
    グノーシス的世界の概観を一望できる名著。

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    2023年02月05日
  • 聖書の読み方

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    聖書は読みにくい。
    私は旧約聖書も新約聖書も頭から読もうとして、それぞれ出エジプトと使徒行伝で挫折しました。
    別にキリスト教徒というわけではなく、文学理解の補助線として読んだので、何とか通読できた創世記や四福音書でさえ、かなり苦行だった覚えがあります。

    本書の第一部では、学生アンケートをもとに聖書の読みにくさを整理しているのですが、共感すること頻りでした。
    聖書を読むのに挫折した人が読めば、あるあるばかりでしょう。

    第二部、第三部は、そもそも読み通せない聖書を読むための考え方や聖書の成立などについての解説。
    キリスト教徒視点よりも研究者視点の方が強いので、信者でない人にとって神父や牧師の説

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    2025年09月06日
  • 聖書の読み方

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    想像していた以上に良かった。

    題名的に初心者向けに書いてある様に思ってしまうけれど、実際にはある程度聖書を読んで少なくとも聖書物語で筋が追える位でないとここに書かれている内容をしっかりと理解するには難しいと思う。

    この本を読みながら思いを強くした。是非とも「聖書を読まずに聖書に強くなる講座」を開催したいと。




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    2021年12月24日
  • 聖書の読み方

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    本書の主な対象者は,「聖書は読みづらい」というテーマに思うところがある,さらにいうなら聖書を読もうとして挫折した人々だと思う。Ⅱ章「聖書をどう読むか」からが本書の本領発揮で,ここでの解説はむしろ精読へのポイントというくらいには詳しい(なので読んだことがない人には厳しい)。

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    2021年07月04日
  • 聖書の読み方

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    ヨハネによる福音書、五・六章入れ替えた方が自然
    >W・イーザーの「行為としての読書――美的作用の理論」(田収訳、岩波書店、一九八二年)が大変参考になる。これは文学作品を著者がそれに仕組んでいる戦略の側面からと同時に、その作品を初めから終りに向かって読んでいく読者の読み行為の側面からも分析する研究である。
    本文の前での新しい自己理解(P・リクール)

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    2021年02月22日
  • 聖書の読み方

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    聖書はなぜ読みにくいのか、という問いを立て、答えていく。
     
    第一に単独で通読して理解できるように作っていない。預言書は複数のテキストを貼り合わせたものだから時代の違う記述が途中で混ざってくる。長いものを先に、短いものを後に配列しているので、文脈が異なる。 

    第二に、神を主語にして書いてあるから、なじみのない人には意味がわからない。

    第三に、キリスト教会の伝統的な読み方が一般の人にも影響しており、それ以外の読み方をするべきではないという規範になってしまっている。

    聖書は自分本位に読むとよい。そうすることで、自己と世界を新しく了解することができよう。

    「真の経験は遅れてやってくる。」

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    2018年11月23日
  • 聖書の読み方

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    聖書に挑戦しようとする読者が疑問に思う点、躓く点と、その原因の分析から始まり、聖書への向き合い方を提示する一冊。
    この本を読んで、聖書読破に挑戦してみたいと思った。

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    2018年05月31日
  • 聖書の読み方

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    [ 内容 ]
    聖書は信仰をもつ人だけが読むものなのか?本書は聖書を、広く人びとに開かれた書物として読むための入門書である。
    特定の教派によらず、自主独立で読む。
    聖書学者の著者が、自身の経験と思索をもとに提案する「わかる読み方」。
    キリスト教に関心がある人はもちろん、西洋思想を学ぶ人にも格好の手引きとなる。

    [ 目次 ]
    1 聖書の読みづらさ―青年たちの声と私の経験(「正典」と「古典」であるがゆえの宿命;聖書そのものの文書配列の不自然;異質な古代的世界像;神の行動の不可解)
    2 聖書をどう読むか―私の提案(キリスト教という名の電車―降りる勇気と乗る勇気;目次を無視して、文書ごとに読む;異質な

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    2011年05月21日
  • 聖書の読み方

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    世界最大のベストセラーである聖書。世界中のあらゆる言語で翻訳されている聖書。けれど、聖職者や研究者を除いて、この書物を通読したことのある人が、いったいどれだけいるでしょう?
    本書は聖書の内容を解説したものではなく、聖書がなぜこれほどまでに読みにくいかということを解き明かし、そして、この読みにくい書物を読むには、どうすれば良いかという手ほどきを記したものです。聖書に関する本としては、ちょっと視点がかわっていて、とても興味深い内容でした。

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    2010年12月31日
  • 聖書の読み方

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    聖書は「神が主語」である・・・がわかりやすい。
    対してグノーシスは「人が主語」となる。
    入門の入門書。最後の参考文献はいらないかも。全体としてもっと「読み方」についての量を増やしてほしかった。学生への「読みづらさ」調査もいらないかも。

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    2019年01月16日
  • 聖書の読み方

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    「聖書の面白さを得々として謳う入門書や概説書は枚挙に暇がない。本書はそれとは逆の道を行く。聖書の読みづらさにすでにつまずいた経験のある人は、実は無数にいるに違いない。その読みづらさの理由をていねいに解きほぐすことこそ、これから初めて聖書を読もうとしている方々にとっても、もっとも親切な聖書入門になるはずである。」(「あとがき」 p. 208)
    とある通り、よくある「入門書」とは違って、
    読みにくく感じることが当然であって、
    どうしてそう感じるのか、
    どう考えれば、もっと読みやすくなるのか、
    といった視点で書かれている。
    この本でいう「読み方」というのは大部分、態度の話で、
    実際の解釈の仕方という

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    2010年07月21日
  • 聖書の読み方

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    聖書を読む前の導入本みたいな本。
    でも、聖書を全く読まない状態で見るんじゃなくて、ちょっと見てみた後「意味わかんない!」って思った後に読むのがいい。
    いろいろ共感できて、おもしろかった。

    聖書がよくわからなくて嫌いになった、大学のキリスト教学受講当時にこの本を読みたかった…。

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    2010年05月31日
  • 聖書の読み方

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    聖書という大いなる山に挑んでるので、自分を鼓舞するために購入。冒頭のアンケートは面白おかしく読めるが、そこで示された疑問に回答しきれているかというとやや難しい。非信者でも納得のいく回答がもう少し欲しかった。
    ただ3章の読書案内は有用で、各翻訳の特徴、有用な注釈書などが逐次書いてあるので是非とも利用したい。
    読み方の本というより「聖書ってなんでこうなの?」に答える本なので、聖書読破に躓いてる人はこちらでなくてもいい気はする。それより自分自身が感じたツッコミ、疑問、解釈をAIに聞いた方がまだ聖書を読み進められると思う。

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    2025年09月20日