紙吹みつ葉のレビュー一覧
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給食をこよなく愛する中学教師・甘利田幸男をコミカルに描いた作品。ドラマ化された前作の続編。
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設定がおもしろい。
まず主人公がいい。
給食への情熱や歓喜を抑えきれない子どもっぽさと他者に対して見せる冷徹さとのギャップ。給食好きを看破されても白々しくとぼけきろうとするところには愛嬌さえ感じてしまいます。
しかも時々口にする端的かつ含蓄に富んだセリフ。大抵は給食愛から発しているに過ぎないのに不思議に問題の本質を突いていたりするのです。
担任クラスの生徒たちもいい。
厳格で親しみを見せない甘利田が実は愛すべき人物であることを皆、ちゃんと見抜いてい -
Posted by ブクログ
時は1984年、市立中学校における学校給食を題材とした一教師と一生徒のおいしく給食を食べる密かなバトルの物語。
創立100年とあったが、新制中学は昭和22年からのはずで、年数があわない。旧制中学でも市立ではないからなぁ。でも、そんな些細な点も気にならないくらい物語は面白い。
鯨の竜田揚げなんかが給食に出るなんて昭和のイメージを醸し出します。(バブル期には捕鯨は禁止されていたので、きっと以前よりは出てくる頻度は少なくなっていたはず)昭和の人には懐かしすぎます。
各物語の冒頭の給食の絵?写真?もそうですが、細かい給食描写で食欲がわきまくり。お腹がならないように注意して読んでください。
ラストは良か -
Posted by ブクログ
ドラマを見て知った作品。1980年代の給食風景がよみがえる。読んでみるとドラマが原作に忠実に作られているのがわかる。ドラマでは描かれなかった甘利田と御園のロマンスも心地よい。市原隼人のキャラが濃すぎたせいか,本の中の甘利田が市原隼人で固定されてしまったのは仕方がないだろう。まだ手に取ってない方は本を読んでからドラマを見られることをお勧めします。どちらも最上のコメディです。
あらすじ(背表紙より)
ハンサムだが無愛想な数学教師・甘利田幸男。彼の唯一の楽しみは「給食」だ。鯨の竜田揚げ、冷凍ミカン、アゲパン―。構成を見極めバランス良く味わう甘利田に対し、彼を挑発するように斬新な方法で食す生徒が現れた -
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ドラマや映画にもなった『おいしい給食』(私は未視聴です)小説が先なのか映像が先なのかは知らないのだが、愉快でコミカルな作品だった。寡黙で表情があまり動かない数学教師、甘利田は給食を食べるために学校に来ていると言っても過言ではない。(ていうか本人がそう語っている)理由は母親の料理があまりにも美味しくなさすぎるから。なんとも悲しくなる。そんな彼が担任を受け持つ中学校一年一組にある強敵が現れる。神野ゴウ。ことあるごとに給食を"変化球"で味わう曲者。甘利田は神野の奇行に最初は腹立たしく、敵対心剥き出しだった。しかし、あまりにも美味しそうに味わう神野を見てその気持ちはどんどん薄れ、給
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学校 ★★☆ 大人 ★★☆
不愛想で生徒にも教師にも厳しい中学数学教師・甘利田。彼は給食のために学校に来ているといっても過言ではないと密かに自認している。
そんななか甘利田のクラスの副担任として産休補助の国語教師・御園がやってくる。
甘利田の指導は厳しいが、余計なことを言わず、自身の情熱が向いているのは給食。
甘利田の考え方や、やり方が理解できず振り回される御園。
そんなマイペースな甘利田にも、密かに戦っているものがあった。
それは自分のクラスの生徒で、給食大好きな神野。
給食を愛する甘利田は、供される給食を、そのまま受け入れ美味しく食べる。
しかし神野は、ルール違反もなんのその。自分 -
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市原隼人さん主演で2019年秋にテレビドラマが放映され、2020年春に映画が公開、来月からドラマのセカンドシーズンが始まるらしいです。この本は原作本という話ですが、出版されたのが2020年1月…ということは、ノベライズ的な感じでしょうか。
「私は給食が好きだ。給食のために学校に来ていると言っても過言ではない」
だがそんなことは決して周りに知られてはならない…と、心の奥底でのみ給食を愛する数学教師・甘利田と、斬新な方法で給食を楽しむ生徒・神野…1980年代の公立中学校を舞台に描かれる学園コメディです。
甘利田先生は表面上はめっちゃ厳しいのに頭の中は給食のことばかり…でも実は生徒たちのことを