トニー・ワグナーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ経済の成長エンジンとしてのイノベーションを教育的側面から促進する考えについて述べた著書。
イノベーションを起こすためには「専門性(知識)」、「クリエイティブな思考力」、「モチベーション」が必要と言う考えのもと、現在の家庭・公的教育はそれらの能力を育む仕組みになっていないと問題提起している。
家庭教育は子供が本当に熱意を注げるものの選択肢を豊富に提供し、選択した際にはフルサポートできているか?
義務教育、高校、大学は画一的な知識のインプットだけを行い、その知識で現実の問題をどのように解決するか教えているのか?
現在の国力の低下、国民の貧富2極化を鑑みると、日本でもこの著書で述べられているよ -
Posted by ブクログ
これからますます世界中で必要とされる「イノベーター」という存在をどうやったら生み出せるのか、その方法を探った一冊です。
何人かの若き「イノベーター」たちへのインタビューを通じた、生い立ちや教師・メンターとの出会いの記述が半分くらいを占めていますが、どれも面白いです。親や教師がとても特別なことをしているわけではないですが、こどもたちの好奇心や熱意をうまく引き出して自由に発展させよう、というそういった理念が、クリエーティブまたイノベーティブな若者を生み出す源泉になるんだなと感じました。
型通りにはめる、そしてgeneralistを生み出そうとする学校教育が、イノベーターと相容れない精神だというのは -
Posted by ブクログ
【学び】
イノベーター教育に必要なこと
・コラボレーション(一人でイノベーションを起こすのは無理)
・実践的(何を知ってるかではなく知っていることを応用して何ができるか)で分野横断的(工学+IT、環境、デザインとか)学習
・遊び→情熱→目的
・自分で考え決める自由を与え、決断を応援すること。特異な親と言われても譲らないこと
・スクリーンタイムの制限と知的な遊び(レゴなど)
【所感】
はっきりいって最高の書籍でした。自分はイノベーターとは言えませんが、自分の考えや生き方と学校の考えとの違和感は大変共感します。親として子供の創造性を最大限伸ばしてあげられるように、本書を携えていきたい。 -
Posted by ブクログ
とにかく共感する部分が多い本となりました。多くの人がうすうす感じているけれど、なかなか動こうとしないところをズバリと言い放つ論調は爽快です。学校教育によって、創造性への好奇心を奪われているという件は、この本のハイライトでしょう。幸いにして、その学校教育へ疑問を感じていた先生に教わった僕は、幸運だったのかもしれません。何を学ぶかは重要ではないというくだりも深いです。そういう本人は、当然のように多くの知識があり、学びを続けるという点です。イノベーターを育てるヒントが散りばめられています。時代にフィットした教育の在り方を実行していかなければならないと思います。
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Posted by ブクログ
本としてはいまいちで、文章に引き込まれる感じがないのですが、(翻訳の問題かも?)著者の主張が今後の社会にとって極めて重要な意味をもつと思うのであえて高評価としました
いずれ計算機含む機械の能力が向上し、定型化された仕事はすべて機械に置き換えられるのは確実で、そうなるとイノベーティブな活動をする人だけが忙しく仕事をし、それ以外は機械による生産物をただ消費するだけの人になる、一見すると極めて不公平な世の中になるはず、というか実際そうなりつつある
それがいいことだと思わない人も多いがその流れは止められない
なぜならエネルギー、資源、食料は有限で世界中の人が満たされることはなく、唯一解決できるとすれ -
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ある本で紹介されていたこともあり、読んでみました。
アメリカの学校も、日本の学校と同じく、出る杭は打たれるのですね。
アメリカは、日本なんかよりも、秀でた児童・生徒に手厚いものだと勝手に思い込んでいましたが、そうではないことを知り、軽いショックを受けました。
また、アメリカの学校も、日本の学校と同様、知識の詰め込みを重視しているのですね。
それから、アメリカでも、イノベーターが育つような学校は、特別で一握りしかないのは意外でした。
ハーバード大学やMITにおいても、多くの授業や研究室は、決して、イノベーターを育てるような環境ではなく、むしろ、フィンランドの学校(高校や大学)の方が、イノベー -
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子育てに限らず、企業で人材育成を担う場合にも参考になる本だと思った。
子どもを信じること、内的モチベーションを大切にすることが特に重要と感じた。
「子供たちにいちばん求めているのは、自分にとって大事なことを気にかけ、夢中になること、自分に正直な人生を送ることです。」という記載が印象に残った。自己と深く向きあい、理解する力というのは、難しいが身につけるべき力だと思う。
また、親が子どもに価値観を押し付けない、型にはめようとしない、というのも心がけるべき点と感じた。
先日読んだcuriousで伝統的な教育の重要性を理解したので、知識重視の教育とコラボレーション、イノベーションといった観点の新 -
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遊び、情熱、目的意識を育て尊重することが、なによりも重要。学校のカリキュラムや評価制度ができることは少ないが、型破りなメンター(学外のこともある)との出会いが影響を与えるのでコミュニティとしての意味はある。
子供の能力開発に親ができることなんてあんまりない、友達(メンター含む?)からの方が影響を受けると以前どこかで読んだけど、この本によれば、親ができることはたくさんある。遊びや情熱を探求する機会を多く持たせ、情熱をもっていることがあれば応援すること。もちろんこれをやって必ずイノベーターが生まれるという十分条件ではないだろうが、必要条件ではあるのかもしれない。
実際、振り返ると、親に相談すれ -
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イノベーションとは?イノベーターとは?
AIとともに生きる時代が現実味を帯びてくる中、将来労働集約型の仕事はどんどん自動化されていくと思われます。
いまの子どもたちが社会の主役になる頃がまさにAIと完全に共存して生きる世界になっているはずです。
ただし、イノベーションを起こすことは機械にはできません。
世の中の問題を見つけて、それを解決するアイデアを作ることは機械にはできません。
イノベーターになることは自分を守ることにつながると思っています。
ではイノベーターとはどのような存在なのか。
本書では求められるスキルとして以下をあげています。
好奇心。すなわちいい質問をする癖と、もっと深 -
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我が子への教育は、一緒に過ごし様子を見る、そこから始まる。
ゲームは子どもにとって悪なのだろうか?
この本ではゲームをさせるよりも他のものをある。
それも一理あるとは思うが、それだけではないと思う。
ただゲームをやるのではなく、ゲームをもっと突き詰めて考える。
攻略だけなく、なぜおもしろいと感じるのか、
どうやったらもっとおもしろくなるのか。
そういうことを議論することで生まれるものがあると言っているのだと思う。
これは学校などの教育機関にも言えることなのだろう。
過去の知識だけを学ぶではなく、未来の課題に向き合う。
各々の力に合わせて提供できるようになれば、それは最高の教育になるので -
Posted by ブクログ
優れたイノベーションを成し遂げた人物は、どのような教育を受けて育ったのか。イノベーター本人やその両親、学生時代の恩師等への取材から、イノベーションを生み出すための資質と、それを育む家庭や学校教育のあるべき姿を提言した一冊。
著者は、知識獲得への偏重や試験による画一的評価など、"標準化"された現状の教育が"破壊的イノベーション"を妨げているとして、子供が自ら興味を持った「遊び」が「情熱」になり「目的意識」へと深化する「内的モチベーション」と、異なる要素を組み合わせる統合思考や他者とのコラボレーション、失敗から学ぶ実験主義を含めた「クリエイティブ思考力」を -
Posted by ブクログ
イノベータ―のキャリアにおいて親・学校(教師)・その他メンターがどのような影響を与えているか。基本的には子供の自主性を重んじて情熱を注ぐことを見つけさせる。学び方を学ばせることが重要とのこと。
従来の統一テストやSTEM科目重視の教育方法については否定的だが、個人的には定量化して学校の善し悪しを(一部の側面とはいえ)見える化するためには重要だと思う。ただこれは次のビル・ゲイツを作るための教育で、次のジョブズを作るためには人文科学やアートも同じだけ必要らしい。ケン・ロビンソンもTEDでそんなことを言っていた。
画期的な授業を行っているオーリン工科大学については今後も注目したい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ私がこの本が良いと思う理由に、イノベーターの作り方と言った本書の主張をまとめたページが無いことです。本によってはエッセンスが要約されたページが用意されていて、そこを読めば短時間でも本を理解できるような構成で作られています。
しかし、この本は各箇所に大事なエッセンスやポイントがちりばめられており、それが逆に良いと思うのです。すぐに理解が出来るような本ではなく、子供や後輩・部下に実践する中で、「イノベーターとして、育てるのはどうしたら良いか?」「この子をイノベーターに育てるにはどうしたら良いか?」という問いを感じた時に、舞い戻るような指南書や教科書的な位置づけになる本ではないでしょうか。自分が直