オウィディウスのレビュー一覧

  • 恋の技法

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    『アルス・アマトリア』ではなんのことか分からない人も多いだろうし、「愛する術」と言われて恋愛小説かと思えば著者が紀元前43年生まれと知って困惑するだろうし、やはり『恋の技法』しかないかもしれませんね、邦題。
    表紙にあるように「千変万化の恋の手管」と言われれば、古代ローマの恋愛指南書あるいは愛し合うときのHow toものか、と分かってもらえるでしょうから。
    訳注も懇切で『カーマ・スートラ』よりはよっぽど読み易く、なるほど、と思われる方も多いでしょう。
    沓掛良彦氏の解説どおり(こちらを先に読んだほうがいいかな)、「ローマ恋物語絵巻」です。

    私はこれを「詩」として読みたい。堕淫からは程遠い、「恋す

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    2012年04月29日
  • 恋の技法

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    古代ローマの健全なエロ本、と言っても間違いではない。アウグストゥスはこの作品をどんな眼で見つめていたのか。

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    2009年10月04日
  • 変身物語 下

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    ネタバレ

    変身物語下巻。物語が世界創造からトロイア戦争、ローマ建国へと歴史の流れに沿って進んでいることに途中でようやく気付いた(笑)。トロイア戦争やローマ建国あたりになると叙事詩っぽくなり話にもまとまりが出てきたけど、ファンタジー感というかワクワク感はその分薄れてしまったような気もする。女ながら男として育てられ、女性を愛してしまったために神に願って自分の体を男性にしてもらい無事結婚する話が面白かった。
    オウィディウスはその軽薄な文体から当時としては好まれず、恋愛の手練手管から性交の技法まで指南する「恋愛の技法」を書いたことが(少なくとも建前として)原因となって追放の憂き目にあったということだが、そうでな

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    2024年10月25日
  • 変身物語 上

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    ネタバレ

    面白い。「変身譚」を中心にギリシアやローマに伝わる神話・物語を次々と語っていく内容なのだが、血縁や登場人物などをたどるようにしてシームレスに次の話へと話題が移っていくという高度な語り方をしている。それのみならず、恋愛に燃える乙女の心境から血なまぐさい戦闘、人の体が獣に変身していく様まで臨場感たっぷりに語っていく表現力があって目が離せなくなる。こんな本が2000年も前に書かれていたと思うと途方もない気持ちになってしまう。人物名がとにかく多くて、全然覚えられないけど…。

    ナルキッソスやイカロスなど超有名どころの話からこの本にしか典拠がない話までとにかくたくさんの話があるが、神々、特にユピテル(ゼ

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    2024年10月22日
  • ヘーローイデス

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    21編の手紙.その背景を知っていればそれぞれが一つの物語となっている.章の始めに紹介があり文中にも注釈があってとても分かりやすい.

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    2020年04月13日