荻野美穂のレビュー一覧

  • 女らしさの神話 上

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    最近出たばっかりなんだ!1963年のアメリカで出版され、フェミニズム運動高揚のきっかけになったと紹介されているけど、50年経った今読んでも悲しいことに(敢えて言うが)色褪せない。
    以前付き合っていた人があまり家事をしない人で、大学ではフェミニズムをやっているのに、何で現実の生活では相手に上手く伝えられないのかと不安になり、これが分裂という感覚かと悟った時期があったのだが、60年代のアメリカの主婦達も似た類というかまったく問題を抱えていたらしい。
    カレッジにおける教育、フロイトの述べたペニス羨望、似非科学であった機能主義、さらには家庭製品を売り出す広告会社までもが、「女らしさ」という神話を強化し

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    2024年09月26日
  • 女のからだ フェミニズム以後

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    ひとくちにフェミニズムといっても、立場や手法、語彙に行動や運動のやり方、かなり多様であること、一様であり得ないことがはっきりとわかる。
    中絶ないし、自分のからだという「やっかいな」問題だからこそ、それはなおさら。

    ツイッターその他でなんちゃってフェミニストを貶めて溜飲を下げる前に、まずは歴史を知ることから始めるべきだろう。それが良識ある人間のすることだと思う。

    わかりやすく読みやすい本でもある。第二次フェミニズムについて主に触れられているが、序でそれ以前の歴史についても整理してあるので、最初に読む本としても問題はない。

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    2015年04月04日
  • 女らしさの神話 下

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     60年代からの第二波フェミニズムの嚆矢となった著作と言われているが、丁寧に歴史を追うと4,50年代からのゆるやかなつながりがあったというのはひとつ学びであった。
     下巻は特に、但し書き付きとはいえ、オーガズムの話に終始しすぎているし、同性愛者(女同士の絆も否定していたらしい)や特殊性癖、受動性に関してあまりに二項対立的すぎる偏見が見られ、反論の余地ありと感じた。
     確固たるアイデンティティ/受動性・無気力という二項対立ではなく、『愛について』でも指摘されているような自己反省的(自己の中の他者)で可変的なアイデンティティのあり方を追求していくべきだろう。
     それでも、男性も男らしさの神話に苦し

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    2024年10月29日
  • 女らしさの神話 下

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     「女たちの神話」に苦しめられている女性たちの実相を描いてきた著者は、そこから抜け出すためには、妻や母としての生き方だけでない、一人の人間として生き自己実現を図ることが必要であること、そしてそのための新しい人生設計について、具体的な方策をいくつか主張、提言をしている。
     ただそれを実現していくことがかなり苦難の道であったことは、本書を著した後、女性解放のための実践運動に入っていった著者の文章、本書収録の「エピローグ」や「メタモルフォーゼ 二世代の後に」に示されている。

     自分だけが空虚感に苛まれ、おかしな考え方を持っているのだろうかと不安な心情を抱いていた女性に安堵感を与え、また新しい生き方

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    2024年10月18日
  • 女らしさの神話 上

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     1950年代から60年代にかけ、郊外に住み、夫と子ども、そして家庭のことだけを考えていれば良い生活、それは若いアメリカ女性の夢見るイメージであった。しかし、著者はあるころから、アメリカの女性が共通して”名前のない問題”を抱えていることに気づいたという。「何だか空っぽな気がするの」「自分が存在しないような気がする」といった言葉が主婦の女たちから出てくる。
     「職業:主婦」、早く結婚して夫を持ち子どもを育てる、妻であり母であることが女の幸せであるとする「女らしさの神話」に、いつの間にアメリカの女たちは捕らわれてしまったのか、著者はそうした意識の起源や変化の過程を追いかけていく。 
     具体的には、

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    2024年09月30日
  • 女のからだ フェミニズム以後

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     アメリカと日本の「女性の健康」に対する運動の流れを理解できる本。中絶、ピルなどの避妊に対する認識が歴史的に変化してきたことを知った。

     特に優生保護法の問題点と母体保護法への改定の流れ、母体保護法の問題点、代理出産については、昨今の日本のリプロダクティブヘルスライツを語る上で欠かせないテーマだと感じた。

     色々思い出すことができたのでよかった。

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    2022年02月23日
  • 女のからだ フェミニズム以後

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    ネタバレ

    フェミニズムの一派である女性の健康運動について歴史をたどった理論書。フェミニズム関係を読んでいつも思うが、どうしてデータとか、欧米の研究論考ばっかり並べてあるばっかで、日本になじむように説明していない。
    海外のフェミニストってちょっと異常なんですよね、ヌードを晒したり、大事な部分を見せつけたり。日本でも自分のヌードを3Dデータで送ったアーティストが逮捕されたけど、あれがアート? フェミニズム? なのかといぶかしむ。

    思想の輸入の限界なのか。
    学生闘争時代に花開いたのが、日本の第二期フェミニズムらしいが、こちらは大正期のそれと比べるとかなり過激。

    このフェミニズム闘争に参加した女性たち、今は

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    2014年09月21日
  • 女のからだ フェミニズム以後

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    どきっとする表題ですが・・・・。
    女の健康運動の歴史、日本でいえば昭和史でしょうか。
    教授らしく、しっかりした講義内容です。
    そういえば・・・・、そんな時代もあったなぁと思う、1970年代。
    懐かしくたどりました。

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    2014年04月16日