武澤秀一のレビュー一覧

  • 宗教建築を体感する 祈る心をかたちにすると

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    神社やお寺には行くが、よくわからずすごいなーとしか思っていなかった自分にとって、とても新鮮な本だった。

    まず著者のリサーチ範囲がすごい。
    日本の代表的な建築をおさえているのはもちろんのこと、海外の建築レビューも非常に細やかで、実際にその地を見たかのような臨場感を感じた。

    解説部分も、まず建築物の注目点を写真付きの説明するところから入る。それが宗教的にどのような意味を持つのかを順々に説明してくれるおかげで、いわゆる教科書的なものよりも直感的に理解することができた。

    原爆ドームの例は特に面白かった(不謹慎かもしれないが)。そこに祈る対象がいなくても、犠牲者の悼みや平和への祈りを向ける儀礼的中心としての原爆ドーム。
    これが、神が世界中に遍在しているとしていながら、その信仰の向きをメッカ一ヶ所に集めているという意味で、イスラム教の建築思想と似通っている。

    著者は例を絞ったと書いてあったが、それでも様々な宗教や、その土地の人々が大事にしているものを多く知れて、これから神社などに行く時の見方が大きく変わりそうである。

    そして最後の「幻の建築物」。それには世界に様々な形で存在している信仰の形が体現され、著者の人生をかけて構想したのだなと感動した。
    実現しなかったのが本当に惜しいが、私は今や、そのエッセンスを数多くの宗教建築から感じ取ることができる。非常に実りのある読書体験だった。

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    2026年08月05日
  • 伊勢神宮の謎を解く ──アマテラスと天皇の「発明」

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    最初は少々だるいのだけど、後半はぐいぐい惹き付けられる。なぜ伊勢なのか、何故外来神のタカミムスヒを祭っていた伊勢がアマテラスを祭るようになったのか、なぜイザナギ・イザナミという親がありながら、アマテラスが皇祖になったのか(親があるならその親が皇祖のはず)、そして皇祖神としてのアマテラスがなぜ伊勢にまつられているのか、なぜ一度途絶えた斎宮が天武・持統で再開されるのか、古事記・日本書紀の記載になぜ齟齬があるのか、平易な文で丁寧に検証しながら仮説を展開していく。すっ飛んでてもう少し説明がほしいところもあるが読み物としても面白い。天智、壬申の乱、天武・持統の時代に興味があるひとにもオススメ。天智・天武が同父母兄弟という記載に以前から唱えられていた異論に関連もある。明治維新の廃仏毀釈に通じるところも。神も仏も政治に利用してきた人間のたくましさよ。

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    2013年05月10日
  • 伊勢神宮の謎を解く ──アマテラスと天皇の「発明」

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    神道系の知識の参考にしたうちの一冊.
    伊勢神宮の創立から目的まで,色々な角度から紐解いていく過程を含め楽しめた.

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    2012年09月09日
  • 伊勢神宮の謎を解く ──アマテラスと天皇の「発明」

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    ネタバレ

     伊勢神宮の祭神、「天照大神」。しかし、その成立は微妙なものがありました。当初男神だったものが女神へ変わっていること、それも巫女の立場の人間が神に昇格する形のものではなかったか、と指摘します。古事記、日本書紀の記述やその後の宮中の記録を冷静に並べ分析すると…

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    2011年09月25日
  • 神社霊場 ルーツをめぐる

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    世界遺産からローカル遺産まで、列島各地の神社霊場を探訪するなかで、いろいろなことが見えてくる。

    たとえば、伊勢神宮の創建よりより出雲大社のほうが早かったとか、日本の神様はヨコ並び がお好きとか、神社は神様に至るための中継センターであるとか、いまは神社とお墓は相いれない形になっていることが一般的だったがかつては隔てはなかったとか、目から鱗が落ちる発見があって、とても面白い。

    臨場感にあふれており、神社を訪れた時、どういうポイントを押さえたらいいかがよくわかったのが収穫でした。

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    2010年03月12日
  • 宗教建築を体感する 祈る心をかたちにすると

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    建築の使命が、世界観を体感させることなら、宗教建築ほど適したものはない

    現代主流のモダニズム建築は、装飾を削ぎ落とて構造と機能を剥き出しにしたたもので、世界観の体感を目指してはいない。

    だが、宗教建築はその空間を通して世界観を伝え、礼拝を規定する。世界観-宗教建築-礼拝は切り離しがたく結びついていて、建築が似ている宗教は世界観も似ているのだ。

    そして古来より宗教建築は文字が読めない人にも宗教の世界観を伝える役割をしていた巨大な書物とも言える。文字の読めない海外へ行ったときこそ、体験したいのが宗教建築である。

    建築というフレームで宗教を切り取る、独自性の高い一冊。

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    2026年07月09日
  • 建築から見た日本古代史

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    天智天皇と天武天皇がいる兄弟という説、おもしろい。
    天智天皇と天武天皇の確執、その後の壬申の乱へのドラマ、天武天皇を引き継いだ天智天皇の娘である持統天皇…この流れの考察は納得感があり勉強になった。
    天智天皇の娘で、天武天皇の妻で、万世一系神話を生み出した。持統天皇がこんなに興味深い人物だったとは。
    事実の羅列でしか知らなかった歴史に厚みが生まれ、物語を感じた。

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    2023年07月28日
  • 伊勢神宮の謎を解く ──アマテラスと天皇の「発明」

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    アマテラスが、皇祖神として「発明」され、伊勢神宮が、再スタートしたのだと説くもの。いや〜、面白かったです。

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    2014年03月09日
  • 伊勢神宮の謎を解く ──アマテラスと天皇の「発明」

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    伊勢神宮の成り立ちや背景を考察した本。

    伊勢神宮はアマテラスを祭る日本最高の神社として有名ですが、その歴史的背景には天皇家の成り立ちと覆いかぶさる。皇祖神として、日本をまとめるため、神の血統としての天皇家の権威を高めるために存在するというところでしょうか。

    アマテラスと並ぶタカビムスヒの太陽神との関係や壬申の乱、設立当時の大陸と日本の関係など興味深く読めました。

    純粋に参拝できれと思います。神社のありようや存在意義は時代時代によって違うと思いますから。

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    2013年05月23日
  • 伊勢神宮の謎を解く ──アマテラスと天皇の「発明」

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    日本は昔からアマテラスを最高神として祀っていたのではなく、外来の神であるタカミムスヒ(男性の太陽神)を祀っていた。当初、伊勢神宮はタカミムスヒのために創設されたが、ある時からアマテラスが最高神になっていく。しかも、皇祖神に。キーは壬申の乱で勝利した大海人皇子。

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    2012年04月17日
  • 伊勢神宮の謎を解く ──アマテラスと天皇の「発明」

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    どちらかというと、副題の「アマテラスと天皇の発明」の方が
    内容をよく表していると思います。
    予備知識なく読めるよう、丁寧に書かれています。
    日本の成り立ちについて、興味が持てます。

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    2011年08月28日
  • 神社霊場 ルーツをめぐる

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    ネタバレ

    著者は建築家、その本業ならではの視点が随所に見られ、神社霊場の空間的コスモロジー、社殿などの特色が具体的に語られるあたり、知の刺戟がある。
         -20101202

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    2022年10月21日
  • 神社霊場 ルーツをめぐる

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     日本の神社や霊場がどのように成立したか、を読み解いていきます。一番重点を置いているのが足を使って実際に参拝してみること。それも本殿だけ参拝するのではなく、外宮や鳥居から本殿を眺めてみる。そこで感じた違和感や疑問を素直に読み解いていく。
     取り上げられているのは出雲大社や住吉神社などです。
     また信仰心を集めるという点では「霊場」も同じ、ということで高野山や恐山も取り上げています。
     どのようにその場所で信仰が成立したのかわかりやすく説明します。

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    2010年02月13日
  • 宗教建築を体感する 祈る心をかたちにすると

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    サーンチのストゥーパ 
     始原の海に浮かぶ宇宙卵 中心の柱 天と地をつなぐ 周囲を回る

    応県木塔 中国山西省応県 雲崗石窟の大同近く
     現存する 中国最古の木造建築 世界最大木造建築 十一世紀半ば築
     高さ67m 直径23m 最上階5階に大日如来 中心軸 東西南北 四方位 回って昇る
     
    日本の柱信仰 五重塔の心柱へ
     教会は東向に礼拝 オリエンテーション
    伊勢神宮=神宮 < 神社の中でも皇室と関係深いもの
     内宮=皇大神宮(天照大神を祭る
     外宮=富受大神(内宮に食事を捧げる
    出雲大社 大国主 上古96m? 現在24m
    諏訪大社 上社 
     大祝 諏訪氏 祭神 タケミナカタ 大国主の次男 神長官 守矢氏 土着神 ミシャグジ

    階段井戸 インド 地下の神殿 
    貫前神社 群馬 97段の石段を下る 稲含山 稲妻と女神ワカヒルメノミコト
    鵜戸神宮 宮崎 洞窟に神殿 神武天皇の父神ウガヤフキアエズノミコトを祭る

    パルテノン神殿
     守護神 女神アテナ 屋根は木造
    パンテオン  
     キリスト教公認前 宇宙を有限の球体とみなす ミトラス教ほか多神教の神殿
     ローマンコンクリート造り 直径43.2m オクルス 天の目 直径8.9m 大地が女体
     
    中世 イスラム教 コルドバ 後ウマイヤ朝 バグダードに次ぐ世界第二の都市
     キリスト教徒のレコンキスタ(国土回復運動)により 1479年スペイン王国成立
     メスキータ(=モスク)中心部にキリスト教大聖堂建設 
     宗教建築に向かうのではなく メッカのカーバ聖殿にのみ向かい祈る
     
    広島平和記念公園 記念館
     1942年 丹下健三 残骸の原爆ドームに向かう主軸
     1942年 大東亜建設記念営造計画では富士山麓 主軸を霊峰富士山頂に向ける

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    2026年09月30日
  • 建築から見た日本古代史

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    建築から切り込む斬新な歴史叙述がおもしろかったです。が、論理が飲み込めないところがありました。申し訳ありません。

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    2022年04月25日
  • 伊勢神宮の謎を解く ──アマテラスと天皇の「発明」

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    ネタバレ

    20141024-1104 伊勢神宮の成立過程から国家神道として規定され戦中に利用されていくまでをたどっている。個人的には、古代日本における伊勢神宮のあり方と斎宮制度が規定された時代背景の方が興味があったので読んでみた。後半は時系列を負う感じで、駆け足な感じ。石上神宮との関係などももっと知りたかったな。

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    2014年11月07日
  • 伊勢神宮の謎を解く ──アマテラスと天皇の「発明」

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    伊勢神宮がどんなところか調べたら、その歴史を知りたくなった。

    丹念な研究、緻密な分析に基づいた大胆な推論が展開されて、とても刺激的だった。

    今度は、古事記、日本書紀、古代史について詳しく知りたくなった。

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    2011年07月30日
  • 神社霊場 ルーツをめぐる

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    神社や霊場のルーツは建物などではなく、山・川・岩・海など自然の依り代であることを、現地に行って確認してきたという本。
    著者は、割と「雨男」なのかも…というのが感想。

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    2010年01月31日
  • 神社霊場 ルーツをめぐる

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    アニミズムに根差し、万物に霊魂が宿っていると考えて、日本の霊場神社22か所を紹介したもの。北は恐山、南は斎場御嶽、古神道のルーツ・三輪山大神神社に兵庫・生石神社などを紹介。自分が行った経験のある場所が12。想像は膨らむばかり。

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    2009年12月18日