【感想・ネタバレ】伊勢神宮の謎を解く ──アマテラスと天皇の「発明」のレビュー

あらすじ

日本全国の神社の筆頭に君臨する伊勢神宮。しかし、その成立の背景には、さまざまの「謎」がつきまとう。伊勢神宮の誕生は、はたしていつだったのか。大和の王権がなぜ伊勢に最高神をまつるのか。当初そこにまつられた国家神とは何か。皇祖アマテラスはなぜ「発明」される必要があったのか。そして、心の御柱と神鏡という二つの御神体が共存するわけとは……本書では、こうした難問を、列島における神話と神社誕生の根源にまでさかのぼり、あざやかに解き明かす。

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Posted by ブクログ

最初は少々だるいのだけど、後半はぐいぐい惹き付けられる。なぜ伊勢なのか、何故外来神のタカミムスヒを祭っていた伊勢がアマテラスを祭るようになったのか、なぜイザナギ・イザナミという親がありながら、アマテラスが皇祖になったのか(親があるならその親が皇祖のはず)、そして皇祖神としてのアマテラスがなぜ伊勢にまつられているのか、なぜ一度途絶えた斎宮が天武・持統で再開されるのか、古事記・日本書紀の記載になぜ齟齬があるのか、平易な文で丁寧に検証しながら仮説を展開していく。すっ飛んでてもう少し説明がほしいところもあるが読み物としても面白い。天智、壬申の乱、天武・持統の時代に興味があるひとにもオススメ。天智・天武が同父母兄弟という記載に以前から唱えられていた異論に関連もある。明治維新の廃仏毀釈に通じるところも。神も仏も政治に利用してきた人間のたくましさよ。

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2013年05月10日

Posted by ブクログ

神道系の知識の参考にしたうちの一冊.
伊勢神宮の創立から目的まで,色々な角度から紐解いていく過程を含め楽しめた.

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2012年09月09日

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ネタバレ

 伊勢神宮の祭神、「天照大神」。しかし、その成立は微妙なものがありました。当初男神だったものが女神へ変わっていること、それも巫女の立場の人間が神に昇格する形のものではなかったか、と指摘します。古事記、日本書紀の記述やその後の宮中の記録を冷静に並べ分析すると…

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2011年09月25日

Posted by ブクログ

アマテラスが、皇祖神として「発明」され、伊勢神宮が、再スタートしたのだと説くもの。いや〜、面白かったです。

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2014年03月09日

Posted by ブクログ

伊勢神宮の成り立ちや背景を考察した本。

伊勢神宮はアマテラスを祭る日本最高の神社として有名ですが、その歴史的背景には天皇家の成り立ちと覆いかぶさる。皇祖神として、日本をまとめるため、神の血統としての天皇家の権威を高めるために存在するというところでしょうか。

アマテラスと並ぶタカビムスヒの太陽神との関係や壬申の乱、設立当時の大陸と日本の関係など興味深く読めました。

純粋に参拝できれと思います。神社のありようや存在意義は時代時代によって違うと思いますから。

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2013年05月23日

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日本は昔からアマテラスを最高神として祀っていたのではなく、外来の神であるタカミムスヒ(男性の太陽神)を祀っていた。当初、伊勢神宮はタカミムスヒのために創設されたが、ある時からアマテラスが最高神になっていく。しかも、皇祖神に。キーは壬申の乱で勝利した大海人皇子。

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2012年04月17日

Posted by ブクログ

どちらかというと、副題の「アマテラスと天皇の発明」の方が
内容をよく表していると思います。
予備知識なく読めるよう、丁寧に書かれています。
日本の成り立ちについて、興味が持てます。

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2011年08月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

20141024-1104 伊勢神宮の成立過程から国家神道として規定され戦中に利用されていくまでをたどっている。個人的には、古代日本における伊勢神宮のあり方と斎宮制度が規定された時代背景の方が興味があったので読んでみた。後半は時系列を負う感じで、駆け足な感じ。石上神宮との関係などももっと知りたかったな。

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2014年11月07日

Posted by ブクログ

伊勢神宮がどんなところか調べたら、その歴史を知りたくなった。

丹念な研究、緻密な分析に基づいた大胆な推論が展開されて、とても刺激的だった。

今度は、古事記、日本書紀、古代史について詳しく知りたくなった。

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2011年07月30日

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