北岡孝義のレビュー一覧
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スウェーデンに関する新書2冊目。この書ではスウェーデン政府の「国民の家」としての機能に着目している。WW2後、戦後女性の雇用を押し出したスウェーデンでは伝統的な家族のあり方が失われ、社会は喪失感、不安に襲われ自殺率は急増した。そこで政府が子や年配者の世話をする「父親」の役割を果たし、社会保障を充実させる事でこの問題を解消したという経緯がある。すなわち福祉社会が女性の雇用を推進したのではなくその逆で、女性の雇用によって従来の形態が崩れた事が、福祉社会というスウェーデンの今ある姿を誕生させたのだ。私は日本人の若者の自殺率の高さは就職や老後での先知れぬ不安にあると思う。スウェーデンはその不安をセーフ
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最近スウェーデンという単語を何となくよく耳にしていて、どんな国なんだろうという興味から、読んでみた。
スウェーデンというと、税金が高く、社会保障が充実している国というイメージだと思う。
本書はその根底に何があり、なぜそうなっているのかを教えてくれる。
「国民の家」という理念の元、全ての国民を国家の家族と考え、全員に「安心」を提供することを約束する。
それを実現するべく考え抜かれた、持続可能な政策。
「持続可能」という意味は、国民に、短期的な利益でなく、予測できる20年後、30年後の未来を提示するということだ。
(考えてみれば、安心を得るためには「予測が立つ」ことが一番大事だ。)
そして、そこか -
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日本人が学ぶべきは、スウェーデンの個々の具体的な福祉政策ではないことに、本書を読んで納得。
将来をどうするかの国家理念、政治の透明性や情報公開の在り方など、国民と政府の相互信頼という根幹が日本に欠落していることは衆目の一致するところだと思うけれども、対照的に、スウェーデンでは何事を進めるにあたっても理念が徹底的に議論される点や、政治家が国民のために働く仕組みができあがっている背景といったことが、表層ではなく歴史や社会の全体像から分かりやすく解説されている点がとても参考になった。
また、H&MやIKEAの企業戦略や、国としては環境、CSRにおいて世界トップレベルであることも、戦後の高 -
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ネタバレ他に類を見ない、独自の社会・政治システムで現代を生き抜いていくスウェーデンについて総合的に書かれています。
内容は、スウェーデンが現在の状況に至るまでの歴史的流れや、頻繁に取り上げられる社会保障システム、スウェーデン企業のスタンスや、政治指針など、総合的内容が素人にもわかりやすく説かれています。スウェーデンは移民問題に直面していますが、世界規模で先進国が高齢化社会に突入し、経済が低迷下する中で、古くからいかにプラグマティックに問題に取り組み、それを支えるための情報の透明性の維持を重視し、なにより政治への国民の信頼を大事にしてきたことで、極めて柔軟に時代に適応してきたかが本書を通して論理的によ -
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福祉大国で有名なスウェーデンがなぜ成功しているのかをわかりやすく紹介してくれる。
成功に至るまでにあった問題などもわかりやすく提示してくれているので、マイナス面もきちんと書かれているので信ぴょう性が高い。
高福祉高負担を国民が受け入れることができた理由は、国民が国を信頼できていること。そのために徹底的な透明性を実践している。
福祉政策の持続可能性を国民が信頼できているからこそ、国民が安心感を持つことができ、その安心感が消費増大に繋がりよい方向に回っていくという仕組みには納得であった。
キーワードは、国の理念と国への信頼感、福祉の持続可能性である。
残念ながらどれも今の日本には無いのだけれど。 -
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世の中は「アベノミクス」で好調に見える。2020年のオリンピックも東京招致が決まり、世の中は景気回復への期待に満ち満ちているようだ。
しかし、「経済」という視点から冷静に見るとまったく違った風景が見えてくると本書を読んで思った。
そう考えるには1980年代末から1990年のバブルの狂乱とその後のバブル崩壊を思い出すからである。
あの当時の世の中に氾濫していた「いけいけの空気」「止めどもない楽観の風潮」が、現在と重なるように思えるのは私だけだろうか。
では、その後の「崩落のような経済風景」もかつてのように繰り返されるのだろうか。
本書は「デフレは貨幣的現象かどうかは難しい問題である」 -
Posted by ブクログ
高負担、高福祉で有名な、スウェーデンについて書かれた本。
なかなか、面白いですね。
#以下かなり個人メモ
ただ、若干掘り下げが少ないand/or結論で、そうかな?~というとこもあったような。
政府が、高負担、高福祉の基本的考え方「国民の家」や「女性の就業率」を掲げて推進し、実際にそうなったようです。
気になったのは、この辺が、推進しているので浸透したって感じで、結構簡単に言われていいる点。
しかし、日本政府が推進しているものはたくさんあると思いますが、そこまで浸透してないような。。
この理由として、(国の)「理念とビジョン」の作成と「情報公開」を上げていました。
確かに必要&日本に欠けて