斉須政雄のレビュー一覧
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毎日やっている習慣を、他人はその人の人格として認めてくれる
静かなるものは健やかにゆく。健やかなるものは遠くまでゆく。
やれたかもしれないこととやり抜いたことの間には大河が流れている
怒ったらいけない。何かの間違いだよ。それか、よほど困ったことが起きたんだ
中途半端な孤独がいちばん始末が悪い。という言葉は、ほんとうだと思います。完全に誰にも相手にされない時には、相手にしてもらいたいとか、せめて目の前にある花を大切にしてあげたいとか、そう考えられるものでしょう?
愛しているものがあったら自由にしてあげなさい。もし帰ってくればあなたのもの。帰ってこなければはじめからあなたのものではなかったのだ。
何をやったかよりも、やらなかったことが今に至っていると思います。策を弄していたとしたら、手に入らなかったであろうものが今の僕にはとても大事な財産になっています。 -
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ごちそうを作る人の美味しい本だと思って読み始めました。
違いました。
生き様の本。
そして、人種差別されることを経験した方の回顧録でした。
差別する国に行かなければわからない感覚…
想像するしかないですが、すばらしいレシピと、そして差別する国の中にいながら差別しない人たちとの交流エピソードが、差別する世界の寒々しさを、むしろ際立たせていました。
吉野朔実先生の読書案内本で知りました。
コート・ドールでの食事は叶いそうにないですが、斉須シェフのような方がいるかも!といろんなレストランに行ってみようと思います。
1992.2.10初版
2013.10.10第7版
2021.3に古書店で購入 -
Posted by ブクログ
ネタバレ10年以上前に『ほぼ日』でその一部が連載されていた、
オーナーシェフである斉須政雄さんの仕事論の本です。
職人さんのイメージによくあるような、
「不器用さ」というものも、斉須さんには感じました。
しかし、そういった不器用な生来の性分の範囲内にとどまり続ける人ではなくて、
消費者の身になって考える「商人」と、
生産者の側になって考える「職人」とのふたつの違う立場を
往復しながら仕事をされているという器用さも身につけられている。
そして、そこに至った経緯というか、そうなった経験というかが、
フランスに修行に出た時代を中心とした回想録によって明らかになる。
激しやすいところのある著者がなんとか適応しようとしているさまや、
うまくいかなかった中で学んだこと、見本となる人ならない人から学んだこと。
そうして培われた、机上の論理ではない肌感覚での知恵や知識を
ぞんぶんに本書では語ってくれている。
人によってはそこに共感を感じたり、
なんとなしに意識していたことが言葉になっているのを見つけたりすることでしょう。
ぼくにとっては、批判や叱咤と感じる言葉がけっこうありましたし、
著者の考え方のなかには、たとえばぼくの親父の持つ、
ぼくとは合わない考えと似たようなものもあり、
始終気持ちよく読める種類の本ではなかったです。
それでも、ぼくのいいところは、反対意見や対立意見も、
一応、身体の中にいれてみて、それからなじむかどうか見たり、
折衷案も作りだしたり、自分を変化させたり、
それらが無理ならはきだしはするけれど留保意見として、
あたまの片隅に取っておいたりするところなんです。
「ただただ仲良くしたいなんて思ってるヤツは、
みんなに体よく利用されて終わってしまいます」
「相手に不快感を与えることを怖がったり、
職場での付き合いがうまくいくことだけを願って
人との友好関係を壊せないような人は、結局何にも踏み込めない無能な人です」
こういった言葉がぼくにとっては突き刺さる言葉で、
「あいたたたた・・・」と呻いてしまいます。
こういう言葉・考えを知ると、
ぼくのあまちゃんな部分がほんとうにどっしりとわかるのです。
ぼくはよく言えば利他的ですが、シビアにみると、
無能でみなに利用されるタイプなんだろう。
ちゃんと自分の利益についても考えようと、
『GIVE&TAKE』という本を読んだ時にも思ったなあ。
利他的なところはちょっと直らないし、
それはほんとうに悪いというものじゃないと思うので、
そこにどう自分を大事にする行動や自助の行動を付与して、
利他でありながら自分もハッピーなWIN&WINにするかです。
仕事などで仲良くするのも大事だけれど、
第一義にしないことなのかもしれない・・・。
そういった本書の考えを知ったことで、
これからの生き方、それも働く姿勢に関して、
いろいろと試したり考えたりする足がかりができたような気がする。
奮起、反省など、よりよくなろうとする人にはうってつけの仕事論の本です。
語りを文章起こしにした本ですし、著者の語彙もなかなかのものなので、
おもしろく読めました。 -
Posted by ブクログ
本書は佐久間宣行氏が「メンタル回復本」として紹介されていた。20年ほどずっと読んでいて、熱い気持ちを取り戻したい時にいつも読み返すそうだ。どの部分が佐久間氏の胸に響くのか想像しながら楽しく読めた。
以下、本書より抜粋。
「『テリーヌは何度で何分でしょう?』そういう小賢しい基礎知識を掘り回す人を見るとちょっとむっとしてしまいます。そんなことないよ、試してみなければわからないじゃないか。結果が良ければそれが最高のテリーヌの作り方なんだ。最高の旨味を出してあげることが素材に対して1番丁寧で敬意を払うことになる。テリーヌのジューシーのおいしさを、僕なりに出そうと思っているのです。」
「その時々の素晴らしいメートル(恩師)と並走しているときには、案外自分でもできるのではないだろうかと思ってしまうものです。しかし、うまく並走することができているのは、隣にいる恩師が見えない微調整をしてくれているからに他ならないのです。」
「愛しているものがあったら、自由にしてあげなさい。もし帰ってくれば、あなたのもの。帰ってこなければ、はじめからあなたのものではなかったのだ。」