ネヴィルシュートのレビュー一覧

  • 渚にて 人類最後の日
    読みたいと思いつつ後回しにしてた一冊。
    評判通り素晴らしい小説でした。カテゴリ的にはSF小説に分類されてると思いますが、率直に言ってもったいないですね。
    SFというだけで敬遠されることも多いでしょう。この本は普遍的で大切なメッセージが込められているので、もっと広く受け入れられるような土台があればいい...続きを読む
  • 渚にて 人類最後の日
    初シュート。人類滅亡もの。WW3の核使用に伴い、北半球から放射能汚染による死滅が始まる——徐々に死にゆく過程が泣かせます…こういう読後感の翻訳ものは個人的に珍しいなぁと。昨日までは何でもなかったのに、ある日突然襲われる放射能の恐怖。死が近づくにつれ、今まで表に出てこなかった人間性が顕著になり、大変興...続きを読む
  • 渚にて 人類最後の日
    人類存続の希望をめぐる海洋冒険小説、かと思って読み始めたら、なんか日常(ぜんぜん日常ではないのがだんだんわかるものの)パートが長いな...→完全にそっちがメインの話で好みだった。

    絶対に全員死んでいる何ヶ月後かに咲く花を植える、これから伸びる枝の話をする、就職のための習い事を始める、
    絶対に全員死...続きを読む
  • 渚にて 人類最後の日
    読み終わった後にしばらく落ち込んでしまった。
    何年か前にこの原作と知らず映画で観たような気がすけれど、2012かエンドオブザワールドかどうかは思い出せない。

    今の日常がいかに希望に溢れて幸せなのか改めて思い、家族を大切にせねばと心に密かに誓う。

    物語の最後の方は読むのが辛かった。半年前とかはまだ...続きを読む
  • 渚にて 人類最後の日
    核戦争後の地球、北半球では既に1700発にも上る核兵器とその放射能によって人類は全滅したと思われ、南半球こそ被害は少なかったものの、放射能は赤道を超えて徐々に汚染の範囲を広げてきている…。

    人類滅亡前日譚という、絶望を伴った暗いテーマの小説。ずいぶん昔、多分中学生の時に抄訳を読んだ記憶があるのだが...続きを読む
  • 渚にて 人類最後の日
    北半球の人類を死滅させた放射能が刻々と迫る中、恐慌や暴動とは離れた観点で、物語はゆっくりと進行する。
    一縷の望みをかけて出航した原子力潜水艦、そこからどういった驚愕の展開を見せてくれるのか、これから何が待っているのかと期待していたのですが、これはかなり良い意味で裏切られました。
    ゆっくりと静かに終わ...続きを読む
  • 渚にて 人類最後の日
    文庫版の裏表紙に書かれている本書の紹介文は下記の通りだ。

    【引用】
    第三次世界大戦が勃発、放射能に覆われた北半球の諸国は次々と死滅していった。かろうじて生き残った合衆国原潜”スコーピオン”は汚染帯を避けオーストラリアに退避してきた。ここはまだ無事だった。だが放射性物質は確実に南下している。そんなな...続きを読む
  • 渚にて 人類最後の日
    時はただ過ぎるというのを切に感じる一冊です
    読後に後悔も喜びもなく自身に落とし込むのみなのを感じます
    とてもすてきな一冊でした
  • 渚にて 人類最後の日
    淡々と迎える最後の日について。あらすじではアメリカに生存者が?という部分が書かれていたので、そこがメインのものかと思いましたが、そうではなく緩やかに、しかし確かに訪れる最後の日を各人が迎える話でした。パニックに追われるのではなく、こういう終わりを迎えられるならある意味救いだなと思った。タワーズ艦長と...続きを読む
  • 渚にて 人類最後の日
     核爆弾の多く使われた第三次世界大戦後の世界を舞台とする、とても静かで穏やかな小説でした。人間の世界の終わりを前にした人々の行動が描かれ、それがこの小説を単なる近未来SFではないものとしていると思います。
     故郷の家族の元に帰ることを願う潜水艦の艦長、家族を支える潜水艦連絡士官と現実逃避しようとする...続きを読む
  • 渚にて 人類最後の日
    逃れられない終末に向かう人々の強さに胸を打たれる。自分がこの状況に立ったとき、果たして同じような強さを持てるだろうかと考えさせられた。 終末の美学と言うのは軽率かもしれないけれど、この世界とこの世界に生きた人たちはただただ美しく感じた。
  • 渚にて 人類最後の日
    世界がゆっくりと終わっていく。打開策も超展開もなく、ただ終わっていく。それだけの話なのに、なぜか心を掴まれた。映画を観ているかのように、ひとつひとつのシーンがありありと目に浮かんできた。
  • 渚にて 人類最後の日
    バーナード嬢曰く。で、神林しおりが海で読んでいた本なので読みました。
    終末を描いた作品。絶対に人間が死に絶えるとわかっている世界を、軍人とその家族、そしてその家族を取り巻くまた別の家族のやり取りの中で綺麗に描いている。

    人類最後の日が来る中で、愛車に乗って愛車を走らせて死にたいと思う男や、人類最後...続きを読む
  • 渚にて 人類最後の日
    心がシンとするような、静かな物語。
    人類の終末において、一人ひとりが、死を自分事としてゆっくりと受け入れていく様が丁寧に描かれている。
    いつどんでん返しがやってくるのかな、と淡く期待していたけれど、来る日はまっすぐにやって来た。

    未来に思いを馳せて予定を作る人、一縷の希望に背中を押されて航海する人...続きを読む
  • 渚にて 人類最後の日
    ずっと気にはなっていた一冊。
    あらすじからだと、どんだけパニック&アクション&スリル満点でしんどい内容なのかとか思っていたけれど、予習に読んだ「パイド・パイパー」で、やかましい小説を書く人じゃないんだなとか安心したので、いざ読んでみたら、悔しました…。
    あー…、駄目だコレ名作だわ(笑)
    人生後半、余...続きを読む
  • 渚にて 人類最後の日
    最期を迎える時に、人間はどう振る舞うのか。
    結局人間というのは何かせずにはいられないから、日常と同じように行動するのだなとつくづく思った。
    自分だけは大丈夫、自分だけは死なないという漠然とした思い上がりは、津波やフクシマのことを考えさせられる。
    現実逃避というよりも、残された日々を幸せに過ごしたいと...続きを読む
  • 渚にて 人類最後の日
    久々のSFの名作を読んでいる実感を得る。
    70年代のSFに付き、もはや古典?

    「核廃絶」
    「自己の職責を全うできるのか」
    「どのような人生を終えることができるのか」
    がテーマなのか。

    任務途中で、放棄し、故郷付近で、故郷で全うするシーンに衝撃を受ける。
  • 渚にて 人類最後の日
    登場人物が少ないので誰が誰と惑わなくて済む。
    ソ連が出てくることから昔に書かれたものだとはわかる。
    今は核戦争の脅威が高まってるけれど、この話は核戦争のあとの話。
    死ぬまでもがき苦しむ風でなく、きれいに自決するのが最後なのであっさり終わっている。
    世界中がこのように自決したから全体の印象も綺麗なまま...続きを読む
  • 渚にて 人類最後の日
    核戦争後に、人類が最後の日を迎えるまでの生活を描いた話。
    核戦争というワードを除けば、ただの日常を描いた小説。

    しかし、そんな中にも迫る放射能と闘う人間の葛藤があって面白い。私も、最後の日がいつと分かっていてもいつもの日常が送れるだろうか…
  • 渚にて 人類最後の日
    時折挟まれる、ゆっくりだが確実に迫ってくる滅びの描写がよい。
    そして、滅亡を受け入れつつも残りの人生を精一杯生きようとする人々の様子もよく書かれていた。
    そこが少し冗長に感じる部分でもあったが。