永井荷風のレビュー一覧

  • 日和下駄 一名 東京散策記

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    これを書いた当時永井荷風は35歳だったわけですが、文章読むと、もう60越えた老成した人が書いてるような貫禄が漂っててビックリしましたね。
    記載されてる内容についても、今の東京に当時と同じように残っている風景、消えてしまった風景とそれぞれあり、当時の荷風と同じ感慨に私もひたれる、面白い読書でした。

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    2017年11月02日
  • ぼく東綺譚

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    東京の下町を夜歩きする話。
    表紙のあらすじだと、私娼のお雪との話が主題にように見えるが、どちらかというとそういった印象を持った。
    第二次世界大戦が起こる三年前に書かれた話で、当時の町の様子がよくわかる。話の最後の方に書いてある、世の中に対する批評があまり今と変わらなくておかしい。
    永井荷風はよく町の中を彷徨っていたらしい。解説に紹介されていた、永井荷風の日記「断腸亭日乗」も読んでみようと思った。

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    2016年11月09日
  • ぼく東綺譚

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    川端康成の「雪国」に似ている。
    今に生きる私の感覚からすると、昭和初期の匂いのする場末の私娼と初老の私の話。

    初老の私は作家、取材に行った先で私娼のお雪と知り合う。その彼が平凡な人生を生きてきた初老の男性が退職金を持って、かつての女中の元に出奔する話を書く。そして、さらに著者の永井荷風がいる三重構造で不思議感はある。

    職業柄男性が訪れ立ち去る女性なのに、自分との馴れ初めを覚えていることから自分を好きではないかと勘繰るところなど男性はいつの時代も変わらないと思った。それに対して女性側も最終的には結婚を匂わせるところも変わらない。男女とは、いつになっても進化しないものなのかもしれない。

    印象的だったのが、そういう話をするときに、いつもは愛嬌に見えるえくぼが作った皺に見えるシーン。

    結局、最終的に、結婚の匂いが漂いだしてから私はお雪の元に通わなくなる。結婚する気もなく通った自分、その気持ちを詫びたいと思いながらできぬ自分をお雪の気持ちを持て遊んだ悪者と感じるシーンがあるが、これも男性特有の勘違いではないかと思う。時代の違いはあるかもしれないが、結局、こういう職業を選ぶ女性は誰にでも思わせぶりな態度をとるだけで、「あの客、来なくなったわね」位しか思ってない可能性が高いのではないかと思った。

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    2016年07月26日
  • 日和下駄 一名 東京散策記

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    荷風ぶらぶら散歩譚。まずは30代で執筆されたとは思えない、頑なに古き東京の景色を愛そうとするその頑固で老成した姿に驚かさせられる。大戦景気が正に始まらんとする大正初期、誰もが色めき立って駆け足になる時代に荷風は独り散策を続け、見落とされた風景、見捨てられた路地に偏愛を注いでいた。『濹東綺譚』の時と同様、声に出す事で趣がより高まる日本語の流れが素晴しい。速読が流行し効率性が重視される現代において、のんびりと景色を眺めながら散歩する歩幅の如くゆっくりと音読を楽しむ行為は、それだけで一つの態度表明たり得るのだ。

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    2013年08月15日