永井荷風のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
川端康成の「雪国」に似ている。
今に生きる私の感覚からすると、昭和初期の匂いのする場末の私娼と初老の私の話。
初老の私は作家、取材に行った先で私娼のお雪と知り合う。その彼が平凡な人生を生きてきた初老の男性が退職金を持って、かつての女中の元に出奔する話を書く。そして、さらに著者の永井荷風がいる三重構造で不思議感はある。
職業柄男性が訪れ立ち去る女性なのに、自分との馴れ初めを覚えていることから自分を好きではないかと勘繰るところなど男性はいつの時代も変わらないと思った。それに対して女性側も最終的には結婚を匂わせるところも変わらない。男女とは、いつになっても進化しないものなのかもしれない。
印象的だったのが、そういう話をするときに、いつもは愛嬌に見えるえくぼが作った皺に見えるシーン。
結局、最終的に、結婚の匂いが漂いだしてから私はお雪の元に通わなくなる。結婚する気もなく通った自分、その気持ちを詫びたいと思いながらできぬ自分をお雪の気持ちを持て遊んだ悪者と感じるシーンがあるが、これも男性特有の勘違いではないかと思う。時代の違いはあるかもしれないが、結局、こういう職業を選ぶ女性は誰にでも思わせぶりな態度をとるだけで、「あの客、来なくなったわね」位しか思ってない可能性が高いのではないかと思った。