小林節のレビュー一覧

  • 「憲法改正」の真実

    Posted by ブクログ

    改憲派と護憲派の憲法学者二人の対談形式による本書は、立件主義とは何かや、現政権の改憲草案の愚かさ、歴史認識の誤り、そして、私たち一人ひとりが憲法と国の行く末を本気で考えなければならないことを教えてくれる。
    自民党の改憲草案はとにかく怖い。これが憲法になったら、私は私でなくなるだろう。そう感じずにはいられない。個人を尊重し、権力者を縛る憲法はなくなり、代わりに、個人を殺し、権力者の暴走を可能にする怪物が産まれる。恐ろしい。
    あまり歴史には詳しくないので、フランス革命やナチスドイツの話、明治期の日本の話もとても興味深かった。先人が、長い歴史の中で、人が個人として生きる権利を闘いながら獲得してきたのだなと、改めてその恩恵を有り難く思う。だからこそ、今、闘わなければならない。私は、私にできることを通して、自分たちを守るために、この国の未来を守るために尽力していきたい。そんな勇気をくれる良書だった。

    0
    2017年11月25日
  • 「憲法改正」の真実

    Posted by ブクログ

    本屋で衝動買い。現政権が推し進めようとしている”憲法改正”のおかしさや危険性について述べている一冊。対談本なのでとても読みやすい。現政権がやろうとしているのは「帝国憲法の復興」ではなく「北朝鮮そっくりの独裁体制」という指摘は全く正しいと思う。

    0
    2017年04月13日
  • 「憲法改正」の真実

    Posted by ブクログ

    憲法改正に向けた動きが静かに進行し始めた中、改憲派、護憲派の重鎮がそれぞれの立ち位置を超え、自民党の憲法改正草案に潜む危うさを、平易に解説している。現行憲法に対する正しい歴史観を示し、改憲推進派が主張する押し付け憲法論を否定するとともに、草案が目指す危険な国家観を喝破している。'個人'から'国家'への重心の移動、'権力'に守らせるべき憲法から'権力'にて行使可能な憲法への意図を、草案から読み解いていく。本書で示唆されているように、主権者たる国民は、将来に対する責務として、'知る義務'を怠らない意識改革が問われている。

    0
    2017年01月13日
  • 「憲法改正」の真実

    Posted by ブクログ

    以前、ある方の「憲法は100年後の国家のあるべき姿を示した法律である」を聞いて、スッと腑に落ちた経験があるが、この本の「憲法は権力者が暴走しないように国民生来の権利等を定めたもの」である事もよく理解できる。
    それに比して自民党の憲法草案は、あまりにも国民を統制しようとする意思がミエミエである。
    さすがにすぐには戦前のような時代にはならないだろうが、秘密保護法や安保法のように着々と布石は打たれている。しかし多数の国民は平和ボケして改憲勢力を選択してしまった。戦前の国民もまさかあのような悲惨な戦争に突入するとは思っていなかったのでは。
    恐ろしいのは、まさかそうならないだろうと思う「茹でガエル」の状態である。今の安倍政権の危うさを、少しでも身近な人達に理解してもらう努力をしなければならない。

    0
    2016年08月14日
  • 「憲法改正」の真実

    Posted by ブクログ

    一般論としての「憲法改正」について語るのではなく、自民党の憲法改正案を、お二人の憲法学者が、詳しくかつ優しく、そして、その言葉の持つ意味について、初学者がわかる程度で解説している。

    お二人の立場は、改憲派、護憲派と異なるが、共通の認識は、憲法というものが持つ意味。
    憲法が誰を律するものであるか、誰の権利を保障するものかという外してはいけない根本原則。
    その意味ではお二人は、改憲派、護憲派というより尊憲派と言えると思う。
    そして、憲法を守るということは、多くの国民にとって非常に大事なことであると私も確信する。
    それに異を唱える者がいるとしたら、それはおそらく独裁的な権力によって、国民を支配しようと考える勢力であろうと、私は思う。

    私は憲法改正には反対ではない。
    硬性憲法であっても、作られたときとは時代も変わり社会も変わる。そして、国民が十分に検討し、過不足等不具合があると国民が認めるのであれば、改正するのは当然だと思う。
    しかし、憲法のもつ意味を変えることと、条文を変えることは全く違うことであり、自民党の憲法改変案は前者にあたるものであると思う。

    衆参両院の2/3を自民党等勢力が占める状態となった今、いつ自民党の憲法改編案が提出されるかもしれない今、その改編案の持つ意味を考え、自分の意見を持つために一度は読んでおいたほうが良い本だと思った。

    0
    2016年08月03日
  • 「憲法改正」の真実

    Posted by ブクログ

    〈自民党の改憲草案を貫く「隠された意図」とは何か? 護憲派の泰斗と改憲派の重鎮が、自民党草案を徹底分析。史上最高に分かりやすい「改憲」論議の決定版が誕生〉と紹介された新書です。一気に読み終えました。

    改憲をめざす勢力のロジックがどこにあるのか、明治憲法がその当時の最新の考え方を踏まえて検討され制定された事実と立憲主義に基づいた運営を貫こうとしていたこと等、 初めて知った事実や考え方が多くあり示されていました。新自由主義にもとづく経済政策を押し進められて貧困と格差が拡大していますが、自民党改憲草案には、国民の権利に関する制限はかけながら、経済だけ(それも大企業だけ)は規制しない方向(自民党案22条)が盛り込まれている条文があることにても驚きました。彼らなりの一貫性を把握しておくことは、反論と運動にとって必要なことだと思います。

    主権者としての判断が問われている今、多くの人に読んでほしい一冊ですね。

    0
    2016年05月18日
  • 「憲法改正」の真実

    Posted by ブクログ

    憲法とは、立憲主義とは、民主主義とは、、、
    今、投票権をもつ全ての国民が、知っていて当たり前のこと、考えておく必要のあること、を気づかせてくれる入門書的な一冊。
    私たちは、ものの起源や歴史から多くのことを学ぶことができる。国を愛するとは如何なることか、私たちはその責任を果たさなければならない。

    0
    2017年01月21日
  • 白熱講義! 日本国憲法改正

    Posted by ブクログ

    改憲派でありながら第2次安倍内閣が進める憲法解釈を違憲として話題となった小林氏の本。

    非常にラフな表現で書かれているわかりやすい本。
    たとえば現行憲法については「ぶっ壊れた中古車」「敗戦ごめんなさい憲法」と例え、改正の必要性を説いている。
    一方、「憲法9条を守るぞ」という左翼の訴えは根本的な間違いで、正しくは「憲法9条を守らせるぞ」だと指摘。なぜなら憲法は国民が守るものではなく、主権者が権力に守らせるものだから。
    9条改正については「侵略戦争は放棄するが、自衛戦争は放棄しない」というシンプルな条文としたうえで、海外派兵については「国会の承認と国連の決議」を条件とすることを提案している。これは、集団的自衛権の濫用を防ぐためだろう。
    衆議院・参議院の二院制については「時間と税金の無駄遣い」とバッサリ。
    憲法に愛国心を持つ義務を盛り込むことに賛同する人々に対しては「自分たちが主権者なのにわざわざご主人様、しつけてください!と言っているようなもので、ここまで来るとマゾである」と皮肉っている。
    また、巻末にはやはり2012年自民党改憲草案の条文に対する意見が書かれているが、全面的に否定しているわけではなく、条文それぞれについて著者のコメントが書かれている。

    0
    2015年07月30日
  • 白熱講義! 日本国憲法改正

    Posted by ブクログ

    なかなかためになった。

    「憲法」は、国家権力を管理するマニュアル(手引書)である

    9条に対する改正案
    ・侵略戦争は放棄するが、自衛戦争は放棄しない
    ・海外派兵の条件は、1:特定の国家からの要請ではなく、国際社会の意思としての国連の決議であること。2:さらには、その前提として、日本国の国会の事前承認が得られること

    憲法で道徳を語ると、法学ではなくなってしまう

    一番守られるべきものは13条である

    0
    2018年11月25日
  • 白熱講義! 日本国憲法改正

    Posted by ブクログ

    著者は憲法を専門とする法学部教授、所謂憲法学者。最近議論されている憲法改正の論点、そもそも憲法とはどういうものなか、そして民主党の憲法改正案に対して著者が改正だと思う点、改悪だと思う点について論じられている。いずれにしても、憲法について正しく理解した上での議論が重要なのは間違いない。

    0
    2013年08月31日
  • 白熱講義! 日本国憲法改正

    Posted by ブクログ

    口にするのもタブー視されていた頃から憲法改正を訴えていた憲法学者の本。
    憲法改正の論点をあげ、それぞれについてわかりやすく説明したあり、素人でも簡単に読めた。
    改憲のハードルが高いことや愛国心を憲法に入れることは間違いであることはよく理解できた。

    一方、「はじめに」では自民党の改正案の問題点を挙げるとなっているが、正しいところは認めている。
    著者は、現行憲法はぶっ壊れた中古車と銘打って、憲法改正には賛成しているというか当たり前と考えている。
    9条を楯に空想的なことを言っているようでは、自国を守れない。
    人権の本質を守りながら改正する。改正後も監視を続け、憲法論議を絶やさないことが重要と述べている。
    まさにそのとおりと思われた。

    0
    2013年07月15日
  • 白熱講義! 日本国憲法改正

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    懐かしい名前(大学友人にゼミ生がたくさんいた)を本屋で発見したので思わず購入。法学ド素人の自分にも読みやすく、参議院選前にいい勉強になった。コバセツって風貌から恐くて固いという勝手なイメージあったけど、意外とライトな文章を書いていた。

    論点を箇条書き。
    (1) 戦争の放棄
    ・空想平和主義の限界
    ・理想をとるか現実をとるか
    (2) 天皇
    ・国の顔が元首である
    (3) 新しい人権
    ・「環境権」「プライバシー権」「知る権利」
    (4) 権利と義務の関係
    ・利己的な人間が増えたのは、憲法が原因か
    (5) 二院制
    ・時間と税金の無駄遣い
    (6) 首相公選制
    ・決められない政治をどうするか
    (7) 憲法裁判所
    ・官僚的な裁判官に期待するな
    (8) 地方自治
    ・地域主権を認めると日本は解体される
    (9) 非常(緊急)事態
    ・大災害時には独裁体制で構わない
    (10) 改正手続き
    ・「改憲のハードルは高い」は嘘

    0
    2013年07月13日
  • 「憲法改正」の真実

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「改憲派」と「護憲派」と書かれているが実際は2人とも護憲派であり、反自民・反安倍色が強かった。少々口が悪い感じもしたけれど、自民党が強い現在の日本ではこのくらい強い口調で伝えた方がいいのかもしれない。本書を読んで、自民党の憲法改正草案を読んでみた。国防軍の表記、個人から人への表記の変更、天賦人権思想の否定、家族は互いに助け合わなければならない、改正手続き要件の緩和等々。少しぞっとしたし、それを国の最高法規である憲法にわざわざ書き込む必要はあるのだろかと感じた。法律対応でも事足りるなら、それを憲法に書き込むことで国民は縛られる可能性が出てくるのではないか。9条の2は大幅に加筆されていて、明らかに軍事色が強くなっていた。たしかに昨今の安全保障環境をみたら自国を自国で守れるような体制やルールを作っておくことは大事。だけどそれを憲法に書き込むことが怖い。私は憲法改正反対の立場になりつつある。憲法が実際に改正されたらどうなるんだろう。もっと勉強したいというよりかは、何か行動したいという気持ちが今は強い。

    0
    2026年05月17日
  • 白熱講義! 日本国憲法改正

    Posted by ブクログ

    現在の日本国憲法はアジア・太平洋戦争敗戦後の日本が、占領統治にあたったGHQに押し付けられた憲法という認識が一般的だ。確かに占領下にありながら、自分たちにとって都合よく、また再び戦争を起こしかねない危険な国の好きなように制定できるはずもなく、今や世界からも称賛される平和憲法は、このGHQの監修により出来上がった。そして以来日本は他国を侵略するような戦争を起こした事はなく、幸いにも日本の領土が戦禍に見舞われたこともない。但し、韓国による竹島占拠を除いてだ。日本国憲法は制定直後から改憲論が存在し、長年改憲派と護憲派による議論が度々なされてきた。私自身、平和な世の中を享受し、それを「平和憲法のおかげである」とそれに明確なる根拠を感じた実感は無いものの、現に平和が続いてきた状況を考えれば、それを変えることにより何かが変わってしまうかも知れないという漠然とした不安はある。だからと言って改憲に反対の立場でもなく、ただ単純に考えることを放棄していると言った方が妥当だろう。なお、自由民主党は結党当時からの目標として、この海外(GHQ)からあてがわれた憲法を廃し、自ら国民の手で憲法を作る、という事を掲げる。よって現在もなお改憲の意思を失わず、近年では安倍総理の時代に大きく話題として取り上げられることが多かった。本書もその様な社会背景で記載されたものである。
    本書は30年来改憲を主張してきた憲法学者である小林節氏による、改憲をテーマとした授業形式の様なスタイルで書かれている。憲法改正の大きなテーマである9条だけでなく、天皇制や新しい人権である「環境権」「プライバシー権」「知る権利」など憲法改正が必要とされる理由や日本国が置かれた背景についてわかりやすく示している。何よりも、そもそも憲法というもの、そのものの意義を改めて説明することで、誰のための記述であるかを理解してベースにすることで、その後の筆者の考え方をより理解しやすくしている。法律の話になると途端に難しい言い回しや、回りくどい言い方が出てきて、何となく煙にまかれる事が多いが、憲法が国家権力そのものを監視し統制するという基本的な考え方が頭にあると、確かに読み進めるのが楽になるだろう。
    憲法は全ての方の上位に位置する基本的なものであるとした上で(他の法律がその基本的な概念を覆す事ができない点)、余りにも細かい記述は頻繁な改正につながりかねないものの、自衛隊の役割などについては明確化されない事で、却って力の濫用に繋がりかねないリスクを孕む。政府による身勝手な拡大解釈や、本来そう読み取って然るべきところ、野党等による無意味な抵抗などの時間の無駄が生じない様、バランスの取れた改定であれば望ましいのではないかと感じる。

    0
    2025年08月14日
  • ファイナンシャル・フリーダム 経済的自由と人生の幸せを同時に手に入れる!

    Posted by ブクログ

    久しぶりにダメな本を選んでしまったという感じ。タイトルの通り経済的自由の重要性について書かれている書籍ですが、都合の良いデータだけを使って自説を主張しているので説得力がなく、スピリチュアル感があります。意識高い系の人のための読み物といった内容です。

    実際の主張自体はお金の重要性や複利の考え方など案外普通ですが、上述の通りなぜこのような主張になったのかというロジックがガバガバです。投資本というよりは中身の薄い自己啓発本に近い内容です。

    投資本が流行ってきたから質の低い書籍でもとりあえず翻訳しとけば売れるだろう的な魂胆が透けて見えました。なお、本書でも触れられていますが、原著での初版から時間が経っているとのことで書籍内で使われているデータが古いので要注意です(本書の主張の根幹には影響しないのであえてそうしているとのこと)。投資について学びたいなら他に同様の書籍がいっぱいあるのであえてこの本を選ぶ必要はないと思います。

    0
    2022年03月21日
  • ファイナンシャル・フリーダム 経済的自由と人生の幸せを同時に手に入れる!

    Posted by ブクログ

    お金持ちになるためのマインド本に分類されるかと思います。
    具体的なテクニックはほとんど書かれておらず、基本的で大事な考え方が分かりやすく書かかれてありますので、投資初心者向けだと思います。

    0
    2022年02月23日
  • ファイナンシャル・フリーダム 経済的自由と人生の幸せを同時に手に入れる!

    Posted by ブクログ

    洋書で読み終えた。書いてあることはシンプルでわかりやすいのだが、当たり前だけど、年金や金融商品がアメリカに住んでいることを前提にしているので、役に立つかというと微妙かもしれない。日常生活のヒントや生き方にも言及されているので、それは良いかも。Timing the market is impossible. Play the long game.

    0
    2021年11月12日
  • ファイナンシャル・フリーダム 経済的自由と人生の幸せを同時に手に入れる!

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    どことなく金持ち父さんシリーズのテーマと関わっている部分が前半には多いかなという印象。お金に対するネガティブな固定観念を払しょくし、ポジティブに富に向かう心構えの重要性を説いている。あとは、目標を掲げることとやり抜くぞという信念・自信を培うことの必要性を諭してくれる。

    こういった内容は、他の自己啓発本とかの内容とリンクしているので、真理ではあるのだろう、中々日々の暮らしに埋没している自分には取っつくのも億劫な内容ではあるが。このマインドがお金持ちへの道を閉ざしてるんだろう。

    後半の特に第12章「経済的自由の3段階」は具体性があり、今後の人生における数値化した目標を設定するのに役立てていきたいと感じた。
    第一段階:経済的予備
    月に必ず支払わねばならない固定費・必要経費(ローンや生活費、税金)などを、収入が無い状態でも6カ月-1年単位で賄えるだけの予備貯蓄。いわゆる、生活防衛資金といったところでしょうか。まずはこちらが貯まるまで倹約、質素な生活を心がけていきたい。

    第二段階:経済的保障
    この考えは自分になかったので、新たな発見。
    生活費を賄えるだけの投資資金を目標とする、利回りは少し抑えめに8%(十分高い気がするが)とし、必要出費月額×150=経済的保障額で計算する。
    果てしない金額になりますが、こちらはぜひともやり遂げたい。

    第三段階:経済的自由
    実現したい夢に向けた必要資金を決定、それまでの道のりを第二段階に計算した要領で決めてみる。

    後はメンター、パートナーの重要性をしきりに説いておりますが、こちらはまだまだ周りには思い浮かぶ人がおりませんので、今の段階では私淑でしょうか。

    0
    2021年09月23日
  • 「憲法改正」の真実

    Posted by ブクログ

    小林節氏は「改憲派」だったが、今の自民党の改憲論には反対の立場らしい。二人とも今の安倍政権に危惧している。かといって、期待できる野党もなく、こまった状況ということがわかった。

    0
    2019年01月20日
  • 白熱講義! 日本国憲法改正

    Posted by ブクログ

    立憲主義とは国家の統治を憲法に基づき行うという原理である。国家は個人の基本的権利を保障するための機関であり、国家権力は権利保障と権力分立を定めた憲法に従って行使される。それにより政府は憲法の制約下に置かれることになる。憲法の憲の意味は基本的な掟という意味なので日本国憲法は主権者である人民が権力を付託した政府に対し憲法に従って運営するように縛りをかけている。立憲君主制であれば、君主の行動は憲法によって制限をかけられているわけだ。

    大日本帝国憲法を作った伊藤博文は主権者である天皇が臣民たちの意見を聴いて合議制で決める、つまり議会制民主主義を立憲主義であるとした。大日本国憲法は代々の天皇の意向で現人神である天皇から日本臣民に下げ渡すと言う建てつけになっていた。臣民からなる政府は縛られるが、その主体は臣民ではないということだ。

    アメリカから押し付けられたと言う批判もある日本国憲法だがそれでも主権者は人民なので総意により憲法を変えることはできる。憲法は神聖不可侵、なものと考えるとおかしなことになる。「憲法が主で、私たちのほうが僕であるように思い込んでいるのではなかろうか」時代に合わなくなった部分は主権者である私たちの総意で変えればいいのだが、護憲派-一般には9条を対象としている-は他の部分であれ憲法を変えることができると9条を変えるハードルが下がると反対しているのだろう。

    憲法学者であり、改憲派の小林氏からすればそもそも「憲法を守るぞ!」と言ってるのがおかしいとなる。改悪から守る(擁護する)と言う文脈には理解を示しながらも「(国家権力に)憲法を守らせるぞ!」と言わないと主権者と国家権力の立ち位置がわからなくなってくるという事を危惧しているのだ。「(我々は)憲法を守る(遵守する)ぞ!」と刷り込まれないように。六法と一括りにされているが国家が国民を管理するための法律と憲法は同列でもなければ機能も違う。

    憲法も法である以上現実を前提に書かれなければならない。そうでなければ機能しないと言うのが小林氏の主張で、憲法には理想を書くべきと言う護憲派とは一線を画す。ただし目標としての理想を掲げることは否定していない。和をもって尊しとする十七条の憲法にはある意味では道徳が書かれているのだがこれが憲法=道徳と全国民に刷り込まれ憲法観が狂わされる現認になっているのではないかと言うことだ。

    後半では2012年に発表された自由民主党の改正草案について言及している。視点としては国民的合意が成立しているか、新しい価値観に対応しているか(例えば環境保護、知財権や個人情報保護)など。例えば第十九条「思想及び、良心の自由は保障する。」なんてことのない文に見えるがこれはXだと言う。誰が誰に何を保障するのか?国は国民の権利を侵してはならないでなければならない。

    改憲論者の小林氏が厳しく批判するのは第百条の「改正」。改正の条件を過半数に緩和することは硬性憲法の根幹に関わる。改憲論者に条件緩和への賛成者が多いようだが、 自分の意見と異なる方向の改憲に対しても緩和されているということをもっと想像してみるべきだろう。想像してみればいい、鳩山由紀夫が自らの政治信条に基づき憲法を改正したらどうなるかを。

    0
    2015年10月15日