小林節のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
(2013/6/13)
護憲派が圧倒的に多い憲法学者の中にあって、敢えて改憲を唱える著者、
その理由の一つを慶應出身としている。反権力の気風。なるほど。
そして著者の唱える改憲論は極めて妥当。
今の自民の作戦の96条改正には批判的。
どうどうと9条改正で自衛戦争を認めよ、天皇を元首にせよと訴える。
そして一番肝心なのは、憲法は他の法律と違い、
国家権力を管理して国民の人権を保護する目的を持った法だということ。
自民案はどうもそのあたりをはき違え、国民にあーせいこうせいと訴えている。
確かに国にたかる輩は排除すべきだが、それと憲法を一緒にしてはいかんということ。
家族とは何ぞや云々も、気持ちはわかるが国に押し付けられるものではない。
「9条を守るぞー」というシュプレヒコールはおかしい、と著者。守らせるぞーが正解と。
なるほど、学者から見るとそうなる。
このあたり、自然。
私も改憲肯定派。
そもそも旧かなづかいの憲法のままであること自体おかしい。
もっと読みやすく、かつ時代にあった内容にするのは必須。
ただ、著者の地方分権に対する考え方は疑問。
日本でそれをやると国がバラバラになる、と道州制に否定的。
道州制はサービスの向上が目的のはず、と書いているが、それは履き違え。
地域地域が自分の判断で経済を成り立たせることに狙いがあるのは大前師匠の弟子としては当然のこと。
橋下氏もそのために憲法を変えようとしている。
そういうわけで改憲は一筋縄にはいかない。
だがまあ、「とにかく護憲!」という人は少数派になったような気はする。
今はそれで良しとするか。
それにしても既得権益の塊なのか、日本は変わらなさすぎるなぁ、、、これも風土なのか、、、。
第1章 いざ! 日本国憲法改正[憲法改正の論点〕
第2章 いまさら聞けない、「憲法」とは何か?
第3章 改憲論の本丸は、ズバリ、9条改正だ!
第4章 憲法に「愛国心」を入れるのは筋違い
第5章 大統領制を導入すると天皇制がなくなる! ?
第6章 一番守られるべきものは13条である
第7章 自由民主党「日本国憲法改正案」は良薬か?毒薬か?
巻末付録 日本国憲法
それにしてもこのちんけなタイトル、、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ自民党てなんで憲法改正てなんでするの?
憲法て難しい。
そんな疑問があるかと思いますが、その疑問を解決するのがこの本だと思います。
内容は憲法についてと自民党の憲法改正の裏側をなどを語っています。
正直言うとかなり恐怖です…
特に自民党の世襲議員の憲法に対しての知識のなさや大物議員の高市や片山さつきのとんでも発言…
読めば読むほど恐怖と唖然する。
小林節さんが呆れる理由がわかります。
(妖怪の孫でも小林節さん出てます)
また、自民党改正案と日本国憲法を比較しながら、わかりやすく語っております。
さらによく話題になる緊急事態条項もなぜ危険なのかもよくかかれています。
憲法改正の議論はどうしても法や憲法知識が必要です。
ある程度知識はこの本だと身につくと思います。
憲法について考える上で、ぜひ、読んでみてください。
また、映画妖怪の孫もみてみてください。
憲法と国家のあるかたを考えると思います。 -
Posted by ブクログ
憲法は一般的に国会で作られている法律と異なり、その上位にあるものであることを改めて認識できた。
なんとなく知っているつもりでもそれができた経緯や世界での考え方について歴史から説明があって理解しやすかった。
この本は護憲派と憲法学者と改憲派として自民党の憲法勉強会に何度も呼ばれていた憲法学者の2人の対談で読みやすかった。
改憲派の方も自民党の憲法に対する認識を目の当たりにして今の政権には改憲してほしくないと反対に回ったのだそう。
憲法は権力者が暴走しないように制限をかけるために作らることが世界的にも多数派である中、自民党は自分たち権力者に対してはその制限を軽くして、さらには愛国心(現在の草案では国ではなく家族を対象に変えているが)など道徳的価値観を憲法に入れることで国民を縛ろうとしている。
1つの道徳心で国民をしばるのは人それぞれの価値観でダイバーシティが謳われる世の中の流れからは逆らっている。
中でも2人が声を揃えて問題にしているのは「個人」 →「人」へと表記が変更されたことだ。素人の私にはたったそれだけのことで、何の意味があるのかわからなかったが、2人が言うには、犬や猫などの動物ではない人として尊重される程度で一人一人の個人として、それぞれの人の価値観を尊重するわけではない。つまり個人の価値観よりも、家族のためや日本古来の伝統を守るように憲法で縛られてしまうことがありえるのだそう。
草案は何度も修正されて、自民党の改憲派の真意はわかりにくくなっているが、最初の方から関わっていたからこそ知っている改憲派たちの本音(事実や最初の憲法草案などからの推測にはなるが)がを知ることができた。
世界的な多数派の意見が正しいというわけではないが、個人的には、価値観の多様性を認め合いながら個人を大切にしあえる社会であってほしいと切に願う。 -
Posted by ブクログ
2015年6月の衆院憲法審査会。参考人として呼ばれた憲法学者3人
が3人とも、戦争法案は違憲であると明言した。
自民党推薦の憲法学者の先生までが「違憲だ」としたものだから、激
高した自民党・高村センセイのお笑い発言まで飛び出す始末だった。
「たいていの憲法学者より私の方が考えてきたという自信はある。」
この「考えてきた」というのは、「そもそも憲法とはなんたるものか」では
なくて「どう変えたら自民党に都合がいいかな」の「考えてきた」なのじゃ
ないのですかね。
福島第一原発事故の際に時の首相・菅直人が「僕は原発に詳しいん
だ」と言ったくらい恥ずかしい発言だわ。
その問題の(?)憲法審査会に出席していた小林節先生と、今まで政治
的活動とは一線を画していた樋口陽一先生が、自民党の憲法改正草案
がいかに危険かを論じあっているのが本書だ。
憲法というのは権力者を縛るものなのだから、権力者側から「憲法、変え
ちゃえっ!」なんて話が出て来ること自体が異常なのである。その異常な
状態を進めようとしているのが、現在の安倍政権だ。
本書でもおふたりが指摘しているのだが、私は改正草案が公になった時、
今の日本国憲法にある「個人」が「人」に書き換えられている点だけでも
「こいつら、何考えんだ?」と感じた。
そうして、言論・出版・表現・結社の自由にも制限をかけている。憲法が
国民を縛ってどうすんだよ。憲法の役割が違って来るじゃないか。
そんな点ばかりに目が向いていたので、本書で語られている緊急事態
条項や、経済活動を国是とすること、道徳的価値観までが盛り込まれて
いる点に関してまでは気が回らなかった。
憲法なんて難しいんじゃないかと感じるかもしれないが、おふたりとも
とても分かりやすく語っている。特に小林先生は自民党のブレーンで
もあったので、ブレーンとして接した自民党議員たちがいかに頭が
悪いかにうんざりしている様子が伝わって来る。
だって、私が読んでも「ああ、憲法って本来こういうものなんだよな」と
理解出来るのに、国会議員が理解できないって何よ?特に世襲議員
なんてそれなりの大学を出たり、留学したりしてるんでしょう。どれだ
け頭の中、空っぽなんだよ。
安倍晋三は日本国憲法を「みっともない憲法」と言う。その「みっともない
憲法」があったからこそ、日本は世界で信用されたんじゃないのかね?
戦後70年、他国に銃を突きつけることをしなかったのだから。
「国民の生活が大事なんて政治はですね、私は間違ってると思います」
これは自民党・稲田朋美の発言。この人は「民族の魂の浄化のための
最良の方法は戦争」とかも言っていた。これが改憲勢力の本音ってとこ
だろうな。
改憲支持者たちは本当にこの改正草案でいいんだろうかね。今までの
生活が根底から覆るんだけれど。「新しい解釈」なんて訳の分からない
ことで着々と憲法は壊されているんだよ~。
ただ、頭のおかしい政治家だけの責任かと言えばそうではない。私たち
には「知る権利」と同様「知る義務」があるという話にはっとした。
政府の言っていることはどこかおかしいんじゃないか。そう思ったら知る
為の努力をしなきゃいけないんだな。もっと勉強しよう。
今こそみんなで憲法を考えるべきなんだよね。考えて判断しなきゃいけ
ない。平和国家である為に、私たち有権者には「投票権」という武器が
あるのだから。
おまけ。安倍晋三の戦後70年談話を西ドイツ元首相のワイツゼッカー
の演説と通じていると言った産経新聞の記者がいるらしい。この記者、
ワイツゼッカー演説の全文を読んだことがあるのか?ワイツゼッカー
に謝れ、額をすりむくほど額をこすりつけて謝れ。ドアホウ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ護憲派の泰斗と改憲派の重鎮、二人の憲法学者が自民党の改憲論を切る。護憲派で憲法学界の権威と言われる樋口陽一と、かつては自民党のブレインであった改憲派の小林節ががこの対談を通して一致して今の憲法改正案に反対を唱えている。長年9条改正をめぐって意見を異にしてきたこの二人がなぜ二人して反対するのか。それはこの憲法案が立憲主義を破壊し、法治国家の原則をなくし、専制政治の状態に近づいているから。そもそも「憲法は国民を縛るものではない。国家権力を管理するための最高法規である」という憲法の基本を蔑ろにしているから。そのことをわかりやすく語っている。そして何よりもこの二人が共闘して語らねばならない状況こそが、今の時代の危うさを物語っている。
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憲法改正について
小林:改正を議論するならば、どんな政治勢力が、どんな必要があって、何をしたいために、どういう国内的・国際的条件のもとで、どこをどう変えたいのか?
それを提示して議論してもらわなければならない。
樋口:それによって賛成、反対に分かれるというのが、まっとうな憲法問題の議論の仕方です。(P164)
改憲が、中国・韓国との関係を改善する努力を怠りつつ、安保保全が悪化したと主張し、「米軍の二軍」で構わないから軍隊を持ちたいという理由で、憲法九条を書き換える。それができないから、とうとう違憲の安保法制を通してしまった。そして、憲法のほうを安保法制に合わせる。
これが真実ならば改憲に賛成できるか?