山口洋子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
男女間の駆け引きとしがらみを描いた短編4つ。思っていたのとは違い、なかなか重みのある作品群。
表題作は、仕事の腐れ縁というか同朋による、仕事の楽しさと苦しさを描く。演歌歌手のディレクター(プロデューサーか?)、作詞家、作曲家が業界の不満と3人でそれを打破する夢を語り、心を通わせるが、実は温度差が有ったことが、室さんが亡くなったときにわかってくる…。
あとの3作は、男女の関係が不倫やら二股で首が回らなくなっていく話。ショーモナイと言われればそうだけど、筆致の癖もあり、なかなか重くて読み応えがある。
全体に、最後の「演歌の虫」ではないが、演歌(艶歌)の歌詞を読むような、不思議なねっとり絡みつ -
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Posted by ブクログ
午睡前のひとときに、20年ぶりの再読。
銀座クラブのママにして、小説家であり作詞家だった著者は、そのエッセイも魅力的。男と女の生態の観察眼は秀逸。
「『もてる』『もてない』という話」「正しい不倫のありかた」「恋上手のTPO」等々、その筋の男性には一読の価値ありか(笑)
「たべものこそ、たべる相手しだい」では、こんなことを書いている。
最初のデートは、まずフランス料理あたりがよい、と。深い仲になった男女はめったに行かないとか。そして、本当の意味での彼女と彼氏となり遠慮のなくなった仲なら、中華料理か鍋料理。ふぐを二人きりで食べている男女は完全にできているとか。
さてさて・・・