篠田桃紅のレビュー一覧

  • 一〇三歳になってわかったこと 人生は一人でも面白い

    Posted by ブクログ

    著者の人生観が知れて非常に刺激になった。

    自然体で、いい加減で、ありのままの自分でそんな自分と向き合いながら著者の描いている絵への思いと混ぜ合わせて話がされていた。

    自分自身の経験と、考え方さらに何をしているかなどの広義な興味。これが混ぜ合わさればどんな人でも一冊の本となり人を知ることができると思う。

    0
    2025年11月21日
  • 百歳の力

    Posted by ブクログ

    自分も人生後半になり、諸先輩方の老い方を参考にしたいと思って色々な高齢女性のエッセイなどを読んでいるが、高齢女性でこれほど健康状態などについての愚痴や泣き言が少ないエッセイも珍しいと感じた。

    100年以上も前の時代に生まれた女性が、芸術一本で国内に留まらず海外でも活躍できたのは、精神に留まらず肉体的なしがらみからも自由だったからなのかもしれない。

    0
    2025年11月11日
  • 一〇三歳になってわかったこと 人生は一人でも面白い

    Posted by ブクログ

    103歳にして「人生は一人でもおもしろい」と語った篠田桃紅。孤独を恐れる世にあってその言葉は凛と響く。若き日から芸術に身を投じ権威や慣習に縛られぬ姿勢を貫いた。人と群れることで安心を得るのではなく自らと向き合うことで深みを育んだのだ。その境地は歳月を重ねた末にようやく到達するものかもしれない。長寿の証言は「独りであることは決して空虚ではない」と教えてくれる。むしろ孤独を味わう力こそが人生を最後まで輝かせる鍵なのだ。

    0
    2025年09月14日
  • 私の体がなくなっても私の作品は生き続ける

    Posted by ブクログ

    本作品集は書家であり芸術家である篠田桃紅(しのだとうこう)氏の80歳を過ぎてからの未発表作品や肉声、言葉、表現が詰まったものである。
    墨の抽象画とは、なかなか見られない表現である。墨との余白が美しく洗練されているのが窺える。
    「人生とは」「老いること」「死ぬこと」「何を残すか」をテーマとし、100歳を越えて尚衰えることなく、今と未来に繋げる表現者として生き続けるだろう。

    0
    2025年07月17日
  • これでおしまい

    Posted by ブクログ

    篠田さんの『その日の墨』という随筆を読みたいと長らく思っているんだけど、この本を先に読むことになった。
    篠田さん著となっているけど、篠田さん自身の言葉と思われるのは、過去に書かれたものの再掲ばかり。生い立ちから始まり人生をたどる解説みたいなのもけっこうな紙幅を占めていて、これで篠田さんの著書とするのはちょっとずるい気がする。
    自分の意思・意志に沿って自由に生きることを尊んだ方なのだろう。時代や生きてきた道がうまくいいほうに働いた面もあるだろうけど、一徹の人生という感じで、以下の言葉(p.42)がいいなと思った。

    人は自由にどのように考えてもいいのです。どのように考えてもいいどころではありませ

    0
    2025年05月04日
  • これでおしまい

    Posted by ブクログ

    帯には『一〇七歳 世界的美術家が残した「人生のことば」』とある通り、本人からのインタビューを、その生い立ちから芸術家、人生における転機、そして現在までを時系列でまとめている部分が半分、残りの半分は彼女のことばを1ページに1つずつ取り上げるという構成になっている。
    恵まれた環境に生まれ育ったことは知っていたが、逆にいうとその環境にあって、芸術に専心することができ、それを成就されたというのは、ある意味奇跡的な人物だということを改めて感じた。そして、それを成り立たせている彼女の考え方を知るのには、よくまとまっている一冊のように思う。

    0
    2025年01月14日
  • 私の体がなくなっても私の作品は生き続ける

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    画集だけなら手を出さなかったんだけど、タイトルと中をぺらぺらと読んだ詩的な文面が目から染み入り最後まで読んで(見て)見たいと思った。ほんとに線だけを生涯描き続けた人の言葉には深みがあります。一歩間違えると落書きにしかならない作品を延々と描き、またその画に惚れ収集され続けた人がいることにも驚きで、ページをめくる毎の書き始めの強調文字が良い。表紙の丸い絵は”線”と違うやんって突っ込みたくなるが、該当ページを読むと思わず笑ってしまう。ああ、わかるって。
    こういう本をおすすめコーナーに置く図書の係りの人のセンスって光ってると思う。

    0
    2024年11月20日
  • 私の体がなくなっても私の作品は生き続ける

    Posted by ブクログ


     書はできるもの、絵は創るもの。 偶然できるものの偶然を待つ。

    羊毛
     柔らかい、ふぃにゃふにゃの筆で描いた強い線くらい美しいものはない。

    アート
     人の精神のなかに、何か美しい、いいものを絶えず送り込んでくるもの。

    次の作品への誘い
     今、つくっているときに湧く。
     つくっているということは、続けるということになる。
     ここで終わるということがない。


     目に見えないから、
     心というものに浮かんでいるものを目に見えるようにしようと思った。
     私の抽象の根になるものは「心」にしたかった。
     言葉や文学に置き換えられないから抽象にしている。

    0
    2024年03月24日
  • これでおしまい

    Posted by ブクログ

    この時代に人と合わせることを嫌い、ひとりで生きていくことを決め、アメリカにわたり成功した素晴らしい女性。自分にはそのようなことができないから憧れてしまう。

    0
    2024年02月22日
  • 一〇三歳になってわかったこと 人生は一人でも面白い

    Posted by ブクログ

    女性がひとりで生きることに対して今まで以上に不寛容であった時代で、自由を求めて道を切り開いた篠田桃紅103歳のエッセイ。100年という年月は彼女の半分も生きていない自分には壮大で計り知れない。衰えを自覚しつつも、自分のできることに対して常に貪欲であったから、100歳を越えても知性や思考力を維持できたのだろうか。

    0
    2023年03月31日
  • これでおしまい

    Posted by ブクログ

    書家で水墨画で著名な作家のエッセイで、最新作を読んでみた。著者のことを知ることはできたが、作品紹介がほぼなく、知っている人向けのまとめの印象なので、過去の作品を読んでみたい。

    0
    2022年06月12日
  • 一〇三歳になってわかったこと 人生は一人でも面白い

    Posted by ブクログ

    100歳を過ぎてる人が多くなったとはいえ、
    これだけしゃきっとして 100歳を越えている人は
    少ないのでは。。。。

    本の内容は 書家というか書道芸術家の著者が
    私達に伝えたい思いでした。

    著者は今も一人で生活していますが
    そこには 誰かに頼るとか 甘えの気持ちは微塵もなく
    自分の心に正直に生きている姿は
    憧れであり 見習いたいものだと思いました。

    おっと、見習いたいなんて 書いたら 著者に
    「見習う必要なんてないのよ」と おしかりを受けそうですが・・・

    良い刺激を受けました。
    私も若い人に刺激を与えられるような
    老人になれるよう 日々つとめてていきたいと思いました。

    0
    2022年06月10日
  • これでおしまい

    Posted by ブクログ

    美術家篠田桃紅さんの言葉をまとめたもの。人はもとより孤独である、などご自身の考え方が記載されている。

    0
    2022年05月03日
  • これでおしまい

    Posted by ブクログ

    憧れの生き方、篠田桃紅。意志が強く、ピシッと背筋の伸びた、損得勘定、無駄のない、一本筋の通った生き様が伝わってくる。爽やかな孤独と言おうか。
    本の内容自体は、「一〇三歳になってわかったこと」とかぶるところが多く、新しい発見はなかった。

    0
    2022年03月01日
  • これでおしまい

    Posted by ブクログ

    テーマごとの桃紅さんの言葉(いずれも芯の通った名言だ)を並べた頁と、その人生を追っていく頁が、交互に出てくる構成。特に心に残った言葉は「人は自由にどのように考えてもいいのです。どのように考えてもいいどころではありません。どのようにも考えなくてはいけない。それが自分の人生を生きる鍵です」「『ただ過ぎるに過ぐるもの、人の齢(よわい)』清少納言も書いているとおり、ただ、ただ、過ぎる。当方に関係なく」。伝記の部分からは、潔く人生を選択し切り拓いていく強さと、育ちのいい人特有の人のよさが垣間見え、思っていたよりも柔和な印象を受けた。

    0
    2022年02月20日
  • これでおしまい

    Posted by ブクログ

    篠田桃紅の簡単な経歴、伝記のようなト書とともに、口語文体のエッセイ。何冊かのエッセイの中に出てきた文章も含まれる。
    樹木希林さんの潔さに、美意識と知識を持つ父親から譲られた古典の知識も豊富に持ち、紡ぎ出された言葉は、素晴らしい。

    0
    2022年02月14日
  • これでおしまい

    Posted by ブクログ

    テレビで存在知り、作品・人物がとても好きなので気になり読書。篠田桃紅の背景を知ることができた。
    「孤独」という言葉がとても多いと思うが、それだけ本人にキーフレーズだったのだと思う。そして少し共感した。

    0
    2022年02月12日
  • その日の墨

    Posted by ブクログ

    日常で目にするものの色合いや、日本語の美しさ、著者の人生に臨む厳しさが伝わってきた。一気読みではなく、一つ一つを噛み締めて読んだ本。

    0
    2020年07月12日
  • 一〇三歳になってわかったこと 人生は一人でも面白い

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「誰か式、誰か風、ではなく、
     その人にしかできない
     生き方を自然体と言う。」

    なるほど。

    「なにかに夢中になっているときは、ほかのことを忘れられますし、言い換えれば、一つなにか自分が夢中になれるものを持つと、生きていて、人は救われるのだろうと思います。」

    夢中になる、というのは生きている証。夢中になれるものをたくさん持ちたいと思う。

    0
    2018年11月01日
  • 百歳の力

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    篠田さんは103歳でこの自叙伝を書かれた。2016年現在は105歳になられるのか。大変な長寿である。彼女は墨を使った水墨画家で、本書の各章末に白黒の絵がコピーされている。カラーで見ると、墨をメインにアクセントで金が入っていたり、非常にセンスが良いことがわかる。筆をスッと引いた線が特徴的だ。時に四角を描き込まれていたりする。もし展覧会があれば、是非生で拝見したい。彼女の絵からは無限に想像が膨らむなにかが発せられているような気がする。抽象画はそれほど興味のないジャンルであったが、ただの食わず嫌いだったようだ。篠田さんは未婚である。お子さんもいない。43歳から2年の渡米経験をお持ちだ。本書では、両親

    0
    2019年01月16日