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三月一日に一〇八年の生涯を閉じた篠田桃紅氏最後の著作。
世界で最も尊敬される日本人美術家が届ける「老いの哲学」と「人生の言葉」
こんなに魅力的なに日本人女性がいた!
この本の制作途中、「これが最後の本になる」とご本人は繰り返し言っていました。
篠田氏の人生哲学を短い言葉で伝える「ことば編」と、
これまでの人生を写真と文章で振り返る「人生編」、
二部構成でお届けする、最後にして渾身の著作です。
戦後、世界のアートシーンを牽引するニューヨークに単身で渡り、国際的な評価を得た篠田氏は、日本で最初に自由を希求した女性、と言えるかもしれません。その人生は冒険と波乱に満ちていましたが、自分の心のままに道なき道を歩いてきました。
いまより女性の生き方の選択肢がずっと狭く、さらに戦争、結核など、死と背中合わせにあった 昭和の時代に自由を貫くことは並大抵のことではありませんでした。「人生編」で桃紅さんはこう語ります。
「自由というのは、気ままにやりたい放題することではなく、自分というものを立てて、自分の責任で自分を生かしていくこと。やりたいように振る舞って、人にも頼る。それは自由ではありません。自分の行動に責任を持って考え、自分でやる。それが自由で、だから自らに由る(=因る、依る)という字を書くのです」
今の時代、自由の大切さを誰もがわかっているけれど、「自らに由って立つ」ことの難しさは変わっていないかもしれません。
本書の桃紅さんの言葉は、自分らしい人生を生きたいすべての人に向けての、エールとアドバイスになるでしょう。
Posted by ブクログ 2022年06月07日
書と向き合った孤高の芸術家は、紡ぐ言葉も思考が深く心に響く。
同じ女性として、人生の先輩として、覚えておきたいフレーズが沢山あった。
○あきらめられないから悩みが尽きないし、あきらめられないから希望も続く。人生はその繰り返し。
○たいていのことは受け止めて喜ぶほうが、人生は得ですよ
○人間は何...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年09月29日
凛とした佇まい、奥に潜む確かな強さ。
何ものにもとらわれない。ただそこにある。
そんな作品そのもの人柄を思わせる1冊だった。
その人柄の根底にある揺るがない孤独。
孤独としっかり向き合い受け入れると「孤高」に昇華されてゆくのかなと感じた。
ー墨絵はお利口。
人の想像力を頼りにしているんだから。
「...続きを読む
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