栗原潔のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
本書内にも記載があったが、いままでの著者の「キャズム」などに比べて、実用的というか、手引書感が強く出ている。そういう意味で有用な一冊だと思われ。イノベーションのジレンマ的な状況から脱し、破壊的イノベーションで勝つ(もしくは破壊的イノベーションから守る)ために組織や事業をどう管理・運営するか、MicrosoftやSalesforceのケースを実例として(そしていくつかの反面教師事例も企業名をあげて)紹介されている。
破壊的なイノベーションによる組織のトランスフォームを早期短期に実現するには集中が肝要だし、そのためにリソースをどう振り向けるか、など、学ぶところは多かった。 -
Posted by ブクログ
ハイテク分野のコンサルタンティングを専門とするジェフリー・ムーア氏の著作。「キャズム」ではテクノロジー導入期のIT系企業にフォーカスされていたが、本作「ライフサイクル・イノベーション」では成熟期~衰退期を含めた製品ライフサイクル全体を俯瞰しており、IT系企業以外の事例も豊富である。
副題には「成熟市場+コモデティ化に効く14のイノベーション」とあり第2部でこれらのイノベーションが詳細に解説されているが、日本企業にとってより重要なのは第3部に解説されている「資源の再配分」ではないだろうか。「コア・コンピタンス」という用語は一般的に使用されているが、「コア」の定義はあいまいなことが多い。多くの企業では現在の収益をもたらしている技術や市場を「コア」と呼ぶ場合が多いが、本書では将来にわたって長期的に優位性をもたらすものと定義している。成熟期に入った主要な事業から将来の成長基盤に資源を再配分する手順を明示した本書はイノベーションの不足に悩む多くの企業に示唆を与えるだろう。 -
Posted by ブクログ
プラットフォームリーダーシップからのリファレンス。破壊的イノベーションを経た会社と以降のマーケット形成について、多数のケースが取り上げられている。
スイス・アーミー・ナイフは有名ですが、作っているのはどちらかというと鞄で知っているビクトリノックス社の例だとか、印刷媒体からライセンスビジネスへ切り替え、映画業界に進出して行くマーベルコミックスの例だとか、業種を選ばず採られた素朴で実直な、企業の転換する姿の数々は圧巻。
ボブディランの歌詞「立ち止まるものばかりが滅びていく」を引用し、生き延びようとする姿そのものを研鑽する本書(原題 Dealing with Darwin)そのものこそ革新的だと感じられた。 -
Posted by ブクログ
ジェフリームーアとクレイトンクリステンセンの本は社会人になる前に一度は読んでおくべき本だと思う。
この本は、自分がいる業界や自分がいる部署での仕事について理解するための本として位置づけていいだろう。
(余裕がある人はキャズムとかも読んで、ムーア理論全体について理解を深めることを強く勧める)
日経新聞とか日経ビジネスが時期によってデカデカとキャンペーンをやっているけど、この本に書かれていることがわかっていなければ日経新聞も日経ビジネスも読んでもたいして意味ねぇと思うよ。
てなわけで、みんな読んでみて。
ちなみにこの本を読むにあたって、以下の二つのことを把握することがまず重要。
1. 自分がいる産業は現在どういうステージにあるのか(初期市場なのか成長市場なのか成熟市場なのか、それとも衰退市場なのか)
2. その中で自社はどういうポジションにいるのか(業界のリーダーなのかイノベーターなのか、それとも追随者なのか)
自分にとっては、これから就職活動を始めていく上で、本書に書かれていることをしっかり理解しておくことが必須となってくる。
これからも何度も読み直したい良書。 -
Posted by ブクログ
ネタバレイノベーションへの解 実践編
2013/5/16(木) 16:00-19:30に行われた、Innosight社のCEO Kevin Bolen氏によるセミナのテキストとして配布された本です。
クリステンセン教授のイノベーションの解の理論を元にコンサルティングを行った成果がまとめられており、企業からイノベーションを起こすにあたっての方法や留意点が、「イノベーションのジレンマ」「イノベーションの解」「明日は誰のものか」の内容を要約しつつまとめられています。
破壊的なイノベーションに関しては知っていたので、今回の学びは四つ。
1. 事業の計画を立てつつも創発的な方向転換を行って行かないと失敗する。何故なら計画を立てた時点での仮定が間違ってたり、時間が経つことによって変化したりしているから。
2. イノベーティブな事業は、利益は短期に確保し、成長は長期的な見地で。
3. マーケットセグメントを行う際には顧客の「かたづけるべき用事」までさかのぼってニーズ把握と条件設定を行う必要がある。年齢や性別、地域などのマーケットセグメントでは購買のモチベーションまではカテゴライズできない。
4. イノベーションを起こすにはメインストリームの評価指標からイノベーションの評価指標で管理する別の組織構造が必要。
まあ、テクニックよりも熱意がまずは必要。テクニックは熱意が空回りしないための道具。
そして、トップマネージメントがインキュベーションしなければすぐに駄目になる。
竹蔵 -
Posted by ブクログ
ネタバレキャズムの著者ジェフリー・ムーアの本。
既存ビジネスと新規ビジネスを同時に経営管理していく上での指南書。
新規のためのゾーン攻撃。
既存のためのゾーン防御。
併せてゾーンマネジメント。
4つのゾーン。軸は破壊的イノベーション・持続的イノベーション、収益パフォーマンス・支援型投資で、パフォーマンスゾーン・トランスフォーメーションゾーン・インキュベーションゾーン、プロダクティビティゾーン。
パフォーマンスゾーン 既存事業ライン 収益源と収益チャネルによるマトリックス
プロダクティビティゾーン 生産性向上スタッフ部門
インキュベーションゾーン 新規事業ベンチャーのように独立した事業ユニット
トランスフォーメーションゾーン 新規事業拡大CEO直轄 会社で一つだけ 超集中
防御側のせんりゃくが興味深い。強みを捨てない、中立化・中和って言ってもいいかな。最適化。差別化。攻撃側の強み消す方向に動く。
セールスフォースとマイクロソフトとのコンサルプロジェクトから生まれた本ってのが指南書・プレイブックしてよい。
ネタがちょっと古いなぁと思ったら2017年に出た本だった。翻訳が2017年なので原書はもっと前なら納得。2020年にセールスフォースとマイクロソフトが成功している理由の分析としても良い。
-
Posted by ブクログ
*****
エスケープベロシティ=脱出速度
という名前を付けているのがコンセプトとしてとても分かりやすい。ネーミングって大事。
*****
・如何に脱出すべき市場を小さく定義して、その中で差別化をするか
・速度を加速するための差別化要因が何であるべきか
・一度突破したときに、次にどのようなステージに行くのか
といったことを段階的に理解して行く必要がある。
*****
市場の成長性→企業の競争力→事業の競争力→製品の優位性→実行力
という5つの切り分けもとても明確。
後になるほど短い時間・少ないリソースで転換しやすく、逆に言えば模倣もされやすい。
***** -
Posted by ブクログ
内容としては、近い(?)未来についてのお話が多いため、現実として実感出来ない部分が多分にある。
ただ、グランズウェル→エンパワードという流れの延長戦上にあるであろう本書(書籍内で触れられているが、パーミッションマーケティングの流れもあろう)。
顧客視点にたった「VRM」という考え方には、とても共感するものがあるし、是非実現してもらいたい未来でもある。
本書の中では、現在の広告だけでなく、CRMも批判の対象であり、顧客視点を欠いた企業からの一方的な囲い込みなどへの疑問符が記載されていたりする。
結局、「VRM」とはシステムシックに思っていただが「顧客の購買代理人」であるという部分の概念を本書は伝えたかったのではないだろうか。それであれば、ザッポスなどが紹介される意図も繋がってくる。
一回読んだだけでは、理解出来ていない部分も多いため、積読したい書籍である。