神山裕右のレビュー一覧

  • カタコンベ

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    『もう同じ過ちは繰り返さない』
    ケイブダイバー・東馬 亮(とうま りょう)は、強い決意を胸に秘め、行動を開始した。
    洞窟内の救助をテーマにした迫真のミステリー。

    5年前、自らのミスで、恩師とも言える大事な人物・水無月 健一郎を死に至らしめた東馬は、深い悔恨の情を抱き生きてきた。

    そして、新たに発見された洞窟調査で、恩師の娘・弥生が遭難したと聞き、彼は単身救助に向かう...

    しかし、大きな闇に包まれた洞窟の中には、10年前の事件の真相と、新たな犯罪の予感が隠されていた。

    作品の半分以上は、暗い洞窟の中...
    ただでさえ、暗闇で恐怖感が高まる中、落石や鉄砲水など自然の驚異が、これでもかと襲

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    2019年10月10日
  • カタコンベ

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    全体的にはスピード感重視の荒削りな作品、という印象で、読後感が重くないし適度にワクワクできるので簡単な読書にオススメです。
    ケイブダイバーを題材としたミステリーで、情景描写が巧い。鍾乳洞に入ったことのない人でも、文章から風景(真っ暗のはずなのだが)を想像することができるのではないだろうか。
    視点は三人称多視点で、その切り替えがスムーズで違和感なく読み進められる。誰の視点か明かされないキーとなる場面がところどころ出てくるが、それによって緊迫感が強まり早く続きを読みたくなる。

    水無月弥生、東馬、霧崎、梶本、柳原、、など、キャラクターの名前に何か意味が込められていそうなので、もう一回読んでよく考え

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    2014年08月30日
  • カタコンベ

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    舞台は地下洞窟。特殊なロケーション下で次から次に起こるスリリングなアクシデント。複雑に絡み合った人間模様が物語を掘り下げる中、刻一刻と迫るタイムリミットが緊迫感を一層高めます。
    前人未踏と呼ばれる地での不可解な出来事、そして閉鎖空間での闘い。この地下洞窟を機知と英断で無事脱出できるのか?。
    探検とミステリーとヒロイズム!個人的にはワクワクドキドキ要素満載でとても楽しかったです。

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    2013年12月12日
  • 刃紋

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    草萊一子地が所長の名古屋の探偵社にハンナ・ベルリナアが訪ねてきて母 貞子の行方を探してほしいとの依頼から始まる物語だが、関東大震災で混乱が起こった時期で多くの人が行方不明になっていた.名古屋港の倉庫で変死体を発見した草萊が長い付き合いのある石漱警部補との絡みで捜査を開始する.東京で震災時に起こった支那人・朝鮮人の虐殺に関連すること、長崎の端島炭鉱での事件など場面が次々と展開するのにやや戸惑ったが、草萊の的確な推理展開が楽しめた.最終章で複雑な事件が見事にクローズされる構成は素晴らしいと感じた.

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    2025年01月03日
  • カタコンベ

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    洞窟探索もケイブダイブも知らない世界だったが、迫り来るタイムリミットと明らかに居るだろう不明な犯人への焦燥感であっという間に読み終わった。
    洞窟で水没なんていう経験はないけど、とてもよく状況が書かれていて入り込めたなぁ。

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    2024年03月06日
  • サスツルギの亡霊

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    南極の昭和基地が舞台の、クローズド・サークル・ミステリー。

    まず最初に、知人に何人か南極観測隊員として南極に行っていた人がいるので、人も資源も予備はあっても余剰のない南極で、これほど人が死んで物が破壊されるのはないなーと思いました。
    欲に駆られようが証拠隠ぺいを図ろうが、自分の命を喪う可能性を自ら高めていく行為は、普通あり得ないよなー。

    でも、それを別として見ると、面白かったです。
    限られた人間関係の中で、誰が敵で誰が味方なのかわからない。
    というか、主人公自身が、自分の立ち位置をわかっていない。

    何があっても怪しいし、なにを言われても怪しい。
    動けば動くほど何者かにからめとられていくよ

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    2023年10月10日
  • カタコンベ

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    洞窟という地下の閉鎖空間で起こる事件から、過去の事件に繋がっていく、ある程度予想つくオチではある。
    エピローグ的な所の物足りなさを感じたのは、それなりに感動し、ハラハラドキドキさせられたからかなと思う。

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    2023年08月29日
  • カタコンベ

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    前人未到の洞窟に入った5人の調査隊が遭難。閉じ込められ救助は困難を極める中、雨が降り出し水没まで5時間しなかい。 その中に昔、自分のせいで死なせてしまった恩師の娘の存在を知り、助けに向かう主人公。 決死の脱出劇に10年前の殺人事件に絡む新たな危機が加わる。冒険物にミステリーが合わさり『ページをめくる手が止まらない』系のストーリー。…なんだけど、とにかくツッコミ所が多い!!ちょっと勿体無いけど、極限の緊張感は味わえた。

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    2023年05月03日
  • カタコンベ

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    面白かった!
    ケービングというジャンルを全く知らなったけど、細かい描写があったので洞窟の中の様子がよくわかったし、スピード感もあった。
    ミステリーとしては、「ああ、やっぱりね」っていう展開であることは否めないけれど、各登場人物の心の動きとか、理由とか、背景とか、ちゃんと収まるところにおさまって納得感はあった。「サスツルギの亡霊」を読んでからこの本を読んだけど、どちらの主人公も「その道を進むことを心に決めている」っていう点では共通しているところがあるね。
    自分自身への信頼、仲間との約束、託された命。
    そういうものの上に、私達は生かされているんだな。

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    2021年04月15日
  • サスツルギの亡霊

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    舞台となる南極。カメラマンの矢島拓海は南極で亡くなった兄からの手紙をきっかけに南極越冬隊のカメラマンとして同行することになる。

    南極の厳しい気候や環境の場面を想像する度に、日本の山に登る以上の過酷さを感じました。途中、主人公が殺人事件の容疑者となり逃亡者となる場面が登場しますが、これも寒さとの戦い。

    血の繋がらないお兄さんだけど、身近な存在だったからこそ、赦せないし、忘れならない存在だったのだろうか。

    読後感は女性の逞しさと、最後は怖さを感じました。

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    2019年11月29日
  • カタコンベ

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    洞窟の中という狭い空間の中での、登場人物の心の揺れ動きに、こちらもハラハラさせられる。
    ラストはせつないが、全ての謎がとけた解放感があり、まるで自分も洞窟の中から地上に戻ってきたような気分になれた。

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    2019年10月27日
  • サスツルギの亡霊

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    『兄の死の真相を知りたければ、南極に行け』
    謎の電話に戸惑うカメラマンの矢島 拓海。
    そして、3年前に死んだはずの義兄を名乗る南極からの絵葉書。

    極寒の地・南極を舞台にした秘境ミステリー。
    地下洞窟を舞台にした『カタコンベ』の作者による作品。

    拓海を中心に、様々な事件が発生し、後半、事件の犯人との冤罪まで受けるが、やがて...

    よく出来たストーリーですが、そこまでやるか?との動機の面で、やや疑問が残りました。

    なお、南極の様々な描写はリアリティがあり、作者は本当に南極まで取材に行ったのかしら?と思わされました。

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    2019年10月26日
  • サスツルギの亡霊

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    南極での事件。それほど思い詰めていた訳でもないのに、南極へ行くことになってしまった拓海。極限の地で起きる様々なことに翻弄され、それでも少しずつ明らかになる事実。

    文章に所々固く感じた部分があったけど、極限の自然と人の欲のどちらが怖いか……考えてしまいました。

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    2019年05月29日
  • サスツルギの亡霊

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    本屋大賞の発掘部門で注目されたということで購入。

    南極を舞台にしたサスペンス。途中までは、兄の死の真相を軸に様々な事件が起きて、楽しませてくれますが、段々と真相に関わる人物が多くなってきて、複雑になりすぎている気がきました。
    時間の経過が小説の中では長く経っているのに、読むとサラッとしていてあまり実感がわかないように感じました。
    犯人の動機もそこまでする?と思うところがありますが、当時の南極のリアルな描写が描かれていて面白かったですし、南極ならではの犯罪が魅力的でした。
    ミステリー小説としては、意外な展開になるということはなく、ちょっと物足りない印象でした。

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    2019年04月14日
  • カタコンベ

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    ミステリーとしてどうかはともかく、文章の迫力が凄い。一気に読めた。ただ、プロローグがイマイチ分からんかった。なにか見落としたんだろうか。

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    2019年01月08日
  • カタコンベ

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    普通に読めて面白かった
    ケイブダイバーの専門用語も多々出てきても、スラスラ頭に入った
    半分以上暗い洞窟の中でのストーリー展開で、ぐいぐいと好奇心を滾るものも感じたね
    さすが江戸川乱歩賞をとる作品だなと思う。神山氏の作品をどんどん読みたいなと思っても、まだ三作しかでてなく現在も活動しているのかも不明で残念…

    あとエピローグがあっさりしすぎで、もう少し膨らみが欲しかったな( ゚д゚)

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    2018年11月28日
  • カタコンベ

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    洞窟内での緊張感のあるやりとりがいいです。主人公や登場人物も共感でき、読後感も悪くないです。[private]大黒[/private]

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    2018年11月18日
  • カタコンベ

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    『人間ってのは厄介な生き物でさ。長いこと生きていると、自分の存在理由を知りたくなるときがあるんだ。
    どうして自分はここにいるのか、何のために生まれてきたのか。
    世間では、そんなことを考えるのは思春期のガキだけだと思われているけど、実はそうじゃないと思う。どれだけ歳をとっても、その疑問を抱えていると思うんだ。消えたわけじゃない。日頃は胸の奥底に隠しているだけでね。
    それで、ふとその疑問が顔を覗かせると無性に焦ってしまう。俺はこんなところで何をやっているんだろう、って。だから何か形に残るようなことをしたくなる。』

    ミステリと言うより、冒険活劇だな。映画『サンクタム』を彷彿させる躍動感あるスリリン

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    2014年09月21日
  • カタコンベ

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    面白かった。あんまり読まない小説の系統だけど、読みやすく抵抗なく読めた。続きが気になったのもすらすら読めた一つの理由かも。でも自分の悪い癖が出て気になって斜め読みをしてしまったのは失敗。その時にラストは失速したなぁという印象を受けたけど、しっかり読み直してみるとそこまでではなかった。でも、洞窟でのシーンが迫力があったから、最後がさらっとしすぎかなという印象は拭えなかった。

    自分は洞窟探検したくないなぁ・・・。

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    2014年02月26日
  • カタコンベ

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    ミステリーというより、パニック&アドベンチャー!
    第50回江戸川乱歩賞受賞作品
    洞窟の中からの大脱出劇で、ハリウッド系の映画になりそうな物語り

    ストーリーとしては、洞窟調査中、落盤により閉じ込められた調査隊を主人公が救助に向かう。洞窟が水没するまでに助けることが出来るのか?また、調査隊の中に拳銃を所持している人の正体は?5年前の事件の真相は?
    などなどとハラハラドキドキする展開で楽しめます。
    ミステリーとして楽しむより、パニック&アドベンチャーで楽しむべき小説です。

    前半、登場人物がごちゃごちゃっとしてわかりにくいところもあったり、ミステリー?っていうところもあったり、ちょっと都合よくない

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    2013年10月26日