YUMEのレビュー一覧
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ネタバレ現代の子どもを主人公にした物語と、原爆詩で構成された一冊。
「みどり」という名前なんて、いや、という主人公。でも、その名前には祖母が広島で亡くした妹への祈りがこめられていた。子どもの頃、祖母への反感から、大事にしていた遺品のおもちゃを川に捨ててしまう。祖母は叱らなかったが、ひどく後悔した出来事。その祖母が、ついに入院することになった。
物語は素直で読みやすく、これがあることで、後半の実際に原爆や戦争を体験した方たちの詩が、より理解しやすくなっていると思う。子どもたちに、ぜひ、お薦めしたい。
余談だが、この原爆詩の中に、「とまとが食べたい」とねだる妹の話が出てくる。これが、松谷みよ子の「まちん -
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わたしの名前は、広島のおばあちゃんがつけたもの。おばあちゃんのこと、嫌いじゃないけど少し苦手。「みどり」なんて古臭い名前、本当は嫌い――みどりが自分の名前についての作文に悩んでいるある日、おばあちゃんが倒れてしまう。父と共に広島へ向かうみどり。おばあちゃんのいる病院は“広島赤十字原爆病院”だった――ずっとずっと前の日本と世界がどうなっていたのか、そして七十年前の夏、広島で何が起きたのか。「みどり」と言う名前に込められた祈りとは。現代の小学生の目線で原爆を追体験する書き下ろしの一篇と実際に原爆を体験した人々による“原爆詩”の20篇を収録。日本を代表する女優・吉永小百合さんの平和への願いがこめられ
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子ども向けの話なので読みやすいけれど、ちょっとこの展開はうまくいきすぎじゃないかい?とツッコミを入れながら読んでしまう。
まずは青春18きっぷが懐かしい。今もあるらしいけど、学生の頃これを使って旅行をしたなあと思い出がよみがえる。行き先を決めないミステリー旅行に高校生の男女16人が行って、いろんなアクシデントに巻き込まれるというお話。政治がらみの裏情報が書いてある手帳なんてものを持っていたら、現実には子どもでも容赦なく誘拐されたり傷つけられたりするだろうから気をつけないとね。
金沢兼六園での悪人との鬼ごっこも一歩間違えたら大変なことになるよーと大人はついハラハラするのでした。 -
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ネタバレ12月9日、洋平は生まれた。生まれた時から脳の左半分がほとんどない、とわかったのは1ヶ月検診が終わってから。その後、目も見えない、耳も聞こえていない、物を飲み込むのも苦手、そのほかにもいろいろな障がいがあった。
寿命は短いだとうとも言われた。けれど、お父さんもお母さんも洋平くんを大切に、愛して育てた。
この本は洋平くん目線で書かれた物語。
長男の洋平くん、そして二人の弟、大(だい)と航(わたる)が生まれたのだけど、それぞれ自閉症だった。
3兄弟がみんな障がい児だなんて、想像を絶する大変さだと思うけれど、両親はいつも一所懸命3人に向き合ってきた。
この本の作者はお母さん。
20歳まで生き