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小学四年生のみどり。おばあちゃんの病気をきっかけに、原爆のことを考えはじめるが……。現代の小学生の目線で原爆を追体験する書き下ろしストーリーと、実際に原爆を体験した人たちが作った原爆詩20編を収録。【小学中級から ★★】
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Posted by ブクログ
自分の名前が好きではない、小学4年生のみどり。 広島に住む、おばあちゃんの病気がキッカケで、お父さんと共に横浜から広島の病院へ見舞いに行くことになった...。 その後、みどりは、原爆のことを調べたりすると共に、おばあちゃんが名付けてくれた『みどり』と言う、自分の名前の由来を知ることとなる。 そんな、...続きを読むみどりとおばあちゃん、そしてお父さん達の心ぬくなる、お話。 ある日の平穏な生活が、原爆投下によって一瞬で変わってしまった1945年 8月の広島。 第1部の『物語』、第2部の『原爆詩集』の構成によって、戦争と言うものの凄まじさ、耐えがたい苦しみ、哀しみのなかで、なお必死に生きようとする人間の心の叫び...をこの本は伝えようとしてくれている。 物語、写真、そして詩集を介し戦争の恐ろしさがひしひしと伝わった。 そして、平和な日々を過ごせることのありがたさを改めて感じた。 戦後ちょうど80年を迎え、戦争や原爆のことを知らない世代がどんどん増えてきたのではないかと思う、現在の2025年。 平和な日々を過ごせることがどんなにありがたいことなのかと言うこと。 二度と戦争は繰り返してはいけないと言うこと。 日本は唯一の被爆国であり、現在進行形で原爆症で苦しむ人が大勢いると言うこと。 これらのことが、この児童書を読んで心に残った。 戦争を風化させないよう、世代を超えて伝えていくべきと強く感じた。 子供、大人問わず多くの人に、一度は読んで欲しい、読むべきと思えた一冊でもあった。 最後に、 世界中の戦争が一刻も早く収まり終息すること。 そして、この様な戦争を伝える本が世界に向けて発信されることを期待すると共に世界が平和であることを願いたいと思った。
内容 前半は、自分の名前の由来を調べるうちに被爆者である祖母の戦争体験を知り、考えを深めていく少女のお話。後半は原爆詩集。 感想 前半は、(今の子の祖父母は戦争体験をした世代ではないと思うけれども、)現代っ子が自然に入っていけるお話になっていてとても良かった。人は戦争をなぜするのか、父親と話し合う部...続きを読む分はちょっと浅いけれども、小四という主人公の年齢からすると致し方ないか。戦争は絶対にしてはいけない、ということを心に焼き付けることが子どものころには特に大切なことかと思う。後半は大人も胸を打たれる詩集。子どもには強すぎるメッセージかもしれないが、敢えて載せたことを評価したい。
わたしの名前は、広島のおばあちゃんがつけたもの。おばあちゃんのこと、嫌いじゃないけど少し苦手。「みどり」なんて古臭い名前、本当は嫌い――みどりが自分の名前についての作文に悩んでいるある日、おばあちゃんが倒れてしまう。父と共に広島へ向かうみどり。おばあちゃんのいる病院は“広島赤十字原爆病院”だった――...続きを読むずっとずっと前の日本と世界がどうなっていたのか、そして七十年前の夏、広島で何が起きたのか。「みどり」と言う名前に込められた祈りとは。現代の小学生の目線で原爆を追体験する書き下ろしの一篇と実際に原爆を体験した人々による“原爆詩”の20篇を収録。日本を代表する女優・吉永小百合さんの平和への願いがこめられています。 アンネの日記を読んでかなり気持ちがロスってしまい、とても普通の読書に戻っていける感じじゃなかったのです。続けて戦争のものを読もうと思いましたので、今年の夏に買って積んでいたこちらを読書。前半はオリジナル小説となってて、後半は広島原爆の被爆者の方々が戦後間もない頃に発表した詩が何編か収録されています。特に感動したのは「生ましめんかな」ですねえ……小説の方には平和資料館に展示されている原爆の熱線によって破壊された品々や当時の写真なども収録されています。お話の方は大人にも響く話で、つばさ文庫を読む本当に若い子供達の世代にもきっと何かを残してくれるんじゃないかと、そう祈ってます。ほんとに、私の弱い話で……はい、読んでいて泣きましたよね普通に…… 作中で「日本が戦争をしないでいるのはとても難しいことだったんだよ」っていうお父さんの言葉にも頷けるし、それに対してみどりが「だからって戦争をしていい理由にはならない」って返すのにもハッとしましたよ。読んでいてつくづく思ったのは、人間が生活を、人生を営むうえで本当に一番大事なものは(アンネの日記を読んでいても思ったけど)日常の些細なことに対しての喜びだとか楽しさだとかで、いっそ苦しみとか怒りとかも、悪いものすべてをひっくるめてそういう普通の生活が送れることなんだなと、それが幸せで、誰も奪っちゃいけないんだなあって思いまして。そのことを大事だな、ああ幸せっていいな、って思える心や精神の余裕をなくし、人間としての尊厳さえもなくしていくから――人間が人間じゃなくなっていくから、戦争はいけんのだろうと思います。その最たる悪が、太平洋戦争では二つの原爆であり、第二次世界大戦ではホロコーストだったのだろうと思います。
現代の子どもを主人公にした物語と、原爆詩で構成された一冊。 「みどり」という名前なんて、いや、という主人公。でも、その名前には祖母が広島で亡くした妹への祈りがこめられていた。子どもの頃、祖母への反感から、大事にしていた遺品のおもちゃを川に捨ててしまう。祖母は叱らなかったが、ひどく後悔した出来事。その...続きを読む祖母が、ついに入院することになった。 物語は素直で読みやすく、これがあることで、後半の実際に原爆や戦争を体験した方たちの詩が、より理解しやすくなっていると思う。子どもたちに、ぜひ、お薦めしたい。 余談だが、この原爆詩の中に、「とまとが食べたい」とねだる妹の話が出てくる。これが、松谷みよ子の「まちんと」の元になったのではないのかなあ…。
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