藤井直敬のレビュー一覧
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購入済み
現実と意識と夢うつつを行ったり
特にARの技術で現実とは何だ?という問いが日常的に飛び交っている昨今、そもそも自分は何を意識していると言えるのか、夢を見ている時とどう違うのかなどなど、様々な観点、知見を通して考えさせてくれる愉快な著作です。まだまだ多方面に渡って対談が残っているそうなので是非続編を期待します。それにしてもあと10年も経てば「現実」という意味は違った理解・用語として認知されているような気もします。
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Posted by ブクログ
この本を読んで、女性が清潔、栄養、コミュニケーションにこだわるのは子供の発達のために必要な進化の結果である事がよく分かった。
また、ヒトとは、社会脳、すなわちコミュニケーション能力の獲得に対して、進化においても、個の発達においてもかなりのコストを支払っていることも分かった。
簡単に言えば、赤ちゃんに手がかかるのは当たり前だということである。
エイリアンベッドを使ったSRを作った人が社会脳の研究をしているとは思っていなかった。そういう意味で驚いた。
本を読むと、中二病全開のネーミングセンスや、SFなどからの着想など、大変共感が得られた。マッドサイエンティストはこうあるべきだ。(^.^) -
Posted by ブクログ
理研の研究者が自身の研究内容をまとめたものです。前著「つながる脳」以降の研究の進み具合が分かります。脳関係の本は多くありますが、ほとんどが、他の方が行った研究をまとめたもので、自身の研究のみを書いたものは少ないと思います。そのためか、参考文献がありません。
内容は独自性が強く、エキサイティングです。研究毎度をくすぐられるものでしょう。おおむね2つから構成され、1つがSRシステムで、バーチャルリアリティのようなものを感じられる装置で、もう1つが、多次元生体情報記録手法で、脳や社会情報をまるごと全て記録し、解析するもので、書くと、簡単そうだが、非常に苦労が多く、誰も手を出さない所だろう。
研究デー -
Posted by ブクログ
著者の研究分野は、人と人との関係の中で脳がどのようにふるまうかという「社会脳」を明らかにすることである。。この「社会脳」というテーマを探索するためには、再現性を担保することが困難であるという「一回性の問題」があるために、従来の脳科学の研究手法では解明が困難であった。そこで、著者藤井博士は全く新しいツールを生み出すことで、その問題を突破しようとしている。それが、現実では起こっていない状況(代替現実)をつくり出す「SRシステム」と呼ばれるツールだ。このユニークかつオリジナルなツールを使って、辿り着いた境地はSFの世界そのものである。
著者は本書終盤で「ツールに何を使うかによって、ぼくたちがどこま