GeoffreyA.Mooreのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ハイテク分野のコンサルタンティングを専門とするジェフリー・ムーア氏の著作。「キャズム」ではテクノロジー導入期のIT系企業にフォーカスされていたが、本作「ライフサイクル・イノベーション」では成熟期~衰退期を含めた製品ライフサイクル全体を俯瞰しており、IT系企業以外の事例も豊富である。
副題には「成熟市場+コモデティ化に効く14のイノベーション」とあり第2部でこれらのイノベーションが詳細に解説されているが、日本企業にとってより重要なのは第3部に解説されている「資源の再配分」ではないだろうか。「コア・コンピタンス」という用語は一般的に使用されているが、「コア」の定義はあいまいなことが多い。多くの企業では現在の収益をもたらしている技術や市場を「コア」と呼ぶ場合が多いが、本書では将来にわたって長期的に優位性をもたらすものと定義している。成熟期に入った主要な事業から将来の成長基盤に資源を再配分する手順を明示した本書はイノベーションの不足に悩む多くの企業に示唆を与えるだろう。 -
Posted by ブクログ
プラットフォームリーダーシップからのリファレンス。破壊的イノベーションを経た会社と以降のマーケット形成について、多数のケースが取り上げられている。
スイス・アーミー・ナイフは有名ですが、作っているのはどちらかというと鞄で知っているビクトリノックス社の例だとか、印刷媒体からライセンスビジネスへ切り替え、映画業界に進出して行くマーベルコミックスの例だとか、業種を選ばず採られた素朴で実直な、企業の転換する姿の数々は圧巻。
ボブディランの歌詞「立ち止まるものばかりが滅びていく」を引用し、生き延びようとする姿そのものを研鑽する本書(原題 Dealing with Darwin)そのものこそ革新的だと感じられた。 -
Posted by ブクログ
ジェフリームーアとクレイトンクリステンセンの本は社会人になる前に一度は読んでおくべき本だと思う。
この本は、自分がいる業界や自分がいる部署での仕事について理解するための本として位置づけていいだろう。
(余裕がある人はキャズムとかも読んで、ムーア理論全体について理解を深めることを強く勧める)
日経新聞とか日経ビジネスが時期によってデカデカとキャンペーンをやっているけど、この本に書かれていることがわかっていなければ日経新聞も日経ビジネスも読んでもたいして意味ねぇと思うよ。
てなわけで、みんな読んでみて。
ちなみにこの本を読むにあたって、以下の二つのことを把握することがまず重要。
1. 自分がいる産業は現在どういうステージにあるのか(初期市場なのか成長市場なのか成熟市場なのか、それとも衰退市場なのか)
2. その中で自社はどういうポジションにいるのか(業界のリーダーなのかイノベーターなのか、それとも追随者なのか)
自分にとっては、これから就職活動を始めていく上で、本書に書かれていることをしっかり理解しておくことが必須となってくる。
これからも何度も読み直したい良書。 -
Posted by ブクログ
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エスケープベロシティ=脱出速度
という名前を付けているのがコンセプトとしてとても分かりやすい。ネーミングって大事。
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・如何に脱出すべき市場を小さく定義して、その中で差別化をするか
・速度を加速するための差別化要因が何であるべきか
・一度突破したときに、次にどのようなステージに行くのか
といったことを段階的に理解して行く必要がある。
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市場の成長性→企業の競争力→事業の競争力→製品の優位性→実行力
という5つの切り分けもとても明確。
後になるほど短い時間・少ないリソースで転換しやすく、逆に言えば模倣もされやすい。
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Posted by ブクログ
【概要】
イノベーションは製品、サービスにおけるライフサイクルの全ての場面で有効である。
第一部:イノベーションとは何か,ライフサイクルとは何かなど基礎的な部分と2つの企業の型,ビジネスアーキテクチャ,の説明
第二部:自分の製品、サービスがどのライフサイクルに位置し、ジャンル分けされたイノベーションのどれを選択すればいいかをまとめている。
第三部:コアな自社の製品、サービスにフォーカスする手段を
コア、コンテキストに識別するステップと人材の再分配というステップの2ステップでまとめている。
【感想】
詳細は把握できなかったが、アウトラインは把握しやすく、一気に読めた。就活前に読んでおけば企業分析の参考になったかもしれない。
今後も継続的に読み、自分なりに企業分析を実践し、理解を深めていきたい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレレビューというよりは感想。本書の内容と個人的に思ったことが混ざっていますのでご注意。
気になった点は3つ。
ほとんど人間心理の問題だと思うんですよね。
1.市場カテゴリ、企業、製品などには、それぞれにライフサイクルがあり、成熟状態によって必要とされる人材、戦いかたが異なる。が、必ずしもそういう人選はできない。
2.異なる成熟状態にある複数の事業が並列で進行した場合、社内予算の取り合いの力学により、次に一番儲かる事業が「一番資源を必要としているときに資源を配分されない」傾向がある。安定事業と「将来の」新規事業はかち合わないので共存しやすい。スタートアップ事業にリソースを張って安定事業に移行させる変化点の判断が、心理的にも物理的にも一番難しい。
3.本書の主題である「脱出速度」を稼ぐには、衰退期にある事業からは撤退して新しい事業にリソースを当てる必要がある。しかし、そう言われても撤退が最も難しい。顧客や提携先との関係もあるし、リストラや人員のシフトだって簡単にはできない。手遅れになる前に先読みして手を打とうとするとなおさら。
心理的に、利益は確実なほう/リスクは不確実なほうを選ぶ、とか、現行維持のほうに偏るの、というのは自然なので、「一度成功した企業」は意識して経営資源をハンドリングしなければいけないのでしょう。 -
Posted by ブクログ
著書『キャズム (Crossing The Chasm)』を通してキャズムという言葉を流通させたジェフリー・ムーアさんの最近作を発見したので読んでみました。
一読した印象は、単にハイテク産業の色々なタイプのイノベーションを整理してカテゴライズしてみただけ、というものです。『キャズム』や『企業価値の断絶』で見られたロジックとしての鋭さのようなものはあまり感じられませんでした。
それでも、ムーアさんの整理を見るのは、有益だとは思います。忘れてさってしまう前にちょっと書いておくと、製品のカテゴリー成熟ライフサイクルにおける、
- 製品リーダシップゾーン (成長期)
- 顧客インティマシーゾーン (成熟期)
- オペレーションエクセレンスゾーン (成熟期)
- カテゴリー再生ゾーン (衰退期)
の中で、合計14のタイプのイノベーションを整理し(上3つにはそれぞれ4つ、最後のカテゴリー再生ゾーンには2つのイノベーションがある)、その中から製品や企業体に応じた適切なイノベーション戦略を管理することが重要という指摘です。ま、あらためてイノベーションにも色々あるんだよ、ということですね (オペレーションエクセレンスゾーンでは、業務効率化なども含まれます)。
ちなみに、自分の仕事の分野のVoIPは、成長期の中でもすでにキャズムを越えており、製品リーダシップゾーンおける製品イノベーションがあと一段必要という説明でした。
この他、それほど物珍しいというものではないですが、コアとコンテキストの分析と対処や、ボリューム・オペレーションとコンプレックス・システムの違いについてもあらためて再確認というところでした。
前の著書でもそういった印象でしたが、本書の最後でもほとんど躊躇なく解雇を戦略として肯定し、組合や終身雇用に一貫して否定的なところは、合理的にはそうなのかもしれないけど...という感じです。お抱えかと思わせるくらいシスコを絶賛ですしね。
ちなみに原書のタイトルは、"Dealing with Darwin: how great companies innovate at every phase of their evolution"です。副題まで含めると長いですが、こちらの方が本の内容を正確に伝えています。最後の「ようこそ、生存競争の世界へ。」という文にもつながりますし。
少しおまけで星4つ