あらすじ
『キャズム』刊行から15年、新たなバイブル登場!
本書は、どうすれば企業が永遠に進化を継続できるのかについて論じる。
具体的には14種類のイノベーションについて論じ、それらをどこに、いつ、どのように適用していけば企業が生存競争に勝ち抜けるのかを示す。自然界の生態系と同様、市場においても自社の状況に適切なイノベーション・タイプを選択し、競合他社との十分な差別化を実現できるよう活用して、それぞれの市場セグメントで成長していけることを解説する。テクノロジー企業を中心とした100社を超える事例をもとに、成熟市場でもイノベーションは可能であることを提示する。
※本電子書籍は同名出版物を底本とし作成しました。記載内容は印刷出版当時のものです。
※印刷出版再現のため電子書籍としては不要な情報を含んでいる場合があります。
※印刷出版とは異なる表記・表現の場合があります。予めご了承ください。
【※本作品はブラウザビューアで閲覧すると表組みのレイアウトが崩れて表示されることがあります。予めご了承下さい。】
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ハイテク分野のコンサルタンティングを専門とするジェフリー・ムーア氏の著作。「キャズム」ではテクノロジー導入期のIT系企業にフォーカスされていたが、本作「ライフサイクル・イノベーション」では成熟期~衰退期を含めた製品ライフサイクル全体を俯瞰しており、IT系企業以外の事例も豊富である。
副題には「成熟市場+コモデティ化に効く14のイノベーション」とあり第2部でこれらのイノベーションが詳細に解説されているが、日本企業にとってより重要なのは第3部に解説されている「資源の再配分」ではないだろうか。「コア・コンピタンス」という用語は一般的に使用されているが、「コア」の定義はあいまいなことが多い。多くの企業では現在の収益をもたらしている技術や市場を「コア」と呼ぶ場合が多いが、本書では将来にわたって長期的に優位性をもたらすものと定義している。成熟期に入った主要な事業から将来の成長基盤に資源を再配分する手順を明示した本書はイノベーションの不足に悩む多くの企業に示唆を与えるだろう。
Posted by ブクログ
*****
要点は2つ。
(1)製品ライフサイクルによって注力すべきイノベーションのタイプは異なり、企業は適切にリソースのシフトを進めなければならない
(2)ビジネスモデルが「コンプレックス型」と「ボリューム型」のどっちかでイノベーションのやり方が異なる
*****
Posted by ブクログ
プラットフォームリーダーシップからのリファレンス。破壊的イノベーションを経た会社と以降のマーケット形成について、多数のケースが取り上げられている。
スイス・アーミー・ナイフは有名ですが、作っているのはどちらかというと鞄で知っているビクトリノックス社の例だとか、印刷媒体からライセンスビジネスへ切り替え、映画業界に進出して行くマーベルコミックスの例だとか、業種を選ばず採られた素朴で実直な、企業の転換する姿の数々は圧巻。
ボブディランの歌詞「立ち止まるものばかりが滅びていく」を引用し、生き延びようとする姿そのものを研鑽する本書(原題 Dealing with Darwin)そのものこそ革新的だと感じられた。
Posted by ブクログ
ライフサイクルのイノベーション分類定義と多種企業の事例とあわせて、シスコシステムズの企業分析は深い洞察で興味深い。パートナー企業は必読かと思う。
Posted by ブクログ
キャズムのムーアさんが書いた本です
製品のライフサイクルと、その状況に応じてどのようなイノベーションを行うべきかが記載されています。
個人的には、コンプレックスシステムとボリュームオペレーションの分類はとても役に立っており、製品戦略を考えるときは意識するようにしています
この部分だけでも、ぜひ読まれることをお勧めします。
Posted by ブクログ
ジェフリームーアとクレイトンクリステンセンの本は社会人になる前に一度は読んでおくべき本だと思う。
この本は、自分がいる業界や自分がいる部署での仕事について理解するための本として位置づけていいだろう。
(余裕がある人はキャズムとかも読んで、ムーア理論全体について理解を深めることを強く勧める)
日経新聞とか日経ビジネスが時期によってデカデカとキャンペーンをやっているけど、この本に書かれていることがわかっていなければ日経新聞も日経ビジネスも読んでもたいして意味ねぇと思うよ。
てなわけで、みんな読んでみて。
ちなみにこの本を読むにあたって、以下の二つのことを把握することがまず重要。
1. 自分がいる産業は現在どういうステージにあるのか(初期市場なのか成長市場なのか成熟市場なのか、それとも衰退市場なのか)
2. その中で自社はどういうポジションにいるのか(業界のリーダーなのかイノベーターなのか、それとも追随者なのか)
自分にとっては、これから就職活動を始めていく上で、本書に書かれていることをしっかり理解しておくことが必須となってくる。
これからも何度も読み直したい良書。
Posted by ブクログ
第1部 基本的モデル(イノベーションの効果
イノベーションと市場カテゴリーの成熟度
イノベーションとビジネス・アーキテクチャ)
第2部 イノベーションを管理する(イノベーションのタイプ
成長市場におけるイノベーションの管理
成熟市場におけるイノベーションの管理 ほか)
第3部 慣性力を管理する(コンテキストから資源を抜き出す
コアに向けた資源の再配分
企業内の慣性力管理のプロセス)
Posted by ブクログ
コモディティ化した成熟市場にて、14種のイノベーションを効果的に用い、どう生き抜き、ビジネスを永続的に続けていくかを示す。
ビジネスというゲームのルールを知る上でも良書。
経営者には必須の知識だが、一般社員も自身の会社と照らし合わせて読むと、理解が深まりおすすめ。
この知識は、何度も熟読して、習得したい。
Posted by ブクログ
【概要】
イノベーションは製品、サービスにおけるライフサイクルの全ての場面で有効である。
第一部:イノベーションとは何か,ライフサイクルとは何かなど基礎的な部分と2つの企業の型,ビジネスアーキテクチャ,の説明
第二部:自分の製品、サービスがどのライフサイクルに位置し、ジャンル分けされたイノベーションのどれを選択すればいいかをまとめている。
第三部:コアな自社の製品、サービスにフォーカスする手段を
コア、コンテキストに識別するステップと人材の再分配というステップの2ステップでまとめている。
【感想】
詳細は把握できなかったが、アウトラインは把握しやすく、一気に読めた。就活前に読んでおけば企業分析の参考になったかもしれない。
今後も継続的に読み、自分なりに企業分析を実践し、理解を深めていきたい。
Posted by ブクログ
自分の会社はイノベーションを生み出せているのか。そもそもイノベーションとはどういうものか。イノベーションの成功事例とはどんなものか。
そういったことを知るためにいい本ではないかと思い、読み進めています。併読書は「企業参謀(大前研一著)」。
Posted by ブクログ
内容は難しくなく普通に読み進められる。
表面をさらーっと舐めたような内容なのが残念だがこの分析量を一冊でまとめようとするといたしかたないか。
随所にムーア教授らしい洞察は見られるが、後半ダレた。
途中、氏も書いていたが結局は自分で消化して深く洞察することが重要で、単純なハウツー物として読むべきものではないです。
Posted by ブクログ
自分の会社の強みは何ですか?それがわかっていれば、ライフサイクルのどの段階でも、その場面に適したイノベーションにチャレンジできる。といった内容だった。(と思う)
Posted by ブクログ
「キャズム」の著者の本。
ライフサイクルごとに、どうイノベーションを起こすか、
という視点で書かれていて、面白い。
イノベーションを差別化に置き換えてもよさそう。
Posted by ブクログ
著書『キャズム (Crossing The Chasm)』を通してキャズムという言葉を流通させたジェフリー・ムーアさんの最近作を発見したので読んでみました。
一読した印象は、単にハイテク産業の色々なタイプのイノベーションを整理してカテゴライズしてみただけ、というものです。『キャズム』や『企業価値の断絶』で見られたロジックとしての鋭さのようなものはあまり感じられませんでした。
それでも、ムーアさんの整理を見るのは、有益だとは思います。忘れてさってしまう前にちょっと書いておくと、製品のカテゴリー成熟ライフサイクルにおける、
- 製品リーダシップゾーン (成長期)
- 顧客インティマシーゾーン (成熟期)
- オペレーションエクセレンスゾーン (成熟期)
- カテゴリー再生ゾーン (衰退期)
の中で、合計14のタイプのイノベーションを整理し(上3つにはそれぞれ4つ、最後のカテゴリー再生ゾーンには2つのイノベーションがある)、その中から製品や企業体に応じた適切なイノベーション戦略を管理することが重要という指摘です。ま、あらためてイノベーションにも色々あるんだよ、ということですね (オペレーションエクセレンスゾーンでは、業務効率化なども含まれます)。
ちなみに、自分の仕事の分野のVoIPは、成長期の中でもすでにキャズムを越えており、製品リーダシップゾーンおける製品イノベーションがあと一段必要という説明でした。
この他、それほど物珍しいというものではないですが、コアとコンテキストの分析と対処や、ボリューム・オペレーションとコンプレックス・システムの違いについてもあらためて再確認というところでした。
前の著書でもそういった印象でしたが、本書の最後でもほとんど躊躇なく解雇を戦略として肯定し、組合や終身雇用に一貫して否定的なところは、合理的にはそうなのかもしれないけど...という感じです。お抱えかと思わせるくらいシスコを絶賛ですしね。
ちなみに原書のタイトルは、"Dealing with Darwin: how great companies innovate at every phase of their evolution"です。副題まで含めると長いですが、こちらの方が本の内容を正確に伝えています。最後の「ようこそ、生存競争の世界へ。」という文にもつながりますし。
少しおまけで星4つ
Posted by ブクログ
良書!だが難解。。ハイテク企業におけるイノベーション管理について、各企業の状況に応じたアクションが詳細に示される。こじ付けと思われる部分も多少あるが。。
Posted by ブクログ
タイトルにあるとおり、成熟市場やコモディティ化された商品やサービスを提供する企業がどのようにイノベーションを継続させるための具体的に指針を示している。
私自身は、ゼロからいかにして新しい事業を作り出し、イノベーションを起こしていくことに関心があるのだが、このライフサイクルイノベーションを読むことでたくさんのヒントを得ることができた。
Posted by ブクログ
大学院の授業「マーケティングⅡ」で話題になったので読んでみました。
ライフサイクルの各フェーズでどのようなイノベーションが求められるのか、また、そこにリソースを集中するためにどうすればよいのか、という本です。
「買うほどではない」と言われていた通り、例えば、成熟フェーズではプロセスや、支援機能のイノベーションといった、言っちゃえば当たり前のことが書いてあり、正直、結構退屈。
ただ、訳者あとがきを読んで納得したのが、突飛なものはないが、成熟市場、更には衰退市場にまで話が及び、網羅的かつ体系的に書かれているところに価値がある。
これを読んでもあまり具体的なイメージは湧かないが、自身の事業のフェーズがどこで、どのようなイノベーションの可能性があるのか漏れなく考えられる。
Posted by ブクログ
製品ライフサイクルに応じたイノベーション戦略のフレームワークを説明している。 イノベーションというと真っ先に製品のイノベーションを連想してしまうが、特に成熟市場においてコモディティ化してしまった製品をいくらグレードアップしてもその費用は回収できない。 むしろ、サービスやコストダウン面におけるイノベーションへの投資が必要となる、という指摘には納得。
章の後半部分は、同著者前作 キャズム でも展開された組織論が続くので、読み飛ばした。
Posted by ブクログ
一冊目も理解できないまま、無謀にもジェフリー2冊目。まぁ、ほんと難解。とにかく、イノベーションはどう発生し波及していくかを淡々と飽きもせずキャズムからずっと同じ事言ってる。
Posted by ブクログ
少々アカデミックな内容ですが、知っておいて損はない知識だと思います。
マーケティングなら、ライフサイクルとは何たるかは理解しておく必要があると思います。
イノベーションというと何か革新的な技術・製品・サービスを生み出すことのように思っていましたが、必ずしもそれに限定されないということが分かりました。
教科書的、辞書的に使いたい一冊ですね。
===メモ===
・イノベーションを永遠に続けていくための基本は、
コンテキストに費やされている経営資源をコアに再配分すること。
・慣性力はイノベーションの敵ではない。
* 変革が必要な場面では、慣性力は抵抗力となる
* 一見相反するようですが、コアでなくなった事業に対しても
イノベーションの機会はあるということです。
・破壊的なシナリオは、既にコアに差別化要因がないにも関わらず
執着しようとする
* 差別化しようと投資をすると逆効果。
ライフサイクルを見極めて素直にイノベーションのタイプを
変更すること。
・ミッションクリティカル性とコアの混同。
* クリティカルなものに時間がとられる傾向あります。
ミッションクリティカルとコアは違います。
・全ての企業はいかなる場合でもイノベーションを行う機会がある。
・ライフサイクル上の位置について社内で共通認識をもつ。
* おのずとどのイノベーションタイプを目指すかが決まる。
各タイプを同時に進行することはできない。
・資源リサイクル
* コンテキスト、コア
クリティカル、非クリティカル
のマトリックスを逆流する
コア(発明ゾーン)
社内起業家
クリティカル(展開ゾーン)
プログラムマネージャ
コンテキスト(最適化ゾーン)
プロセス改善者