田中仙堂のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「お茶と権力」という非常にカジュアルというかポップなタイトルですが、非常に奥行きがあり、面白い書籍でした!
お茶 = 茶道というと、 お茶の点て方、頂き方というお作法いう側面だけが、クローズアップされやすいように思います。
が、この書籍の切り口は、全く違う視点からであり、
「茶道」という【価値】をどのように「形成」して、どのように「活用」してきた(されてきたか)ということが、非常に分かりやすくまとめられています。
朝廷・公家と武士の立ち位置の違いと、違いを超えていくために、「茶道」という新しい文化(市場)を作り、その市場を価値あるものに見せて行き、活性化させて、(他も含めての)市場制覇に -
Posted by ブクログ
利休の死について、そもそも利休の時代に、政治から独立し芸術のために命を懸けるような近代西洋的な意味での芸術家は存在しえないとし、「お茶と権力」の文脈で解読しているところが興味深い。
秀吉が天下をとり間もなく、利休ももはや茶の世話をするだけの存在ではなく、秀吉の意向を非公式に外に伝達するという政治的な存在になってしまっていた。
そうなると天下人秀吉にとって、利休を同席させない方が良いという判断を下すことにつながった可能性が高い、というのが本書の説。
利休の茶はいやおうなく政治性を帯びることになってしまったため、利休が政治的には引退して茶席に引き籠るという選択肢は残されていなった、
よって -
Posted by ブクログ
固めの内容で飛ばし飛ばし読んだが、それでも読んでよかったと思える一冊。
岡倉天心は、「茶の本」を1904年に英語で出版している。今のように日本が世界で認められておらず、野蛮な国とされていた中で、西洋人顔負けの西洋的な教養も隠に陽に使いながら、日本人が文化的で精神的な営みができること、その精神を伝えようとしている。その教養深さたるや、想像もつかない。
以下の岡倉天心の言葉が非常に素朴であるものの、まさに自分が茶道に求めていることであると感じた。これが茶道の本質なのであれば、やはり私は茶道を学んでいきたい。不完全「imperfect」
以下転載----
「茶道」は、毎日の生活でぱっとしない出来事