真の作曲者が別人と判明している「偽作」。
真の作曲者が他人かもしれない「疑作」。
現代になって明らかにされたそれらの作品とその後を解明する。
はじめに 近藤健児
第1章 カッチーニからペルゴレージまで 久保 健
第2章 ハイドン、高い人気、多い偽作 近藤健児
第3章 モーツァルト、早すぎる死、多す
...続きを読むぎる疑作 近藤健児
第4章 ベートーヴェン以後 近藤健児
クラシックの楽曲における、偽作と疑作。
作曲者が匿名で作品を発表したことで、真の作曲者が不明。
師の作品や収集した手稿譜を弟子が筆写する過程での混乱。
後世の研究の際の誤認。
作曲者を詐称しての作品発表。
研究での見解の差異、真贋を巡る評価の変転等にも惑わされる。
バッハ、ハイドン、モーツァルトの偽作と疑作の多さに、驚き。
三大アヴェ・マリアの一つも、長らくハイドン作曲と信じられた
「おもちゃの交響曲」も、偽作の驚き。
更に、ベートーヴェンやシューベルト、ブラームス、
マーラーにも、偽作や疑作、贋作がある。
クライスラーやカサドシュの贋作騒動についても、記述。
だが、疑作であれども名曲はある。
真の作曲家の当時の佳曲が、偽作になっていたことも。それらの
CD、DVDやYoutube等の聴ける音源の情報があるのが、良い。
クラシック音楽については疎い私ですが、大いに楽しめました。
真作、偽作と疑作、贋作が解明されていく過程。
手稿譜発見で覆る、真作と偽作の立場。
手稿譜でも、他者の作品を写したものだったり、
いろいろ危ういことがあるんだなぁと、しみじみ思いました。