後藤正治のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
西宮の定時制高校を舞台に、どうにもならん生徒にボクシングを教える教師脇浜のドキュメント。
自らも定時制高校、大学出身で、若いころには様々な不良行為を行ってきた英語教師脇浜。そのころの「ワル」とは違った形の生徒たちに、自前のリングと道具でボクシングを教えていく。本編では3年ということだが、おまけで1年つくので、4年程度の長期取材は圧巻である。
中学卒から20歳程度までという多感な年ごろを相手にすることもあり、半数程度は、ボクシングを機に人生が変わっていく様は、読んでいて爽快である。残り半数は変わらない。
本書の難点は、人間脇浜、生徒、ボクシングのいずれを描こうとしているのか、かなりあいまいであることだ。それぞれがそれぞれの重さで、かつ淡々と描かれるため、例えばボクシングの部分だけ取り出すと、かなり薄い。同様に脇浜の人生の何が描かれていたのかといわれても、こちらもわかりにくい。人生自体が転換することはあまりないように見える。
どういう層にもっとも響くのか、そこがちょっとわかりにくいドキュメントで、悪くないけれども、接点のない人間にとっては、話が平坦すぎるように感じた。 -
Posted by ブクログ
一人のスカウトの人生をたどっていったことで書かれた作品。スカウトの裏側を暴く! みたいな下世話な感じはしない。プロ野球界というものをスカウトという裏側の視線から描写したという感想。一般人が知る野球はいわゆる試合だけなわけだが、実際、2,3時間の試合なんてものはプロ野球界のほんの一部。海面上から顔を出した氷山のほんの一部みたいなもの。彼らにとっては24時間すべてがプロ野球であり、半生そのものがプロ野球だったりするのだ。
プロ野球チームを構成するのは人間であって、人間の魂のぶつかり合いは避けられない。どうもゲームなんかで淡々とデータだけでチーム構成しようとしているのとはかけ離れているあまりにも人間くさい世界なのだった。本当に泥臭い世界。