江川紹子のレビュー一覧
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章ごとにそれぞれ分かりやすく展開されていてとても読みやすく、一日ですらりと読めてしまった。
こういった本を読むのはほぼ初めてだったが、カルト宗教、集団の存在をより身近に潜むものとして感じることが出来る本だった。
と同時に、そういったものへの対応策は一応ありはするものの、やはり誰しも迷いや悩みがあるタ...続きを読むPosted by ブクログ -
岩波ジュニア新書ではあるが、
大人が読んでも十二分に感じ入るところのある一冊。
当時の社会情勢を知る年代であれば尚更。
カルトに感するという事より、
事件に関わった受刑者たちの半生の記録という部分が大きい。
そして、それも「反省」であったり「後悔」をしている受刑者のみ。
そこは読み物として興味深い...続きを読むPosted by ブクログ -
ある意味、日本人としては読みにくい著。
愛国心や日本人として自認する中で、批判的に書かれているものの、事実がこうで、何故日本やドイツだけがこのように叩かれるのかということも書かれている。ネトウヨ本などが出る昨今に於いては何がfactなのかを確認しないものも増えている。この本は国際法の学者によるもので...続きを読むPosted by ブクログ -
「オウム」の一連の事件について、テレビで見る程度の知識しかなく、関わった人々は自分とは遠い存在のような気持ちでニュースを見ていました。この本を読み、ごく普通の真面目に生きようとした若者が入信、犯罪を犯すことになったと知りました。身近にあるカルトについて知り、引き込まれないためにも読んでおいてよかった...続きを読むPosted by ブクログ
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聞き手語り手の形で書かれているのでとても読みやすかったが、考え続けるべきことをたくさん受け取った本。
自分と違う意見なも耳も傾けて考えていくこと。
論破、というのがもてはやされている今、考えるために大事な1冊。
次の日世代に少しでもましな状態を引き継いでいくには。Posted by ブクログ -
現在二十歳の私は、私が生まれる前にオウム真理教という存在、そして地下鉄サリン事件という現代日本史上最も恐ろしいテロ事件の一つが起きたという事実はメディアや歴史の授業で学んでいた。また、私の祖母は事件当日、何となくに早めに出勤をしようと家をいつもより早く出た結果、幸いサリン事件に巻き込まれずに済んだと...続きを読むPosted by ブクログ
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以前から「人はタンポポの種」という仮説が頭にある。
運命という風向きで落ちた場所に花を咲かせるしかない。
誤った指導者に巡り会ったのが不運の始まり。むしろ良心的で利他的な人々が極刑に処せられてしまった。(A級戦犯や極左ゲリラにも似た事例がある)。
オウム事件の後にも、カルト宗教の被害者は数知...続きを読むPosted by ブクログ -
著者は2004年に東大で慰安婦問題を通して歴史を考えるゼミを実施、村山富市や上野千鶴子などそうそうたる講師を招くが、当初ご受講登録者はたった1名。焦って二次募集を行いやっと9名集めたらしい。そのゼミの内容をもとに慰安婦問題に関する本を発行したらしい。
東京裁判、サンフランシスコ講和条約などについて、...続きを読むPosted by ブクログ -
第5章「21世紀世界と歴史認識」の素晴らしさよ。
世界の近現代史をこれほど的確にまとめ、それぞれの立場の歴史認識がいかに不確実であるかを説いている内容に感銘を受けた。
右派左派的な自らの立場に囚われすぎた本や報道が多い中で、貴重な本だと思う。Posted by ブクログ -
江川さんの名前は、恥ずかしながら死刑報道のあとに初めて知った。信頼できるオウムジャーナリストである、という評判も聞いていた。
彼女が、子供のためにかいた本であり、まだ新しい本だというので、本書を手にとってみた。
面白い。
一気に読んだ。
誰もが思う疑問、なぜ社会的に成功したひとや、高学歴者、人格...続きを読むPosted by ブクログ -
どちらかと云えば自分は右寄りなので、最初から日本の侵略戦争を前提としたお話には、読み進めるのに抵抗もあったが、何と言っても日本軍が1000万人以上の人々を殺戮したという事実は直視するしかないというスタンスに立ち戻れば、しごく真っ当なお話でした。
そんな著者でも、韓国メディアの反日姿勢の強さは異常だと...続きを読むPosted by ブクログ -
江川さんのオウム本は初めて。
書かれた犯人たちの真面目さが読んでいて辛い。
加害者側の本ではあるが、こういう本がジュニア新書から出ることに意味があるPosted by ブクログ -
いいことも
だめなことも
楽しいことも
苦しいことも
良かったことも
良くなかったことも
あらいざらい
全てをさらけ出して
なお
この仕事なんです
37人の「若者」の
その 潔さ が
見事に描き出された一冊ですPosted by ブクログ -
立花隆の青春漂流と比較すると柔らかく、より一般的な人にフォーカスの当たったルポタージュ作品だった。
人はどうせ死ぬわけで、どうせ死ぬなら自分らしく生きる方がよい。
回り道をしながらも自分が生きるべき場所を見つけてきた人たちの話は勇気をもらう。
重松清が最後に残しているメッセージが良かった。
...続きを読むPosted by ブクログ -
東京裁判、日中国交正常化なども重要論点だが、慰安婦問題にも紙幅を割く。
「強制連行」などの史実にかかわる部分については、「ないものはない」と歴史学者としての冷徹な分析を徹底しつつ、一方で問題そのものについての日本の道義的責任は回避できない、との立場。
同時に、アジア女性基金の設立、歴代日本国首相に...続きを読むPosted by ブクログ -
特別なニュアンスを持ってしまった「歴史認識」という言葉。
特に、著者が注力したアジア女性基金が批判にさらされた経緯と行間からにじみ出る苦悩が印象的であった。聞き手の江川紹子氏がさすがの力量と思われる。Posted by ブクログ -
最近よく見られる日本の近代史についての本は、かなり偏った下品な論調の目立つものが多いが、本書は日本の近代史について、バランスの取れた意見がまとまっていて、とても勉強になった。特に著者が直接関わっておられたアジア女性基金について、一般の報道などでは語られない事情にも触れていてかなり参考となる。Posted by ブクログ
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あとがきより
人生とは大小の決断が積もり積もったものと言えるかもしれない。
「自分の方こそこの仕事によって助けられている」という人が何人もいた、自分が支えられている、「お互い様」
医療福祉関係だけでなく、その隙間を埋める様々な方の想いと職種を知ることができた。少ないページの中にそれぞれの人生が凝縮...続きを読むPosted by ブクログ -
「歴史認識」とは、日本人として、日本の近代史をどう考えるのか、ということだ。著者は、この問題について頭で考えただけの人ではない。アジア女性基金理事として多くの人との対話を重ねる中で試され、磨かれた末に得たであろう、実の詰まったことばで、この難しい問題をていねいに説明してくれている。
とくに慰安婦問...続きを読むPosted by ブクログ -
国際法学者としてのキャリアが、史実を恬淡として読み解いておられると感じた。
歴史修正主義者の発する言動は、少々暑苦しいところがあるが、大沼氏の説明には肩の力が抜けており、戦前戦後の日本の歩んだ道の概略として解りやすいものがあった。
第5章 二十一世紀世界と「歴史認識」において、英仏・米などの植民地責...続きを読むPosted by ブクログ