羽柴麻央のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
長編じゃないのか!表題作「私日和」を含む四編を収めた羽柴麻央の短編集。1巻となっているのは、一応シリーズとして短編で連載している形式だから。はじめに、言っておく。質は高い。だが良くも悪くも羽柴麻央的で、安定感はあるが、焼き直し感は拭えない。「13さいのアイデンティティ」は、カワイイ子の横にいるフツウの子の惨めさ、というちょっと目新しいテーマを扱っていて、かなり期待して読んでいたのだが、途中でいつものようにまとまってしまい、突き抜けなかった。羽柴麻央は絵は抜群に上手いし、演出技法も卓抜しているのだから、もう少し深く潜ってくれたらなぁ、と思ってしまう。長編とは言わないから1巻で完結する程度の中編を
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Posted by ブクログ
4作品収録の短編集。まず絵が上手い。かわいらしくはっきりした線で好感が持てる。話も質が高い。こういうスタイルの漫画としては珍しくどんでん返し的な要素も取り込んでいたり、なかったりで、少女漫画作家としては異例なほどにエンタメ的な引き出しが多く、飽きさせない。ふき出しやモノローグがやったら小分けになっていて画面がうるさい気もするが、それがこの作者の味なのかもしれない。近頃の大ヒット少女漫画の傾向として「純愛」というキーワードがあげられると思う。そうした「純愛」は、どんな苦難も乗り越えて達成されるある意味ストイックなものであるが、実際に考えればリアルとは言いがたく、入り込めない人にとっては突き放して