渡辺信一郎のレビュー一覧
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中国の歴史に関する基礎知識が足りなさすぎて、半分も理解できなかったけれど、知識をつけてから読んだら相当おもしろいだろうと思う。
「二里頭文化を形成した人びとは、みずからを夏あるいは夏人とよんだとみられる。(中略)二里頭文化は夏王朝と密接な関係をもっている。最近では、中国はもとより、日本の研究者も、二里頭文化とのかかわりから夏王朝の実在を説く人が多くなった。」p.21
「殷は、卜辞の中では終始自らを商と称し、その中心聚落を大邑商・天邑商・中商などと記述している。王朝名である商は中核聚落の土地名であり、殷という名は周が美称としてよんだもので、盛んであること、殷賑を意味する。」p.23
「周は -
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「庶民文化の研究」という文脈で登場したモノのようだ。なかなかに面白かった…
「庶民文化の研究」と言うが、逆に言えば「研究の材料になるような史料が豊富」という意味にもなる。“庶民文化”というような部分で或る程度豊富な史料―書き残されたもの―が在るという事実…多少驚く…
本書の中心的な内容は、伊予道後の遊女屋が伝えたという文献からのものである。
遊女屋での、女性の管理に関する事柄を記した文書が伝えられているというのだ。逆に言えば、伝えたいと思ったことを持っていた人(=文献を記した人)、先達の経験や考えを参考にしようとした人達(=文献を読んで利用した人達)共に読み書きが当たり前に出来ていたこと -
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中国は、強権的な政治体制で国民の権利を制限しつつ、国家主導で経済力や軍事力を発展させ、国際的に様々な影響を与えている。海洋進出、環境汚染、経済力にものを言わせた途上国への影響力行使・・・。その覇権主義的な動向は、民主的な国々との対立を深めている。果たして、この国はどのような歴史的な過程を経て現在に至るのか。今後、世界情勢はどのような経緯をだどるのか。そのヒントを探したく、手に取ってみる。第1巻は先史時代から中唐時代まで。黄河・長江流域の地域での多様で多くの文明の中から王朝国家が生まれ、紆余曲折を経て中央集権的な体制が採られていく過程を描く。
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「シリーズ中国の歴史」の第一巻目、古代から隋唐時代までを一冊にまとめられています。古代については、資料などからどのような集団を作っていたのかを具体的に浮かぶように説明されていて、その中からどのように支配層が誕生してきたのかが想像でき、当時の様子を思い浮かべながら興味深く読むことができました。そのためか、(発掘資料などからの)古代の人々の生活状態の解明から、中国各地の国家群の形成まで進めていくことで、後半部分は、必然的に内政を中心に書かれたものとなっています。政府の形態や、そこで働く官僚の手当、それぞれの地域を守る兵士の徴用など。これはこれで面白かったのですが、これでは中国の歴史の一部になってし
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〈シリーズ中国の歴史〉の第一巻。
全5巻各冊の冒頭に、「今、中国史をみつめなおすために」と題した、本シリーズ全体の狙いが述べられている。「中国」という枠組自体を自明視することなく、多元性、多様性の中国をいかに捉まえ、現代中国につながる歴史を論ずることができるか。野心的で、非常に楽しみな試みである。
第一巻においては、中国はどのような社会と政治のしくみを創りあげながら、隋唐時代にいたる中国・中華世界を原型を形成したのかが主題とされる。
まずは素朴な感想。文字史料の絶対的に少ない古代社会を知るには考古学的資料が重要であるが、中国の経済開発に伴い発掘が進み、農耕聚落の構造や大規模城郭の
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