渡辺信一郎のレビュー一覧

  • 中華の成立 唐代まで

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    中国の歴史に関する基礎知識が足りなさすぎて、半分も理解できなかったけれど、知識をつけてから読んだら相当おもしろいだろうと思う。

    「二里頭文化を形成した人びとは、みずからを夏あるいは夏人とよんだとみられる。(中略)二里頭文化は夏王朝と密接な関係をもっている。最近では、中国はもとより、日本の研究者も、二里頭文化とのかかわりから夏王朝の実在を説く人が多くなった。」p.21

    「殷は、卜辞の中では終始自らを商と称し、その中心聚落を大邑商・天邑商・中商などと記述している。王朝名である商は中核聚落の土地名であり、殷という名は周が美称としてよんだもので、盛んであること、殷賑を意味する。」p.23

    「周は

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    2023年12月21日
  • 江戸の性愛術(新潮選書)

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    「庶民文化の研究」という文脈で登場したモノのようだ。なかなかに面白かった…

    「庶民文化の研究」と言うが、逆に言えば「研究の材料になるような史料が豊富」という意味にもなる。“庶民文化”というような部分で或る程度豊富な史料―書き残されたもの―が在るという事実…多少驚く…

    本書の中心的な内容は、伊予道後の遊女屋が伝えたという文献からのものである。

    遊女屋での、女性の管理に関する事柄を記した文書が伝えられているというのだ。逆に言えば、伝えたいと思ったことを持っていた人(=文献を記した人)、先達の経験や考えを参考にしようとした人達(=文献を読んで利用した人達)共に読み書きが当たり前に出来ていたこと

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    2013年10月06日
  • 江戸の性愛術(新潮選書)

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    帯に白抜きで「郭に残された門外不出の秘伝書!」。新潮選書ではあるけれど、このタイトルに帯文句の数々、図版多数……、さすがに外出先では読めない、やっぱり門外不出。いきなりこれに☆五つ進呈すると、品性を疑われるかもしれないが(?、そんなことはないと思う)、珍しいものを読ませてもらった、と満足。これもまた、お江戸の一面だよなぁ、と感慨しばし。

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    2011年07月19日
  • 江戸の性愛術(新潮選書)

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    この本は江戸時代の「おさめかまいじょう」という遊女の性技指南書(秘技指南書)を解説している。中には豊富な春画があり、文章だけで創造できないものを補足している。雑学としては勿論、現代でも通用する内容であるのに驚かされる

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    2009年10月04日
  • 中華の成立 唐代まで

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    中国は、強権的な政治体制で国民の権利を制限しつつ、国家主導で経済力や軍事力を発展させ、国際的に様々な影響を与えている。海洋進出、環境汚染、経済力にものを言わせた途上国への影響力行使・・・。その覇権主義的な動向は、民主的な国々との対立を深めている。果たして、この国はどのような歴史的な過程を経て現在に至るのか。今後、世界情勢はどのような経緯をだどるのか。そのヒントを探したく、手に取ってみる。第1巻は先史時代から中唐時代まで。黄河・長江流域の地域での多様で多くの文明の中から王朝国家が生まれ、紆余曲折を経て中央集権的な体制が採られていく過程を描く。

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    2021年01月10日
  • 中華の成立 唐代まで

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    中国はいかにして中国になったのか――歴史を紐解きながら中国に迫っていくシリーズの第1巻。扱われるのは中国の「古典国制」の成立とその変容。政治と社会の仕組みからその実態を追っていく。王莽の再評価、従来説による均田制や租調庸制についての批判など、新しい成果を反映した記述になっていて興味深い。とはいえ、注意を要する記述もある。斉の国都から出土した人骨から抽出したDNAがヨーロッパ人類集団に近いとの説などは、これを否定する論文もでている。

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    2021年01月08日
  • 中華の成立 唐代まで

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    岩波新書には「中国近現代史シリーズ」もあるので、本シリーズは清までを扱う。第1分冊でいきなり唐代までという切り方もすごいなと思う。国家の成り立ちを行政それも収税システムをメインにして展開するところが新鮮だった。これは最新の研究成果に負うところが大きいらしい。納税にまつわる資料の発見が進んでいるということなんだそうだ。僕らが思う中国のカタチは王莽が考え、後漢の時代に形成されたものってのは、初めて認識できたように思う。うん面白かった。次が楽しみだ。

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    2020年07月03日
  • 中華の成立 唐代まで

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    紀元前5000年から始まる仰韶(ぎょうしょう)文化、前3000年の龍山文化をスタートとして隋の時代までを新書にまとめるのは、凄い労力のいる仕事だと感じた.前221年に始皇帝が曲がりなりにも中国の統一を果たすが、北からの侵略や内乱で揺れ動く.郡県制を成立させ、封禅祭祀を挙行することで皇帝としての権威を誇示した由.国の形の根本に生民論と承天論があり、王莽(おうもう)が様々な制度を作り上げた.安禄山が出てきて、第1巻は終わったが、次巻にも取り組もう.

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    2020年06月28日
  • 中華の成立 唐代まで

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    入り組んだ中国の歴史を読み解くシリーズの第一弾。
    初期の中国は戦国時代の印象が強く、武力による統一という点に焦点があたりがちだ。
    本書はフラットな目線で国家の成立や衰退が描かれており、官僚制度や律令の重要性を感じとることができる。 

    この分野の門外漢としては用語の意味を追うだけでもなかなかに大変だったが、大国の成り立ちを知るよいきっかけになった。

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    2019年12月12日
  • 江戸の性愛術(新潮選書)

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    通勤で電車に乗る時間が往復で4時間近くあり、勉強の時間が持ててありがたいと思っています。
    さて本書は子孫繁栄以外の楽しみのほうを豊富な春画と、分かりやすい解説で、当時の風俗を教えてくれます。
    ただページをめくるといきなり現れる「豊富な春画」は、通勤電車の車内で読むのにはちと難点となります。あるていどは裏のページが透けていますから、次にイラストが来るな・・・というのは分かりますが、アノ部分のどアップであったり、真っ最中の描写であったり、車内で読むにはスリル満点です。
    結論:通勤時間が長くて退屈だという方に、本書をお勧めします。

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    2011年02月28日
  • 中華の成立 唐代まで

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    難しかった。これまで読んできた中国史の本とは視点が違っていて、社会のシステムの話がメインだった。中国を、草原世界の東端と、海洋世界の北端が出会う場所だという話は印象的だった。

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    2023年06月24日
  • 中華の成立 唐代まで

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    「シリーズ中国の歴史」の第一巻目、古代から隋唐時代までを一冊にまとめられています。古代については、資料などからどのような集団を作っていたのかを具体的に浮かぶように説明されていて、その中からどのように支配層が誕生してきたのかが想像でき、当時の様子を思い浮かべながら興味深く読むことができました。そのためか、(発掘資料などからの)古代の人々の生活状態の解明から、中国各地の国家群の形成まで進めていくことで、後半部分は、必然的に内政を中心に書かれたものとなっています。政府の形態や、そこで働く官僚の手当、それぞれの地域を守る兵士の徴用など。これはこれで面白かったのですが、これでは中国の歴史の一部になってし

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    2021年10月30日
  • 中華の成立 唐代まで

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     〈シリーズ中国の歴史〉の第一巻。 
     全5巻各冊の冒頭に、「今、中国史をみつめなおすために」と題した、本シリーズ全体の狙いが述べられている。「中国」という枠組自体を自明視することなく、多元性、多様性の中国をいかに捉まえ、現代中国につながる歴史を論ずることができるか。野心的で、非常に楽しみな試みである。

     第一巻においては、中国はどのような社会と政治のしくみを創りあげながら、隋唐時代にいたる中国・中華世界を原型を形成したのかが主題とされる。

     まずは素朴な感想。文字史料の絶対的に少ない古代社会を知るには考古学的資料が重要であるが、中国の経済開発に伴い発掘が進み、農耕聚落の構造や大規模城郭の

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    2020年09月30日