本田靖春のレビュー一覧

  • 誘拐
    一般に「吉展(よしのぶ)ちゃん誘拐殺人事件」と呼ばれる、1963(昭和38)年に起こった営利誘拐事件を題材にしたノンフィクション小説。

    事件の経緯は以下の通りである。
    19630331: 東京の下町入谷で4歳の吉展ちゃん誘拐される
    19630407: 犯人から被害者宅へ7回目の電話。身代金の受渡指...続きを読む
  • 誘拐
    昭和に起こった誘拐事件のノンフィクション。
    有名な事件だが、一般的に紹介されにくい警察の度重なる不手際や犯人の生い立ちがくわしく書かれている。

    と書くと、あたかも犯人に同情的で警察に批判的なように聞こえるかもしれないが、そうではない。たしかに犯人の生い立ちは凄絶で、警察はずっと失敗している。ほとん...続きを読む
  • 誘拐
    昭和38年に発生した誘拐事件、吉展ちゃん事件を描いたノンフィクション。加害者の暗い過去など時代背景、高度成長期の影の部分がリアルな力作。

    東京オリンピックの直前の台東区入谷で発生した4歳男児の誘拐事件。警察の不手際により身代金50万円は奪われ事件は迷宮入りの様相。だが伝説の刑事平塚八兵衛らの執念の...続きを読む
  • 誘拐
    "私がまだ生まれる前、昭和38年に起こった誘拐事件。その真相に迫るノンフィクションの傑作。最後のページまで緊張感が続き、被害者、加害者、関係者、この事件に関わる全ての登場人物との距離感も絶妙。
    著者の綿密な取材、苦労とともに、書き手の文書力がなければ本作品は成り立たない。

    吉展さんのご冥福を祈り、...続きを読む
  • 誘拐
    事件ノンフィクションの古典。

    時代と言ってしまうとそれまでだが、
    戦後に起きたとても悲しい物語。(108)

    [more]
    (目次)

    発端
    展開
    捜査
    アリバイ
    自供
    遺書
  • 誘拐
    1963年に起きた「事件」である
    その次の年が「東京オリムピック」、
    高度成長期に差しかかかり始めた時代の
    「明」と「暗」を象徴している事柄である

    あれから半世紀以上経とうとしているが
    果たして、庶民の置かれている状況は
    どうなっているだろう…
    あの時代には存在しなかった
    携帯電話が普及し、イン...続きを読む
  • 誘拐
    ものすごく、面白かったです。
    文庫本368頁。
    誘拐殺人の実話なので、面白え、っていうのも若干、申し訳ない気持ちがするのですが。
    とにかく読み物としてオモシロカッタ。
    頁をめくる手が止まりませんでした(電子書籍でしたけど)。

    ノンフィクションです。
    1963年に東京都で起きた「吉展ちゃん(よしのぶ...続きを読む
  • 誘拐
    よしのぶちゃん誘拐事件をリアルに追ったルポ。なんでこんなにハラハラするんでしょうねえ。感情のはめ込み具合が絶妙なんだなあ。
  • 誘拐
    怖い…。犯人が(いつ見つかるか…いつ見つかるか…)と戦々恐々としながら2年半の逃走を続ける様が『罪と罰』を読んでいたときのドキドキ感に似ている。事件が解決してもすっきりするものが何もない読後感…。この本をもとにした番組が放送されたあとの被害者の両親のコメントに、少し救われた気がしました。
    戦後高度成...続きを読む
  • 誘拐
    素晴らしいノンフィクションの傑作。吉展ちゃん誘拐事件。東北出身の犯人の哀しい人生。容疑者として追い詰めながらも捕まえられない警察。その失態も不可解。警察、被害者の両親、特に犯人の人生を浮き彫りにした構成は読み応えがある。
  • 誘拐
    重厚なノンフィクション。とても読み応えがあった。どうも文章が古臭えなと思ったら46年も前に書かれた本だった。多角的な視点で事件を捉えてて、回りくどいなと思う事もあったけどそのおかげで色々時間がくっきり見えた。うまい。
  • 誘拐
    ノンフィクションを初めてしっかり読んだ気がする。今まであまり触れてこなかったジャンル。

    誰か一点の視点では見えてこない事実。
    最初は家族の視点の次が、お前誰やねん、ってなってしばらく頭が追いつかなかったのだが、犯人か、この人、となってからは切り替えられるようになった。
    ページのボリューム的には犯人...続きを読む
  • 誘拐
    吉展ちゃん事件については、元東京新聞記者により比較的最近に出版された「誘拐捜査」を先に読んでいた。この作品のほうが同テーマを扱ったものとしては先行かつ有名。両作品のアウトラインは当たり前だが似通っている。こちらの方が、犯人である小原保に関する叙述が、生い立ちや自白後の顛末など多い印象。逆に捜査陣の内...続きを読む
  • 誘拐
    なんとなく事件名は知っていたものの詳細は全く知らない状態で読み始めた本作。読みやすく読み応えのあるノンフィクション。
  • 誘拐
    まだ営利誘拐に慣れていない時代。ノウハウ持たぬ捜査陣のあたふたぶりがよく分かる。終盤、昭和の名刑事と犯人の直接対決場面が見どころ。
  • 誘拐
    被害者、加害者、捜査の裏側等、色んな角度からの状況が書かれているのが面白かった。
    戦後直後の捜査状況等が分かるのも面白い。
  • 誘拐
     かつて、吉展ちゃん誘拐殺人事件という事件があったことを知っている。
     しかしながら、それがどのような事件かについてはほとんどを知らない。

     この本を読んで、どんな感想を言えばいいのか、適当な言葉が思いつかない。
     ただ、読んだことのない人には読んで欲しいと言いたい。
  • 誘拐
    感想
    光が強ければ影も濃くなる。ありふれた言葉だが正鵠を射ている。豊かになれば幸せになる。ついていけない人を振り払って。今はどうか。
  • 誘拐
    あまりノンフィクションを進んで読んできていないのですが、本書と同事件をベースとした『罪の轍』(奥田英朗)を読みまして本書に興味を持ちました。

    読み始める前にWikipediaで「吉展ちゃん誘拐事件」についてざっと目を通したうえで読みました。

    ノンフィクションというともう少し進めにくいかと思ってい...続きを読む
  • 誘拐
    実際の事件について何も知らない状態で、ノンフィクションであることはわかった上で読んだ。

    日頃ノンフィクションを読まないからか、読むのに苦労した。なかなか話が入ってこず、飛ばし飛ばし読んだところもある。

    他のノンフィクションがわからないので、どうとも言い難い。