本田靖春のレビュー一覧

  • 誘拐

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    実際の事件について何も知らない状態で、ノンフィクションであることはわかった上で読んだ。

    日頃ノンフィクションを読まないからか、読むのに苦労した。なかなか話が入ってこず、飛ばし飛ばし読んだところも。

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    2024年10月16日
  • 複眼で見よ

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    気骨あるジャーナリストとして最近知った本田靖春という方。その人の論稿を集めたもの。「拗ね者」を自認していたようだけど、一冊読んだ印象としてはそうでもないなあという感じ。まあ、「拗ね者」を判官びいきととるか反骨ととるかでも変わってくるだろうけど、おおむね正論の展開だった。しごくもっともなことをおっしゃっていて、常識が揺らいでる現代においてはいいこと言ってるって感じもあるけど、良識的な常識(たとえば、新聞は反骨メディアだということや平和憲法護持が当然といったこと)がまかり通っていた本田さん活躍の時代ではそんなに珍しい意見でもなかったんじゃないかしらん。
    単行本を編集した武田浩和さんという人が編集付

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    2021年10月30日
  • 誘拐

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    苦労して読んだ。

    ノンフィクションなのだから正しいのだと思うが、事実がただ小説風に書かれているだけのような印象。
    かと言って淡々と進むわけではなく、盛り上がっているような雰囲気を見せる。が、見せるだけ。

    この事件を解決するために、多くの人たちの努力があったのだなということはすごく伝わった。

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    2021年10月05日
  • 誘拐

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    よく調べあげられている。著者自身、捜査員とジャーナリストの役割の違いをよく理解し、同業者が捜査員の務めと混合している事を冷静に観察している。
    が、しかし、この『誘拐』は、ノンフィクション上の傑作として評価されているのだが、刊行当時の1977年に、良い作品として評価されるならまだしも、21世紀の現代においても、そう評価されている事に疑問を持つ。
    業界の常識、評価する人の評価基準は、おかしいのではなかろうかと。
    簡単に、この『誘拐』の内容を紹介すると、東京オリンピック間近の1963年の吉展ちゃん誘拐事件を事件発生から犯人逮捕、刑執行までを、綿密な取材を元に再現されている。
    何ら予備知識無く、いきな

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    2020年12月15日
  • 誘拐

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    事件の背景、前後、理由、全て気になるので、ノンフィクションはつい読んでしまう。
    客観的で、時系列も分かりやすく、淡々としていて読みやすかった。
    お金に困っての犯行だったが、その事件に至るまでの保の生い立ちや生き方、社会の中での立場にやるせなさを感じる。
    当時、逆探知もなければ、身代金のナンバーも控えてなかったらしい。
    警察の失態もあるけど犯人逮捕に時間がかかっているし、しかも子どもは亡くなるという結果。
    迷宮入りしなかったのが救い。

    最近も世の中を逆恨みするような事件とか増えてる気がする。
    こんなことが起きない世の中にはならないのだろうか。
    なんの罪もない子どもが巻き込まれるのは辛い。

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    2020年07月13日
  • 誘拐

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    刑事が入念な再捜査で得た情報を犯人にぶつけ、犯人が自白に至る経過は迫力があった。
    情報がうまく上層部に上がらないのは、どこの組織でもあることだろうと感じた。

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    2020年05月03日
  • 誘拐

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    1963年に起こった吉展ちゃん事件について、ルポタージュ風に書かれたもの。
    事件の流れだけでなく、犯人の生育環境とか捜査の内容まで生々しく書かれていて、読み応えはあった。
    時代背景をうまく理解できないところがあって、ところどころ消化不良。
    どちらかというと加害者側の視点で書かれていて、事件の悲惨さはそれほど濃く描かれていなかったので、物足りない人には物足りないかと。

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    2020年03月09日
  • 複眼で見よ

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    戦後を代表するジャーナリストが遺した、傑作ジャーナリズム論。権力と差別と慣例に抗い続けた孤高のジャーナリストのモノの見方とは!

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    2020年01月07日
  • 誘拐

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    日本のノンフィクションの歴史に刻まれる名作なんです。現代の目で見て物足りなくても、それは無いものねだりというものだ。神の視点で書かれた「小説仕立て」であるところとか。

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    2019年04月24日
  • 誘拐

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    ネタバレ

    私が生まれた年に起きた事件にも関わらずその名を何故か知っていた、当時、戦後最大の誘拐事件といわれた「吉展ちゃん事件」。今はもう知る人も少ないかもしれない、この事件の詳細をこの作品を読んで初めて知った。

    逆探知、通話記録の提出、報道協定・・・今なら当然のように行われている捜査手法が当時は一般的でなく、この事件を契機に行われるようになったという戦後犯罪史上ターニングポイントにある事件でもある。

    この作品は、オリンピック前年の1963年、一億総中流へと向かう行動経済成長期の日本で、時代に置き去りにされた、東北の寒村出身の不具の男が、このやるせない事件を起こすに至る経緯を、緻密な取材によって丁寧に

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    2018年06月29日
  • 誘拐

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    幼児誘拐事件の犯人、被害者家族、刑事を均等に描くノンフィクション。
    「犯罪者というのは、社会的に追いつめられてしまった弱者の代名詞なのではないか」――という一文に、ほんの少し前なら共感したかもしれない。でも『殺人犯はそこにいる』を読んでまもない今は、そう思えない。
    理不尽なことに塗りこめられてしまうことはある。でもどんなときも、自分を追い詰めるのは、自分自身なんじゃないかと思う。弱いとか強いとかそんな形容詞で決めるのは違うと思う。自分にどんな選択をさせるかは自分自身なんだってことを知っているかどうか、ただそれだけなんじゃないのかな。
    それを知ることができないのが社会的に追い詰められた弱者、なの

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    2018年01月29日
  • 誘拐

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    ネタバレ

    事件の名称だけは知っていただけで読んだため、被害者の結末も犯人も分からない状態であり、まっさらの状態で読むと確かに犯人が犯人たりうるかは特定できない。疑わしきは罰せずであれば見逃してしまったのも仕方がないと思える。ただ、どう考えてみても初動捜査が悪い。本文中にもあるが、ここで番号でも控えていれば犯人逮捕までそこまで多くの歳月が掛かることも、証拠不十分で流されることもきっとなかっただろう。また、ノンフィクションとして優れていたのは、こうした警察の混乱と同時にいわゆる「世間」の反応を具に描いている点である。善意が負担となり、傍観者の立場から非難を行い、悪意で被害者家族を蹂躙し、厚意が他者から恨まれ

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    2018年01月04日
  • 誘拐

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    東京オリンピックを翌年にひかえた1963年、東京の下町・入谷で起きた幼児誘拐、吉展ちゃん事件は、警察の失態による犯人取逃がしと被害者の死亡によって世間の注目を集めた。迷宮入りと思われながらも、刑事たちの執念により結着を見た。犯人を凶行に走らせた背景とは?貧困と高度成長が交錯する都会の片隅に生きた人間の姿を描いたノンフィクションの最高傑作。文藝春秋読者賞、講談社出版文化賞受賞。

    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    本田/靖春
    1933年、朝鮮に生まれる。55年、早稲田大学政経学部新聞学科卒業後、読売新聞社に入社、社会部記者、ニューヨーク特派員などを経て、71年退社。64年には、売血の

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    2017年01月20日