河野健二のレビュー一覧
-
-
-
Posted by ブクログ
昨今、日本社会において過度なグローバル化や一部のエリート層による支配を批判的に捉える世論が見受けられるが、19世紀のフランスでプルードンという人物が主張した思想との共通項を感じることができ、非常に興味深い一冊である。
19世紀半ばの産業革命において、格差などが社会問題化し、あらゆる社会主義的な思想が拡がったが、プルードンの思想はこれらとも一線を画する。
社会主義的思想に基づいた政府による社会問題の解決は結局のところ政府への権力の集中になる。
これに対してプルードンの思想は人民の相互性や自発性を重んじているように思えた。
小集団による協同組織が相互に共存しあう形を提示しており、これは神武建 -
Posted by ブクログ
プルードン著作からの選文集。
プルードンの著作は古い邦訳が幾つかあるだけで、マルクスと同時代のフランス思想の重要人物にしては注目度が低いわけだが、そのような日本の文献状況の中では、このように文庫で外観できるものがあるのはさしあたり便利である。
とはいえ、選文集である以上選者の考え方が色濃く反映され、また選者の読み方でプルードンを読まされることになる。文脈がわからないのでいまいち読んでしっくりしない部分がある。これは仕方のないことだが、そう感じたときに通読できる全訳が容易には手に入らざることは難儀である。
プルードン自身の思想は、労働と交換をベースにしたコミューン主義であるとひとまず概括してよい