河野健二のレビュー一覧
-
-
-
Posted by ブクログ
プルードン著作からの選文集。
プルードンの著作は古い邦訳が幾つかあるだけで、マルクスと同時代のフランス思想の重要人物にしては注目度が低いわけだが、そのような日本の文献状況の中では、このように文庫で外観できるものがあるのはさしあたり便利である。
とはいえ、選文集である以上選者の考え方が色濃く反映され、また選者の読み方でプルードンを読まされることになる。文脈がわからないのでいまいち読んでしっくりしない部分がある。これは仕方のないことだが、そう感じたときに通読できる全訳が容易には手に入らざることは難儀である。
プルードン自身の思想は、労働と交換をベースにしたコミューン主義であるとひとまず概括してよい