あらすじ
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
分権制、連合主義、地域主義、相互扶助組織など、一九世紀フランスの情況から切り出された思想が、資本主義の一世紀半、「共産主義国家」の一世紀を経て、いま新たな重要性を帯び、注目を集めている。権力と富との集中を徹底的に拝して、相互保証組織を備えた小規模な集団が契約を通じて政治的な連合を作り上げる-アナーキズムの流れが受け継ぐプルードンの批判と構想、その精髄を抜粋し、テーマ別に編んだアンソロジー。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
自由・平等・友愛を「真実の社会」の根本原理に据え、それを実現する体制としてのアナルシー、すなわちアナーキズムを提唱したプルースト。彼の思想の真髄を諸著作からの引用によって明らかにする。契約の原理によって社会を作るという発想は、フランス革命以降の世界に生きている人間にとっては理想なのは間違いない。問題は、それをどのように実践するかだ。
Posted by ブクログ
昨今、日本社会において過度なグローバル化や一部のエリート層による支配を批判的に捉える世論が見受けられるが、19世紀のフランスでプルードンという人物が主張した思想との共通項を感じることができ、非常に興味深い一冊である。
19世紀半ばの産業革命において、格差などが社会問題化し、あらゆる社会主義的な思想が拡がったが、プルードンの思想はこれらとも一線を画する。
社会主義的思想に基づいた政府による社会問題の解決は結局のところ政府への権力の集中になる。
これに対してプルードンの思想は人民の相互性や自発性を重んじているように思えた。
小集団による協同組織が相互に共存しあう形を提示しており、これは神武建国の日本の姿とも通じるものがある。
時代や地域が違えど理想を求める思想に共通項はあることは興味深い。
また、グローバル化や市場の過度な効率化に対して、常に人民は対抗し続けているという視点で歴史を見るのも面白いと感じた。
Posted by ブクログ
プルードン著作からの選文集。
プルードンの著作は古い邦訳が幾つかあるだけで、マルクスと同時代のフランス思想の重要人物にしては注目度が低いわけだが、そのような日本の文献状況の中では、このように文庫で外観できるものがあるのはさしあたり便利である。
とはいえ、選文集である以上選者の考え方が色濃く反映され、また選者の読み方でプルードンを読まされることになる。文脈がわからないのでいまいち読んでしっくりしない部分がある。これは仕方のないことだが、そう感じたときに通読できる全訳が容易には手に入らざることは難儀である。
プルードン自身の思想は、労働と交換をベースにしたコミューン主義であるとひとまず概括してよい。労働と個人と社会の関係をいかにすべきかという問題が19世紀前半の大陸欧州の基本的思想課題であって、そのような見取り図のなかでプルードンは一つの独特な地位を占めている。